自分の書き方としては岡崎がいるときは一人称、いない時は三人称で進めています。
光坂高校の生徒である彼女、一ノ瀬ことみは天才少女である。いつもなは図書室に籠ってひたすらに本を読み続けている彼女だが、今日は図書館で借りた本をここワグナリアでゆったりとコーヒーを飲みながら読んでいた。
「とっても、とっても幸せなの……んー、おいしいのっ」
彼女は普通のファミリーレストランにはあまり行かない。しかし偶然、ワグナリアのコーヒーは彼女の琴線に触れたらしい。コーヒーカップを置いて、今日はどの本にしようかと表紙を眺めていく。
『哲学者とオオカミ』『反貧困』『Lord of the Files』と図書館で適当に手に取った本たちを見て彼女は悩む。手に取ってもいややっぱりと戻す、これを何度も繰り返す。
「失礼いたします、お客様」
眉をひそめて悩んでいるところに、蝶ネクタイをしたウェイターが話かけた。反応が遅れたことみは、彼に聞いてみようと決めた。
「お客様、そち――」
「この中で、どれがいいと思う?」
「えっ? えーと……」
突如選べとフラれてしまった小鳥遊は、疑問に思いながらも表紙を見比べる。ことみは静かに小鳥遊の返事を待つ。
「これ、確か泉姉さんの部屋にあったな……。それでは、これで」
「『哲学者とオオカミ』!……ありがとうなの」
ことみはお礼を言って、さっそく読み始める。読むスピードの速さに舌を巻いた小鳥遊は一瞬固まってしまう。しかし小鳥遊は、彼女に聞きたいことがあったのを思い出した。
「え、えとお客様……」
「……」
「お客様……よろしいでしょうか?」
「……?」
彼女の集中力が凄まじく、小鳥遊が何度も話しかけた所でやっと反応があった。
「どうしたの?」
「読書中にすいません。聞きたいことがありまして。……お客様のその制服、どこの高校か聞いていいでしょうか?」
「……制服?」
何故そんなことを、と首をかしげることみ。彼女のスローペースにやきもきする小鳥遊だが、じっくりと返事を待つ。
「光坂高校なの。あっちの方にあるの」
「光坂高校というと……。あの、すぐそこにある高校ですか?」
「……お兄さん、もしかして……」
「はい?」
高校を聞いただけなのに、なぜか目をウルウルさせ始めたことみ。戸惑う小鳥遊に構わずことみは続ける。
「お兄さん、ことみを……いぢめる?」
「…………はい?」
「いぢめる?」
「い、いじめませんよ!」
「本当?」
「本当ですよ!?いじめる理由なんてありませんよ。大切なお客様なんですから!」
「……ふぅ。それなら、良かったの」
うちじゃ見かけないタイプだな、と小鳥遊は内心思いながらもう一つ質問を試みる。
「えっと……。それでは、お客様、最後に聴きたいのですが……よろしいでしょうか?」
「まだ、何かあるの?」
「そちらの高校に『岡崎』様という方を御存知でしょうか?」
「おかざき、さま? うーん……知らないの」
「そうでしたか、ご協力ありがとうございました。ごゆっくり、くつろいでいってください」
「ありがとうなの♪」
小鳥遊は私を気遣う言葉をかけた後、急ぎ足でバックヤードの方に向かって歩いて行った。背中を見届けたことみは、選んでもらった本に目を向けた。
「……」
目を向けてから数秒経たずに、彼女は既に集中し始めていた。彼女が授業免除の天才少女であるという事は、ワグナリアの誰も知らないままなのだった。
本についてWorking!!側で絡めそうなのは泉姉さんぐらいか?と思って名前だけ出しました。
大きな変更点
・ことみ視点でなく三人称視点に変更