疎遠になってた元ガキ大将のムチムチポニテ幼馴染との青春を高校生活から書き直す 作:サニキ リオ
館内に足を踏み入れると、岩場や水辺の植物が生い茂る、まるで熱帯雨林の中に迷い込んだような展示が俺たちを出迎えた。水のせせらぎが静かに響き、ひんやりとした空気が肌を撫でる。
「おー、すげぇ……」
「わぁ、まるでアマゾンです!」
ゴワスが感嘆の声を上げ、アミも嬉しそうにキラキラした目で辺りを見渡す。岩の間を流れる小川には色とりどりの魚が泳ぎ、緑に包まれた空間にはところどころ小さな滝が流れ込んでいた。
少し離れたところでは、大きな水槽に群れをなして泳ぐ魚たちがゆったりと水の流れに乗っていた。底の方ではウツボが岩陰に身を潜めながら、こちらを窺うように口を開閉している。
「ほらほら、早く回ろ!」
ヨシノリが元気よく俺の手を引こうとする。
「俺、こういうのじっくり見たいんだけど……」
俺たちは興奮気味のヨシノリに促されながらも、それぞれのペースで水族館の奥へと歩き出した。
最初に足を止めたのは、巨大な水槽の中で長い脚を広げたタカアシガニがゆっくりと動いている展示だった。水槽のガラス越しに見るその姿は、まるで異世界の生き物のようだ。
「うまそうだな」
「水族館で
思わず漏れた俺の一言に、ヨシノリが即座にジト目でツッコミを入れる。確かに食材目線で見るのは場違いかもしれないが、実際に美味しそうに見えるのだから仕方ない。
続いて、優雅に水槽の底を滑るように泳ぐエイを見た愛夏が、思わず声を上げた。
「でっっっか!? こんなのが海にいたらビビるんだけど!」
その言葉にナイトが軽く笑いながら、隣でさらりと言う。
「愛夏ちゃんと同じくらいの大きさじゃない?」
「さすがの私も魚と同じくらい小っちゃくはないんですけど!」
「冗談だって」
ぷくっと頬を膨らませる愛夏に、ナイトは笑顔を浮かべる。
さらに進むと、鋭い歯を覗かせたサメが静かに泳ぐ水槽が現れた。アミがその姿に気づくや否や、さっと一歩後ずさる。
「うわぁ……ち、近くないですか?」
水槽越しとはいえ、間近で見るサメの迫力に圧倒されているのが伝わる。
「沖縄にもいるのかや……?」
アミの隣で、喜屋武が水槽を覗き込みながら呟いた。その言葉に、さらに背筋を伸ばしたのはゴワスだった。
「……海水浴場には出てこないことを祈る」
その一言に全員が想像し、一瞬静まりかえる。
「斎藤先輩。海に来ててその想像はやめましょうよ……」
愛夏が真顔で呟き、一同は苦笑しながら次の展示へと歩を進めた。
この後、どんな生き物が待っているのか。
そんな期待を胸に、俺たちは水族館の奥へと足を踏み入れていった。