疎遠になってた元ガキ大将のムチムチポニテ幼馴染との青春を高校生活から書き直す 作:サニキ リオ
日が沈み、コテージの庭には炭火の香ばしい匂いが漂っている。
潮騒の音が心地よく響き、火照った体に夜風が涼しく感じる。
水族館でのお姫様暴走事件も解決し、俺たちは合流してシャチのショーを見たり、また別の組み合わせて水族館を回ってからコテージへと戻った。
そして、夏の旅行二日目の夜は待ちに待った一大イベントバーベキューである。
「よっしゃ! 肉焼くぞ!」
ゴワスが勢いよくトングを構え、網の上に分厚い肉を次々と置いていく。じゅうっと焼ける音とともに、脂が滴り、炎が少しだけ上がる。
「せっかくの食材なんだから焦がさないようにね」
「任せとけ!」
ナイトが冷静に注意するが、ゴワスは自信満々に荒々しくトングを振るう。
一方、女子陣は飲み物や紙皿の準備をしていた。クーラーボックスから取り出された冷えたペットボトルが並び、プラスチックのコップを用意していく。
「あーちゃん、ドリンクはそっちに置いといて!」
「はーい!」
アミが楽しげな声を挙げながら、お茶やジュースをテーブルに並べる。その横ではヨシノリが手際よく野菜を準備していた。
「これ、焼く? それとも後で炒める?」
「網で焼いちゃおう! 炭火で焼いた野菜っておいしいからね!」
「なら決まり!」
キャベツやピーマン、ナスが串に刺され、網の上でじっくりと火を通されていく。
「ゴワス。肉ばかり食べすぎだよ」
「俺は草はいらねぇ」
「草って、お前……」
とりあえず、ゴワスの皿には野菜を追加しておく。
そんな中、愛夏がエビ串を手にしてこちらにやってきた。
「お兄ちゃん、由紀ちゃん。これ美味しいよ、殻ごといける!」
愛夏はそう言いながら、香ばしく焼き上がったエビを口に運ぶ。その表情から察するに、殻の香ばしさとエビの旨味が口いっぱいに広がることだろう。
「へぇ、殻ごといけるのか?」
「うん、パリパリしてめっちゃ美味しいよ! ほら、ちょうど一本焼き上がったよ」
愛夏のすすめに、俺とヨシノリは顔を見合わせる。お互いに軽く頷き、俺がエビ串を手に取った。
「よし、いくぞ」
「せーの!」
俺とヨシノリは一本のエビ串へ同時にかぶりついた。
「「あっつぅ!?」」
殻の熱さと中のエビのジューシーさが想像以上で、二人同時に絶叫してしまう。
「ふふっ、相変わらず二人共猫舌だね!」
平気そうに熱々のエビ串を貪っている愛夏がくすくすと笑う。
「忘れてた、こいつめっちゃゴリラ舌だった……!」
「はふっ……けど、これめちゃうま熱ぅ!」
食欲のほうが勝ったのか、ヨシノリは熱さに耐えながらも、エビの旨味を噛みしめる。
「でしょ?」
愛夏が得意げに微笑み、俺とヨシノリはお互いに苦笑しながら、ようやくエビを飲み込んだ。
「さて、次は何焼こうか?」
「もっとシーフードもいっとくか?」
ゴワスがクーラーボックスを開け、中からホタテを取り出す。炭火の上に並べられたホタテが、じわじわと殻を開き始めた。
「いい感じに焼けてきたな!」
「バター乗せたら絶対美味いやつじゃん!」
ワクワクした様子でヨシノリはバターを取り出し、ホタテの上に慎重にのせる。じゅわっと広がる香りに、全員がゴクリと喉を鳴らした。
「いただきまーす!」
こうして、最高のバーベキューの夜は、まだまだ続いていくのだった。