おかんに呼ばれてリビング行ったら連邦生徒会長居たんだが   作:月山 白影

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前兆

 

 

 

 ???『リンちゃん、リンちゃーん』

 リン「誰が「リンちゃん」ですか。その呼び方は控えるようにと言ったでしょう?「生徒会長」」

 ???『でも……リンちゃんはリンちゃんだもん……うーん、何て呼べばいいのかな……』

 ???『七神……様?』

 リン「……」

 ???『それか、リンさん?リン様?……リン殿?』

 リン「……お好きなようにどうぞ」

 リン「何でも構いません。私に対してそんな風に呼びかけるのは、きっと生徒会長だけですから」

 ???『分かった、じゃあリンちゃんで!へへっ』

 ???『……あれ〜?もしかしてリンちゃん、今笑った?』

 リン「……笑ってません」

 ???『え〜?私、見たよ?』

 リン「……気のせいですよ」

 ???『そうかなぁ?笑ってたと思うんだけどなぁ……』

 リン「……」

 リン「…本当に気のせいですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アユム『リン先輩……』

 リン「……!」

 

私は起きる

 

 

 

 │連邦生徒会室

 

 アユム『先輩、大丈夫ですか……?』

 リン「アユム……?……すみません、少し眠っておりました」

 アユム『お疲れの所すみません。至急確認をお願いしたい事項が……』

 リン「……ええ、大丈夫です。行きましょう」

 

 

 

 

 モモカ『お、リン先輩にアユム先輩。遅くまでお疲れ〜』

 リン「モモカ」

 アユム『モモカちゃん……例のアレを……』

 モモカ『はーい、こっちこっち』

 リン「これは……?」

 モモカ『これ、2時間前に検出したデータ』

 モモカ『キヴォトス全域で、超高濃度のエネルギー体がいくつか観測されたの』

 リン「……」

 モモカ『えーと……場所は、アビドス砂漠、D.U.近郊の廃墟化した遊園地、ミレニアム郊外の閉鎖地域、トリニティとゲヘナの境界付近、ミレニアム郊外の新しい都市と……あと、サンクトゥムタワーのど真ん中(・・・・・・・・・・・・・・)

 リン「サンクトゥムタワーの真ん中、と言いますと……」

 モモカ『そう……私たちが今いる場所。ここの真上』

 アユム『それを聞いて、外部カメラの映像を確認してみたのですが……何も見つける事ができず……』

 モモカ『そ。何も変わったところがなかったんだ』

 リン「……」

 モモカ『他の地域も一緒でね』

 モモカ『最初は超大型の台風でも来るのかと思ったんだけど、台風は質量を持ってないし……』

 リン「データとして観測はできるものの、実在しない……ということですか」

 モモカ『そういう事。——それなら残る可能性は1つ。機械の故障ってわけ!』

 アユム『モモカちゃん……』

 リン「……」

 リン「実際に確認するしかなさそうですね」

 アユム『えっと……リン先輩、今なんと……?』

 モモカ『えっ!?直接行くつもり?ドローンで見ても何もなかったのに?』

 モモカ『特に異常報告が入ったわけでもないのに大袈裟な……』

 リン「——各自地区の生徒会代表を緊急招集します」

 アユム『……!?』

 モモカ『えっ?』

 リン「現在、連邦生徒会に対応する余力はありませんので。各自地区と協力して該当地域の分析を行います」

 リン「連邦生徒会長代行の権限により、緊急プロトコを発動。——キヴォトス非常対策委員会を発足します」

 モモカ『非常対策委員会……?そ、そこまでする?ただの機械の故障かもしれないよ?』

 リン「……それならそれでいいのです。杞憂で済みますから」

 リン「ですが、本件の全貌が明らかになるまでは、全力で対応しなくてはなりません」

 リン「トリニティ、ゲヘナ、ミレニアム……そしてアビドス。それだけでなく、連絡が取れるすべての自治区の責任者をこちらに招集します」

 アユム『……』

 モモカ『うわぁ……終わった。これ、1週間は徹夜だよねぇ……』

 アユム『リン先輩……!その……本当に、大丈夫なのでしょうか?』

 アユム『その…、最近……リン先輩が、代行の権限を乱用しているという声が……あちこちから入ってきています……』

 アユム『各自地区の代表を招集するとなると、リン先輩ご自身の立場すら危うくなるかもしれません

……特に今回は、防衛室の権限を侵害していると思われる可能性も……』

 アユム『あっ、もちろん連邦生徒会長代行のご判断としては、適切だとは思いますが……ですが、財務室からは……』

 アオイ『……判断の1つ1つに、指摘を入れるでしょうね』

 アユム『あ、財務室長……!』

 リン「——扇喜(おき)アオイ」

 アオイ『リン行政官』

 モモカ『おっと……急用を思い出したので、私はここで失礼〜』

 

逃げようとしたモモカをアユムが捕まえる

 

 アユム『モモカちゃん、逃げないでください』

 モモカ『はっ、離してよ〜アユム先輩!ここにいたら息がつまりすぎて窒息死しちゃうって!』

 アオイ『いつから統括室の行政官が、防衛室の権限まで持つようになったのかしら?』

 リン「アオイ、これは……」

 アオイ『説明は不要よ。この件については、既に把握済みだから』

 アオイ『キヴォトス中に、未曾有の異常現象が発生』

 アオイ『兆候も、実害も特に無い——けれど、脅威がないことを立証するまでは、あらゆる手段を動員して、最高水準で対応すべき……その決定に異論は無いわ』

 アオイ『……そう決定したのが、連邦生徒会長(・・・・・・)なら、ね』

 リン「……」

 アオイ『でも、あなたは連邦生徒会長じゃない。行政官よ。代行の腕章をつけたからといって、あなたが彼女になるわけではない』

 アオイ『サンクトゥムタワーの行政権を失ったうえに、SRT特殊学園の閉鎖を決定……「シャーレ」という正体不明の組織の認可……』

 アオイ『その上、これは一体どういう事?「シャーレ」の予言?終焉の予知夢……?そんな戯言に振り回されて……』

 アオイ『いくら「代行」といえど、度を越しているわ』

 リン「アオイ、私のことが気に入らないのは分かりますが……」

 アオイ『……私は今、私的な感情の話をしてはいないの』

 アオイ『私は、昔からあなたの能力を高く評価してきたわ。それは生徒会長も然り。あなたの能力は、誰よりも理解しているつもり』

 アオイ『でも、あなたが連邦生徒会長のような超人になれるわけではない』

 アオイ『あなたが代行になったのは、統括室の「行政官」だったからであって、あなたの能力が、認められたのではなく、あくまで必要だったのに過ぎない』

 アオイ『その事実は、代行の腕章をつけている限り、あなたにつきまとうでしょうね。それを念頭に置いて、判断をお願いしたいの――連邦生徒会長「代行」』

 リン「……」

 アオイ『それでも、あなたが非常対策委員会を設置するのであれば、防衛室の権限を侵害するに足るだけの根拠と正当性が必要よ』

 アオイ『せめて――私を説得できる程度のものを準備してから、発言してちょうだい』

 アオイ『それができないというのであれば――』

 アオイ『……あなたの事を、生徒会長の失踪を理由に代行権限を振りかざして、連邦生徒会を私物化しようとしている存在として見る事になるわ』

 リン「……」

 リン「そのお言葉、留意いたします」

 アオイ『……そう。それじゃ――』

 アオイ『……あと、少しは寝なさい。』

 アオイ『目の下のクマ、酷いわよ。綺麗な肌が台無しじゃない』

 

アオイはそう言い残し、出ていく

 

 リン「……」

 モモカ『ぷはー』

 モモカ『はぁ……はぁ……息が詰まって、死ぬかと思ったぁ』

 アユム『リン先輩……』

 リン「アユム、非常対策委員会の準備を」

 アユム『……!!』

 モモカ『……』

 

 

 

 

 カヤ『あら、リン行政官……』

 リン「カヤ……」

 カヤ『ごめんなさいね。財務室長の声が大きくて……盗み聞きした形になってしまいました』

 リン「……非常対策委員会の件は、申し訳ありません」

 カヤ『いえ、代行ですから。当然の権利だと私は思っていますよ』

 リン「……」

 カヤ『行政官は精一杯務めを果たしているだけなのに……生徒会長の穴を埋めることは、容易ではありません。財務室長も、何もあそこまで言う事はないのに……』

 カヤ『ですが……あなたの権威を疑う人がいるのも事実……困りましたね』

 カヤ『!』

 カヤ『そうですね……非常対策委員会にシャーレを同席させるのは、いかがでしょうか?』

 リン「シャーレを……?」

 カヤ『ええ。各学園代表を説得する際の一助になってくださるかもしれません』

 カヤ『各自治区からシャーレの活躍ぶりを聞き込んでいますから。警察学校の不法行為まで突き止めたとのことで……これは捜査部と呼んでも差し支えないかと』

 カヤ『先生が同席すれば、行政官の心配も少なくなるでしょうし』

 リン「……ありがとうございます。そうですね。ちょうど、シャーレに協力を要請しようかと思っていたところです」

 カヤ『……では、私の方で先生に連絡をしておきますね』

 カヤ『シャーレからここまで移動するのでしたらら警護も必要ですし……ことらはヴァルキューレに、お願いするとしましょう』

 リン「ありがとうございます、カヤ。よろしくお願いします」

 カヤ『いえ、大変な時ですから。お互い助け合っていきましょう』

 リン「では、失礼しますね」

 カヤ『……』

 

カヤはリンが居なくなった事を確認し、スマホを取り出し、どこかへ電話する

 

 カヤ『……ええ、進めてください』

 

 




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