疎遠になってた元ガキ大将のムチムチポニテ幼馴染との青春を高校生活から書き直す   作:サニキ リオ

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第68話 水着のお披露目

 電車を降り、駅からバスを乗り継ぎ、俺たちはようやく宿泊先であるコテージに到着した。

 

「おおー! めっちゃいいじゃん!」

 

 ヨシノリが感嘆の声を上げる。俺たちの目の前には、海沿いの高台に立つ木造のコテージが広がっていた。広々としたウッドデッキが特徴的で、そこからは海が一望できる。

 

「うっひょー! テンション上がるさー!」

 

 喜屋武は両手を上げてはしゃぎながら、すぐに玄関の方へと駆けていった。

 

「まずは荷物を置いて部屋割りを決めようか」

 

 ナイトがそう言うと、みんな頷き、それぞれスーツケースやバッグを持って玄関へと向かう。

 

 コテージの中は木の香りが心地よく、リビングには大きなダイニングテーブルとソファセットが備え付けられていた。キッチンも広く、調理器具も一通り揃っている。

 ベッドルームは二部屋で、男女で分かれる形になった。

 

「男子部屋はこっちで、女子部屋は向こうね」

 

 ヨシノリが指をさしながら確認すると、ゴワスがさっさと男子部屋へ入っていった。

 

「荷物置いたらすぐ海行くぞ!」

「バッグを放り投げるなよ」

 

 呆れつつも、俺たちも荷物を置いて準備を整える。

 俺はキャリーケースを開けると、充電器やノートパソコンをテーブルの上に広げたり、ベッドに着替えを放り投げる。

 

「すごい……一分と経たずに男子部屋に生活感が溢れている」

 

 珍しく唖然とした様子のナイトがそんなことを呟く。

 

「もしかして、二人とも片付けは苦手かい?」

 

「「得意な奴なんているのか?」」

 

「オーケーわかった。最終日は余裕を持って帰り支度をするとしよう」

 

 額に手を当てて天井を仰ぐと、ナイトはそんなことを言い出すのであった。

 

 それから玄関で集合した俺たちは歩いて海水浴場へと向かう。こんなアクセスのいい場所を見つけてくれたナイトには感謝しかない。

 

「海だ――――!」

 

 浜辺に着いた途端、ヨシノリが服を脱ぎながら駆け出した。

 一瞬ドキッとしたが、どうやら下に水着を着ていたようだ。そりゃそうだ。

 砂の感触を確かめるように裸足で踏みしめ、海へ向かって一直線に走る。その姿はまるで小学生のように無邪気で、思わず俺も笑ってしまう。

 

 ヨシノリ以外は更衣室で水着に着替え、ビーチに集合した。

 俺の水着はヨシノリが選んだ無難なネイビーのボードショーツ。ナイトはブランドもののスタイリッシュな海パン、ゴワスは動きやすさ重視のスポーツタイプを選んでいた。

 一方、女子陣の水着はバリエーション豊かだった。

 

「どう? 似合う?」

 

 ヨシノリはスポーティなオレンジのビキニ。アイシャドウといい、こいつ本当にオレンジ色似合うよな。

 動きやすそうな格好だが、露出が多めでドキッとする。程よく引き締まった体に、健康的な肌が映えている。胸や腰も水着の紐で肉感が増してて大変目の毒である。

 

「めっちゃ似合ってる。正直、目のやり場に困ってる」

「ふふん、もっと褒めてもいいのよ?」

 

 ヨシノリは得意げに腕を組む。あの、ただでさえある胸を寄せてあげてるのはわざとなんですかね?

 

「ナイトさん、私の水着どうですか?」

 

 愛夏は夏らしい青のワンピースタイプの水着姿で、ナイトの前でクルッと回ってみせる。ナイトは一瞬視線を泳がせたが、すぐにいつもの余裕のある笑みを浮かべた。

 

「うん、健康的でよく似合ってるよ」

 

 その言葉に愛夏の顔がぱっと輝く。ほんのり赤くなった頬を隠すように、愛夏は髪を弄んでいた。

 

「アミの水着、すごく清楚で似合ってるな」

 

 アミは白地に青い花柄のビキニ。そのスタイルの良さが際立っている。今にも〝どたぷん〟という効果音が聞こえてきそうだ。

 

「あ、ありがとうございます……! ちょっと恥ずかしいですけど……」

「そんなら、わんの水着はどうさー?」

 

 頬を染めて照れるアミに、喜屋武が胸を張った。

 喜屋武の水着は沖縄っぽい柄のホルターネックビキニとパレオ。健康的な小麦色の肌によく映えている。

 

「喜屋武らしいな。ざ、沖縄って感じで」

 

 結構雑な誉め言葉だったのにも関わらず、喜屋武は照れくさそうに鼻をかいた。

 

「わんね、海は大好きだから楽しみさー!」

「よし、じゃあ行くよ!」

 

 ヨシノリが勢いよく先陣を切り、俺たちは青い空の下、期待を胸に砂浜を駆けた。

 

 いいな。これぞ青春という感じだ。

 シチュエーションやメンバーの個性も完璧。

 

 この三日間は、間違いなく小説の糧になる――という思いとは別に、純粋に友達と海に来るというワクワク感もあるんだけどな。

 




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