疎遠になってた元ガキ大将のムチムチポニテ幼馴染との青春を高校生活から書き直す   作:サニキ リオ

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第44話 機材調達

 それから俺はアミの動画投稿を手伝うため、秋葉原でパソコンなどの機材を見に行った。

 秋葉原の電気街口は、平日でも大勢の人で賑わっている。まだ外国人向けの観光街になっていない秋葉原はとても居心地が良かった。

 

「パソコン安っ!?」

 

 目の前のショーケースには、スペックの割に驚くほど安価なパソコンが並んでいた。

 

「高校生には高いと思いますけど……」

 

 一般的な高校生にとっては決して安い買い物ではない。だが、未来から来た俺からすれば、この時代のパソコン価格はまさに天国だった。

 この時代では、まだコロナ禍による半導体不足が起こっていないからスペックの割にパソコンの値段が安かったのである。

 

 何となくAMUREが使っていた機材回りのことは配信で言っていたので覚えているが、それは未来での話だ。

 ここは詳しい店員さんに、使用用途を詳細に話して見繕ってもらうのが一番良い。

 少なくとも、この時代の秋葉原のパソコン専門店の店員さんの知識は信用できるはずだ。

 

「アミ。予算は大丈夫そうか?」

「バイト代と今まで溜めたお小遣いを合わせれば、たぶん……」

 

 偏見だが、お小遣いの割合のほうが多そうだと思ってしまった。どう見ても実家太そうだし。港区にある一軒家に住んでおいて、さすがに貧乏ってことはないだろう。

 

「パソコンは自作のほうが安く済むな。ギター周りの機材は一通り揃ってるんだろ?」

「そうですね。元々ギターはお父さんのお古ですし、必要なものは一通り持ってます」

 

 やっぱり、実家が太くて父親が作曲家なのは爆アドだ。

 大人になっても都内に実家がある場合、出る理由はまったくと言っていいほどない。俺も二周目の人生は死ぬまで実家にいるとしよう。

 一人暮らしなんて金が無駄に出て行くだけで何のメリットもない。自立のためとか言っても、生活がどんどん適当になっていくだけで自立したとは言えないだろう。

 親が過干渉で束縛が酷くない限りは実家にいるメリットに勝るものはない。親もそのほうが喜ぶ。

 

「親が作曲家ってことは、まさか防音室もあるのか?」

「はい。ありますよ」

 

 神環境かよ。AMUREもなるべくしてメジャーデビューまで登り詰めたんだろうなぁ。

 それから、俺たちはパソコン専門店を巡り、パソコンをパーツから一式買い揃えた。

 ケース、マザーボード、CPU、メモリ、SSD、電源ユニット、そして動画編集用の高性能グラフィックボード。

 店員の的確なアドバイスもあって、予算内で必要十分なスペックを確保できた。

 

「お、重い……」

「ごめんなさい」

 

 両手いっぱいの荷物を抱えながら、俺は人込みを縫って歩いていた。

 秋葉原の通りは相変わらず混雑している。これだけの荷物を持って電車に乗るのは大変だが、アミの家まで運ぶべきだろう。

 

「カナタ、それにあーちゃん?」

 

 その声に振り返ると、そこには喜屋武を含めたヨシノリたちのグループが立っていた。

 

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