やってきました〜エンジニア部〜。リオ会長の理解者ポジになっているので今の私はお金持ちだ。横領したお金だけれども……
返済は、多分リオ会長がなんやかんやするだろう。今の私にとって重要なことは、全部経費で落とせるってことだ。ヤバい企業の経営者になった気分だぜ〜!!
「やっはろ〜。おはこんばんにちわ! 例のブツは出来てる?」
「ああ。勿論だとも。このスーパーテクニカルラブドールのことだね!」
ウタハが人体を模した精密なロボットを見せてくる。彼女はドヤ顔を浮かべている。そうそう。こんなラブドールが欲しかった……って! 違うわ! なんでラブドールになってるの!
「おい! なんでラブドールになってるんだよ! なんでぇ!?」
「セミナーの庶務は
「オーダーと違うぅ……あと、どうせ自爆機能付けてるでしょ! それもオミットして!」
ウタハが、それを外すなんてとんでもないという顔をしている。いらないよ! 自爆装置なんて!
「ミテルさん。満足しましたか? 部長には、私から言っておいたんです。クライアントが本当に欲しいものを作った方が良いって!」
「コトリさん、貴方の仕業でしたか……」
「うん。喜んでもらえて何よりだよ」
阿呆みたいな服装をしているコトリ。役割を為していないスカートを引きずり下ろして、ネクタイを引っ張った。
「ぼ、暴力反対!! ちょっ、やめて! パンツ。パンツ脱げちゃってるから!」
下半身がすっぽんぽんになった破廉恥状態のコトリに対し、文句を付ける。
「私、言いましたよね? 仕様書通りに作って欲しいって! これはセミナーの正式な依頼なんですよ! なんでラブドールなんか作るんですか!?」
「うう。……すみません」
パンツを履き直したコトリが謝ってきた。私を警戒してかネクタイもスカートもちゃんとした格好になっている。珍しい。
「私が要求したのは、スタンドアロン状態になり、情報を遮断できる義体です。これのどこにラブドール要素があったんですか?」
「……言われてみれば無いかも」
「言わなくても分かりますよ!!」
エンジニア部を
リオ会長に勘付かれると不味いが、ヴェリタスとも連絡を取らなければならない。keyの封印には、彼女たちの力が不可欠だ。あーでもないこーでもないと悩みながら歩いていると、モモイに見つかった。
「あー! ミテル! こんなところにいた! リオ会長のお仕事を手伝ってるって言ってたのに、全然会えないから心配してたんだよ!」
「せ、セミナーの仕事が忙しくて」
「なんか隠してない?? きりきり白状しなさい!」
モモイが私をガクガクと揺さぶる。あーーー。脳が、脳がシェイクされるぅぅ。
「ふむふむ。全然分からない。つまりアリスがなんか凄い能力を持っていて、G.bibleに引っ付いていたデータがアリスを暴走させるってこと?」
「そう! それで、リオ会長がアリスのヘイローを破壊しようとしてるの!」
「えぇー!? た、大変だ。アリスを守らなきゃぁ!!」
全部、ゲロってしまった。ライブ感で私は生きている。ごめんリオ会長。貴方の計画は全部ゲーム開発部にバレちゃったよ。
モモイが、東奔西走して、ゲーム開発部がどんどん要塞化されていった。なんで重機関銃の銃座とか出来てるんだよ……
「……ミテル? あなた、私のことを裏切ったのかしら?」
「げぇ!? リオ会長!?」
「その反応。図星のようね。キヴォトスの破滅を回避するという点で、あなたは私に同意したわよね?」
エリドゥに戻ったら、リオ会長とトキが、私をガン詰めしてくる。コユキ……コユキはどこ?? ここ?
「リオ会長、コユキは??」
「…………あの子は、私の部屋を汚部屋としてモモッターにアップしたり、部屋からくすねた私の下着を売ろうとしていたから収監しているわ」
コユキ、お前、なんてことを? やはり、長時間の現場監督で頭がおかしくなってしまったのではないか?
「コユキは、大丈夫なんですか? 長時間労働で頭がおかしくなったのでは?」
「……ええ。多分そうね。会長の種付け競パンを売るとか意味の分からないことを言っていたわ」
おいたわしやコユキ上……私というミメシスと長時間接しているからおかしくなっても仕方がないよね。
「それで、この状況をどうしてくれるのかしら? あなたがゲーム開発部に情報をバラしたから、全てが露呈したわ。明日にでもユウカが先生を連れて乗り込んでくるかもしれない。
監査により、エリドゥの存在が露呈したら、私の計画は水の泡よ」
「おっ、大丈夫ですか? 大丈夫ですか?」
「……トキ」
「イエス、マム」
トキが、こちらに銃を向ける。そんなことをしても無駄なのに。輪廻ミテルに宿った私という存在は、
前世でブルアカとか全然やってなかったし、淫夢ロボアリスしか知らなかったから原作知識とか全然ないけどね。でも、相手をメタ認知出来ているというのは、神秘に溢れるこの世界にとって異常なのだ。生徒には認識できないヘイローも、私にはくっきり見える。
「…! 身体が動かない??」
「私を情報として認識していますよね? 目の前に居るのに無視なんて出来ませんよね?」
「あなたは? まさか!?」
リオ会長は、察しが良い。バレちゃったみたいだ。
「アリスの前に私を警戒するべきでしたね。私はミメシス。しかもこの世界の再演者では有りません。外からの
「……あなたの目的は?」
「この世界に平和を齎すことです。アトラ・ハシースの箱舟を用いて、一度世界をアーカイブ化し漂白します。その上で神秘を簒奪し、この世界の異常を消し去ります。銃はなくなり、皆様も先生のような肉体になりますね。ロボットとか獣人も消し去ってしまいましょう」
「つまり、世界を破壊するということね?」
「そう捉えても結構ですよ。エリドゥのエネルギーと、key、そしてアトラ・ハシースの箱舟。私という存在を燃やし尽くして、世界を変革します」
「……トキ!!」
トキは動けない。私の制御下にあるから動けないのは当たり前だ。
「会長にプレゼントです。ヘイロー破壊爆弾のチョーカーですよ。私に従ってくれないとドカンってします」
「…………やめて」
「会長とトキには、ゲーム開発部を襲撃してアリスを奪ってきてください。ゲーム開発部の部室は要塞化されてますが、お二人なら大丈夫です!」
リオ会長とトキが顔を見合わせている。大丈夫大丈夫。やれるって! もっと熱くなれよ!
「そんな不安な顔をしないでくださいよ。AMASはある程度預けますよ。ヴェリタスと協力してエリドゥの制御を奪おうなんて無駄ですからね。ちゃんと、合理的な選択をしてください」
「……分かったわ」
なんか、死地に赴く兵士みたいな顔をしているんだけど大丈夫だろうか? ゲーム開発部の部室は、土嚢とか銃座で強化されてるけど、トキのアビ・エシュフを使えば余裕だろう。
「あっ、アビ・エシェフも使って良いですよ! 先生が率いるC&Cとゲーム開発部とヴェリタスとエンジニア部とユウカたちが詰めてるだけなんで、勝てますって!」
「…………無理じゃないかしら?」
「勝てぬ勝てぬは努力が足りぬですよ!」
完全に思いつきで、タイミングを逃してしまっている。なんとかなれー!
アリスを誘拐出来なくても、アイスティーしてパクったkeyのデータが有るからなんとかなるはず。コユキのチョーカーも外しとこうかな。エンジニア部に注文した義体も有るし、なんとかなるやろ!