しかし説明が何も無しでは不親切なので入れざるを得ない。
光坂高校から少し歩いた所にあるファミレス、ワグナリア。比較的新しいこのファミレスは、通学路沿いにあるため学生の客がよく訪れる。そのため店員たちは常に忙しそうにしている、はずなのだがどこかおかしな光景が店の控室に展開されていた。
「やっぱり、八千代の作るパフェは美味いな」
「よかった! 私、杏子さんの為ならいつでも作りますから!」
「うむ、よきにはからえー」
「はいっ!」
とても偉そうにパフェを食べている女性は
「ちょっと店長!」
そんな二人に苛立ちながら近づくのは、バイトの
「忙しいのに何またパフェ食ってるんですか!」
「ん? だって私仕事できないし」
「そこまでハッキリ言いのけるなんて、流石杏子さん!」
「轟さんもノらないでください!」
轟は白藤の事が大好きなため、いつも過保護である。小鳥遊は、呆れてため息をついた。
「いい加減店長という自覚を持って下さいよ」
「自覚だと? ……ふむ、それなら」
「杏子さん?」
白藤は椅子に座ったまま、上体を仰け反らせてふんぞり返った。
「店長だぞーっ! 一番偉いぞーっ! ……こんな感じか?」
「駄目だこの年増……」
「小鳥遊君、杏子さんは居るだけで偉いんだからいいの!」
「こっちも店長が絡むと本当に駄目だ……」
小鳥遊は二人から目を逸らした所で、控室の外から声がかかった。
「か、かたなしく~ん! 十四番さんお願い~!」
「ハッ、先輩が困っている! はい、今行きます!」
小鳥遊をかたなしと呼び間違える彼女は
一方で、キッチンとフロアの間でも問題は起きていた。
「伊波! これ十番卓に――」
「ひぃっ佐藤さん! あ、あわわ……」
キッチンで完成させた料理を持ってきた男性は
そして怖がっている女子は
「……轟、これ頼む」
「は~いただいま~♪ それでは杏子さん、いってきますね!」
「ん、頑張って来い」
伊波が皿を受け取れ無さそうな様子を見て、佐藤は諦めて轟に頼むこととした。
「うぅぅ……」
「伊波、お前……こないだ小鳥遊のおかげでちょっとずつ慣れてきたから任せてくださいー、って言ってなかったか?」
「だ、だってまだ……近づいたらなぐ――」
「……ん?」
丁度その時、伊波とぶつかりそうな位置に来てしまった男性は、
相馬は今の状況を見て、これから自分がどうなってしまうかを察知した。しかし時すでに遅し。
「……ヒッ! 相馬さ……!」
「あ――嫌な予感が――」
「……い、いやあああぁあぁあぁあ!」
バキィッ!
「へぶぅ!?」
「ご、ごめんなさ~い!」
伊波の鍛え抜かれた右ストレートが、相馬の顔面に突き刺さった。仰向けにのびてしまった相馬と、謝る伊波を見た小鳥遊は、すぐに状況を理解して伊波に声をかける。
「ほら伊波さん! 相馬さんで遊んでる暇があったら早く食器を下げてください!」
「あ、遊んでたわけじゃないよ!? わ、わかったからそれ以上近づかないで!」
「言われなくとも殴られたく無いから無暗に近づきませんよ!」
「そ、それはそれで……なんか嫌なんだけど」
「どうしろってんですか……」
伊波の言葉を汲み取れない小鳥遊はがっくりと肩を落とす。一方床にダウンしていた相馬は全然心配されていない事にシクシクと泣いていた。
「最近、殴られて、無かったのに……あと小鳥遊君酷い……」
「相馬、通路の真ん中で寝るな。踏むぞ」
「佐藤君はもっと酷い……」
同僚に追い打ちをかけられていた。彼の日頃の行いが悪いので、残念ながら自業自得なのである。
「……ふむ、深刻だな」
そんな様子をボーっと見ていた白藤は、そう呟いた。
Workingは原作漫画を全巻買って読み終えています。
キャラ崩壊とタグが付かないよう気を付けます……。
大きな変更点
・やり取りを全体的に追加