川尻浩作、Fly High with キヴォトス   作:堂廻り 眞くら

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アビドスへ行こう! その2

 

 

「もちろんだよ」

 

「……」

 

()()()()。本当だ。誓って言うよ。見当もつかないんだ。ショージキ、私も困っている。彼女にはほとんど何も聞かされないまま、半ば強制的にここに連れられたようなもんだ。別にそのことを恨んじゃあいないが……」

 

「……そうですか。わかりました。実は、本題は会長のことではないんです」

 

 七神リンは気持ちを切り替えるスイッチでも押すみたいに、色気の欠片もない眼鏡のツルを軽く指で押さえた。

 「そうかい、所で今からキミのそのスカした眼鏡を私の拳でカチ割ってやるからな」と川尻浩作は心の中で吐き捨てた。いや、実際に【そう】したりはしないが……。

 

 

「連邦生徒会、それからアビドス廃校対策委員会から先生に、直々の依頼があるのです」

 

「依頼……ねぇ」

 

「我々からは失踪した連邦生徒会長の捜索。それから、アビドス対策委員会からの要請はこちらを拝見していただきたく」

 

 

 川尻浩作は差し出された手紙を受け取った。

 

 

「手紙?」

 

 

 このご時世に電子メールじゃあなく、わざわざ手紙を書いて寄越す奴がいるのか。まあ、その判断は正しい。何故なら川尻浩作は、シャーレを経由して送られてくる電子メールのほとんどを拒絶しているからだ。電話も同様である。連邦生徒会を通して送られてくる業務以外には一切手を付けていない。これは【先日の一件】で目立ち過ぎたシャーレの評判を一度落ち着かせるための施策であった(シャーレの活躍を誇張して世間に喧伝しやがったクロノスを川尻は若干恨んでいる)。また、川尻浩作がこの【キヴォトス】で快適な生活を送るための準備期間を確保する意味合いも多少含まれている。

 

 

 所で、メールの内容は以下の通りであった。

 

 

 

 連邦捜査部シャーレの先生へ

 

 

 こんにちは。私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。今回どうしても先生にお願いしたいことがありまして、こうしてお手紙を書かせていただきました。

 

 短刀直入に申します。私たちの学校が地域の暴力団に追い詰められているのです。どうやら、私たちの校舎が狙われているようなのです。今はどうにか食い止めていますが、そろそろ弾薬などの補給が底をついてしまいそうです。そのため、暴力組織に今にも校舎を占拠されてしまいそうな状況なのです。

 

 それで、今回シャーレの先生にお願いできればと思いこうして筆を取らせていただきました。先生、どうか私たちのお力に立ってはいただけないでしょうか? 

 

 御返事お待ちいたしております。

 

 

 アビドス廃校対策委員会

 

 

 

 

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