疎遠になってた元ガキ大将のムチムチポニテ幼馴染との青春を高校生活から書き直す   作:サニキ リオ

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第38話 試験勉強

 五月も下旬。みんな大嫌い試験期間の幕開けだ。

 俺は正直、勉強に関してはそこまで焦っていない。高校一年の中間試験なんて範囲も狭いし、難易度もたかが知れている。

 社会人を通して勉強の大切さを思い知ったこともあり、学習意欲は極めて高い。おかげで勉強しなかったとしても余裕で平均点を上回ることも可能だろう。

 

 ただ今回は本気で点を取りに行くことにメリットがある。

 大学への内部推薦に成績は大きく響く。高校三年生の期末試験の成績と高校一年生の中間試験の成績が同価値である事実は無視できない。

 

 つまり、難易度が低い内に点数を稼いでおけば、内部推薦がバカみたいに楽になるのだ。

 だからこそ、確実に点を取る必要がある。

 

「大問三、一a二c三d……」

「ちょっと、何ブツブツ呟てるの?」

「ああ、化学の大塚先生は問題集コピーしてそのまま問題出すからな。試験範囲の答え丸暗記してた」

「頭のいいバカって、こういう奴のことなんだろうなぁ」

 

 失礼な。極めて効率のいい点の取り方を実践しているだけだ。

 

「別に俺は勉強しなくてもそこそこ点を取れるから上振れ狙ってるだけだ」

 

 まあ、未来知識を利用しているのもあってズルではある。

 さすがに試験範囲や授業内容は覚えていなかったが、あの先生問題集まるまるコピーしてたなー、みたいな出来事は覚えていた。

 取れる満点のチャンスを逃す理由はない。

 高二まで成績上位キープできれば、高校三年生は赤点ギリギリでも内部推薦余裕だろう。

 

「何でそんなにモチベーション高いのよ」

「今の内に頑張っておいたほうが後々楽になるからだ」

「うぅ、パパみたいなこと言わないで……」

 

 ヨシノリは憂鬱そうな顔をしていた。

 

「はぁ……中間試験とか、ホント嫌なんだけど」

「よくそれで慶明の受験受かったな」

「人間死ぬ気でやれば大抵のことは何とかなるの」

 

 俺はそれで死んだけどね。

 ヨシノリは軽く頬を膨らませながら俺をじっと見る。

 

「ねえ、カナタ。どの教科が問題集そのまま出すのか教えて?」

「断る」

「何で!」

「お前のためにならないから」

「むぐぐ……」

 

 ヨシノリは不満そうな顔をしながら、それでもなお食い下がる。

 

「じゃあ、せめて一緒に勉強しようよ。勉強会しよ!」

「いや、執筆作業の時間が減るからパス」

 

 ふん、小娘が。俺をやる気にさせたかったら色仕掛けの一つでもしてみるんだな。たぶん、上目遣いで頼まれるだけで落ちる。

 

「勉強会って青春っぽくない?」

「……ほう」

 

 続けたまへ。

 

「ほら、みんなで集まってさ、わいわい勉強するのって、ちょっと憧れるじゃん」

「俺に任せておけ」

 

 俺の言葉に、ヨシノリはわかりやすく目を輝かせるのであった。

 

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