【完結】TSセミナー庶務(淫夢厨)   作:むにゃ枕

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01.キヴォトスでは淫夢は流行らないし、流行らせない

 吾輩はタチである。名前は輪廻ミテル。ミレニアムサイエンススクールに入学し、セミナーで庶務をしている。

 薄暗いインターネットが趣味で、語録をモモッターで使う立派な淫夢厨だ。

 

「あっ!! コユキさん!! 野獣先輩ウイルスをキヴォトスにバラ撒いた黒崎コユキさん!!」

「げっ、ミテルじゃん……」

 

 私を認知したコユキはすごく嫌そうな顔をした。どうしてそんな顔をするんですか……? どうして……?

 

「また無修正ほんへを一緒に見ましょうよ?」

「やだよ。お前、なんでセミナーに居れるわけ?」

「コユキさんと違って品行方正だからですよ。無修正ほんへが嫌ならクッキー☆鑑賞をしましょうよ」

「やだよ!」

「セミナー庶務に勝てるわけないだろ!」

「うるさい。嫌なものは嫌!」

 

 いやーコユキは強敵でしたね。胸とか尻をどさくさに紛れて揉んでいたら逃げられました。

 大人しく私に付き合えば見逃してやるのに……仕方ない。ノアに通報しておこう。ポケットにGPSを仕込んでおいたのだ。

 

「お手柄でしたミテルさん。コユキを捕まえてくださり、助かりました」

 

 拘禁されているコユキが、自分の腕を握ってガタガタ震えている。C&Cがコユキを捕まえに行ったらしい。酷い目に遭ったのだろう。可哀想に。

 

「コユキさん。疲れた時こそ例のアレです。一緒に見ましょう」

「ミテル。うん。分かった」

 

 メンタルがボロボロになっていたコユキは、私の提案を受け入れてくれた。やったぜ!

 

「はっ!? 私はどうしてこんな無駄な時間を!?」

「は?」

「……つらい」

「この面白さが分からないんですか!? 一緒にニコニコの例のアレタグを全部見ましょうよ!!」

 

 捕まったコユキと一緒にインターネットを楽しんでいると、太腿が入ってきた。相変わらず太いユウカだ。

 

「ミテル。それくらいにしてあげて。あなたの趣味は少し卑猥なのよ。セミナーの品位が保てないわ」

 

 私が神秘パワーで接続させたインターネットが汚いと?? おのれフトモモ! ユウカが太いくせに!

 

「ユウカさん、淫夢はキヴォトスで流行ってるってはっきり分かんだね」

「やめなって」

「おっ、どうしました? どうしました?」

「やめなさいって言ってるでしょ!」

「クーン」

 

 セミナーという権力を使って淫夢をキヴォトスに広めるためだ。ここは妥協しよう。

 

「すいませんでした。コユキさんが可哀想でしたね」

「分かってくれれば良いのよ。あなたの趣味には口を出さないから、他の人に押しつけるのはやめてちょうだい」

「アッハイ」

 

 コユキを淫夢厨にするのに失敗した私は、すごすごとゲーム開発部へ向かった。庶務の仕事が有るのだ。

 

「オッハー!!」

「うわっ」

「……ミテル」

 

 ゲーム開発部は、明らかに私を歓迎していない様子だった。モモイとミドリは露骨に眉をひそめた。

 

「あれユズさんは? そこのロッカー?」

「……知らない。ユズはミテルに会いたくないって」

「そう(無関心)……開けろ! デトロイト市警だ!」

 

 ロッカーをガタガタ揺らすと、ユズが飛び出してきた。モモイとミドリが私を止めようとするが無意味だ。

 

「デトろ! 開けロイト市警だ!」

「……な、なんですか?」

「え、なんでもないけど」

 

 ユズが泣きそうになっている。冗談だよ冗談。用事がないのにユズをロッカーから出すわけないじゃないか。

 

「ゲーム開発部の廃部が決定したよ」

「そんなぁ。ミテル、なんとかならないわけ!?」

「ならないね。部員が足りないから」

「あなた、部員にならない?」

「ゲイ夢開発部とか淫夢開発部にしたら、セミナーとの兼務で入っても良いよ」

「うわっ、最低」

 

 ゲーム開発部の3人がゴミを見るような目で、私を見ている。なんでだよ。私はおかしいことを言っていないはずだ。

 

「お前ら、淫夢ロボのアリスと語録使ってただろ! ネットで見たからな! 俺は詳しいんだ!」

「意味が分からないんだけど。やめてくれない」

「そうそう。だいたいエッチなビデオを素材にして、変な映像を作るって文化が意味不明。人のことを素材にするの人権侵害だから良くないコンテンツだと思うな」

「……ぐぅ」

 

 ゲーム開発部から散々非難され、私は泣いた。おかしい。私の原作知識では、淫夢ロボ天童アリスが存在するはずなのに。ミレニアムサイエンススクールのどこに淫夢ロボは存在するのだ?

 

「ばーか。あほ。クソゲーオブザイヤー!!」

「な、なんてことを!」

「セミナー庶務のこの私に逆らうからだ…! 魔王であるこの私に…!」

「くっ、なんで邪悪なオーラ…! これが魔王ッ」

 

 私がボケるとモモイがそれを拾った。ナイスツッコミ。ゲーム開発部のこういうところ好きだよ。

 

「でも、ここでやらなきゃ! 世界を救うために…!」

「行って。ここは私が食い止める」

「うん! 喰らえぇ! 魔王ゥゥ!!」

 

 モモイがゲームガールアドバンスを剣に見立て振り下ろす。

 

「あっ!?」

「うわっ。スッポ抜けた」

 

 すっ飛んでいったゲームコントローラーは、開いていた窓から飛んでいった。人の悲鳴が聞こえる。

 

「……ミテルのせいだからね」

「うん、まあ。それで良いから取り敢えず謝りに行こうよ」

 

 ゲーム開発部の3人と下にいくと、大人が伸びていた。その傍らにはユウカが腰に手を当ててプンスカしている。

 

「ユウカ。ごめん。振ったコントローラーがスッポ抜けて飛んでいっちゃって」

「私からも謝罪する。ユウカさん。ごめんなさい。ゲーム開発部と遊んでいたらこんなことになってしまって」

 

 ユウカが、溜息を吐いた。

 

「モモイ、ミテル。今度からちゃんと周りを見て遊んでね。だいたい、あなたたちは、普段から生活態度が悪いのよ。モモイは成績も悪いし、生活態度もちゃんとした方が良いわ。

ミテルは成績は良いけれど、言動が終わっているわ。もっとまともなものを趣味とするべきよ」

 

 ユウカの長い説教を右から左に聞き流していると、伸びていた大人が動いた。十中八九、この人が先生だろう。シャーレの先生は、有名人だ。

 

「"頭が痛い……"」

「先生!! 良かった目が覚めたんですね」

「え? ユウカさんメス声出てない?」

「あの冷酷な算術使いが甘い声を出すなんて」

 

 モモイと目を合わせてしまう。目の前にいる先生は、ダウナーな感じのロングヘアの女の人だ。おっぱいが大きい。

 

「モモイ。こんな場所だとなんだし、部室に案内したら?」

「うん。そうだね」

「運送だけに?」

「え?」

 

 モモイと漫才をしてたら先生がくすくす笑っていた。ダウナー美人とのギャップが大きい笑い方だ。かわいい。

 

「先生、よく、かわいい、結婚したいって言われない?」

「"言われないかな"」

「じゃあ、私が先生と結婚してあげるよ」

「"ごめん、ちょっと聞き間違えたみたいだ……"」

「とても面白い冗談だったんだけどなぁ」

 

 微妙に気まずくなってしまったので、粟みたいな口になってるモモイを引っ張る。

 

「"私に手紙をくれたのは君たち?"」

「はい。才羽モモイです。私たちゲーム開発部が大変なんです!」

「モモイ。手紙なんて送ったの? ゲーム開発部は廃部だよ。代わりに淫夢開発部になるんだから。ね、ユウカさん?」

「淫夢開発部なんて認めないわよ。ゲーム開発部の方が健全じゃない! そうね。チャンスをあげるわ。2週間後のミレニアムプライスで何か成果を出してちょうだい。そうすれば廃部は免れるわ」

「……淫夢開発部は?」

「却下よ!」

 

 ユウカが頑なに私の提案を却下している。キヴォトスで淫夢が流行ってないのおかしいだろ!

 

「モモイ。何か案が有るの? 2週間後なんて普通だったら無理でしょ?」

「ふふ。よくぞ聞いてくれました。G.Bible。ゲーム開発における秘伝書がこのミレニアムには眠っているのであ〜る!」

「消えた野獣先輩も、もしかしたらそこに……?」

「居てたまるか!!」

「でも、自慰バイブルなんでしょ?」

「……GAMEのBIBLEだから! なんでもかんでも卑猥にしないで!」

 

 セミナー庶務といっても私はモモイとつるんでいる方が多い。コイツらオタクだし、波長が合うんだよな。ユズには、微妙に避けられてるけど。

 ともあれ、私はG.Bibleを探しに廃墟へと向かうことになった。

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