おはようございます・・・主です。
ぐでたま&なめこ様、誤字報告ありがとうございます。
本日の展開に少し頭を悩ませてしまい投稿が遅れてしまいました・・・次話も同じ時間帯に投稿するかもしれません。
やぁみんな・・・タシン・・・おじさんだよ・・・
黒幕ムーブが・・・少し板について・・・来た・・・ただのおじさん・・・さ・・・
すまない・・・今息切れが激しくて導入ですら上手く・・・話せないんだ・・・
「タシンおじさ〜ん?どうしたの〜置いてくよー!!」
息切れして膝をつく私に対してより前にいたナタが、私の来るのが遅かったからか振り返りながら笑顔で私に声を掛けてくる。
「す、すまない・・・少し休ませてはくれないか・・・」
「ええ!?でもまだ目標の半分ぐらいだよ?今走った距離・・・」
「そ・・・そうなのか・・・」
何故この様な事になっているかといえば、発端はナタが私の言いつけを破り、メニューの倍の距離を走っている事を知ったからである。
勿論私はナタに怒った、前にも言ったが身体に余り負荷を掛け過ぎるのは良く無い事だと、だがナタは・・・
「ええ・・・でもおじさんのメニューで走った距離じゃ全然疲れなくなっちゃったよ・・・」
その発言に私は驚き、私の方にミスがあったのかと思い本日のナタのトレーニングに同行したのだが・・・案の定というべきか・・・私のミスでは無く、ナタの身体能力の伸びが異常なだけであったという事が分かった。
「と、兎に角・・・少し休もう・・・」
「しょうがないなぁ・・・」
私はフラフラと歩きながら近くの木陰までくると何とかそこに座り込む。
おかしい・・・これでも私はほぼ毎日のように里と深層を往復しているのに・・・いやまあ、ナタの走るペースに合わせようとしたのもいけなかったか・・・これがハンターになれる素質がある者と無い物の差か・・・
私は残酷な現実に仕打ちに愕然としながら休憩しているとナタが声を掛けて来る。
「はいおじさん、水だよ」
どうやら水筒を取りに行ってたらしく、私の分の水筒を目の前に差し出してくれていた。
「おお、ありがとう・・・助かるよ」
私は礼を言いながら水筒を受け取り勢いよく飲み、その水が喉に詰まり軽く咽せてしまう。その光景を見て軽くナタが笑い、私の隣に座り自分の水筒の水を飲む。
そうして水を飲むナタの首元には、ナルから受け継いだ反晶のペンダントとナルから渡された鍵をぶら下げている。
何故ナタがペンダントだけでは無く、あの鍵も首から下げてるかと言えば、私があの鍵について調べていた時の事を話さなくてはならない。
私はナルから渡された鍵が私の自宅の鍵だという事は直ぐに気付いた。ただ、何故ナルが私の家の鍵を持っていたから分からず、里の人間達にも聞いて回るが誰も知らないという。
困り果てた私は家で悩んでいるとナタが言ったのだ。
「タシンおじさん、その鍵って確か母さんの形見だよ?」
私はナタの言葉に驚き話を詳しく聞くと、どうやらナタが小さい頃から父のナルがこの鍵はイタの形見だとよく言っていたそうだ。何故イタが私の家の鍵を持っていたか流石に知らなかったが、その話を聞いた私はナタに言った。
「ならばナタ、この鍵はお前が持ちなさい」
「ええ!?良いの?」
「ああ、この鍵がイタ・・・お前の母さんの形見ならお前が持つ方が相応しいからな」
恐らく、この鍵についても欠落した記憶の中にある筈だが・・・未だに私は15歳より前の記憶を思い出せずにいた。
私の言葉に恐る恐る鍵を受け取るナタではあったが、その表情から笑みが溢れていた事で私の判断は間違っていなかったと悟る事が出来た。
それからというもの、ナタはペンダントと鍵をいつも身に付けて生活をする様になったという訳だ。
「タシンおじさん!また何か違う事考えてる!」
「おっとすまない、どうしたんだい?」
私の思考が逸れていた事をナタに指摘された事が、まるで懐かしい気持ちが蘇る様な感覚になる。
「そろそろまた走ろうよって、さっき言ったんだよ!聞いてなかったの?」
全く・・・最近の子供は元気があって良い・・・私はそう思うとゆっくりと立ち上がりながらナタに言う。
「ハッハッハッ!!そんな事ないさナタよ!それよりも油断したな!!私はお前よりも先に行く!!」
「あ!ずるい!!待ってよ、タシンおじさん!!」
私はナタの隙を付き、回復した体力で走り出す。置いてかれたナタが何か言っているが、私は既に風になったのだ!!誰にも止められんよ!!
◯
「おお〜くそぉ・・・身体中イテェ・・・」
私はナタとのランニング後、見事な全身筋肉痛となり痛みに苛まれながら深層の拠点にいた。
【・・・大丈夫ですか・・・我が主】
若干呆れた様な物言いをするのは、我が配下である[アルシュベルド]だ・・・こいつが生まれてから一ヶ月程経つが、段々と感情が表に現れて来た様な感覚がする今日この頃。
「ああ、大丈夫さ・・・それよりも動くじゃあないぞ、チクッとするからな」
【我が主よ・・・私はモンスターですよ・・・その様な小さな針では痛みなどは感じませんよ】
そう言えば今迄私が何をしてきたか話していなかったが、[アルシュベルド]が生まれて一ヶ月の間、私は[アルシュベルド]の細かな性能・・・分かりやすく言えば、何が出来て何が出来ないかの確認をしていたのだ。
先ず最初に気になったのは、こいつが生まれて最初に行った[護竜セクレト]を喰らった捕食行動についてだ。本来なら護竜の特性上、竜乳を摂取していれば捕食する必要がない為、先ず本人に聞いた所・・・
【そう・・・ですね、うろ覚えではありますがエネルギーの不足を感じた為、あの様な行動を取った気がします・・・】
アルシュベルドの証言により私が立てた仮説は、図張り変貌する際の体積不足と思われる。何故ならば、こいつのベースとなったのはナルの遺体なのだ・・・とてもじゃあないがナルの身体からこいつが生まれるには明らかに容量不足だ。つまり、あの時は偶然近くにセクレトがいた為、その肉で足りない容量を補ったのだろう・・・いなければ近くの繭から護竜を喰らうか、私は食べていたに違いない・・・
では現在はどうかと問われれば、食べなくても良いが偶に摘み食い?をしているらしい。この前[アルシュベルド]が拠点近くにいなかった為、大声で呼んだ時に【よ、呼びましたか!?我が主】と思念を送りながら慌てて私の前に現れたのだが、[アルシュベルド]の口からセクレトの尻尾が飛び出ていたのを私は忘れない。
ついでに分かった事と言えば、どうやら睡眠も行う様だ。こちらも捕食と同じく、本来護竜なら行わないのだが・・・どうやら時々ではあるが人間でいう睡魔の様なものに襲われるらしく、抵抗は出来るがそのまま何もしなければ眠ってしまうと言うのだ。
この捕食活動と睡眠の原因は幾ら調べても分からないかった為、後回しにする事にした。
次に行ったのは[護竜アルシュベルド]本来の特性である、属性エネルギーの吸収及び放出が出来るかだ。
この実験に選ばれたのは[氷霧の断崖]に住んでいる[凍峰竜ジンダハド]である。
此方もリオレウス同様、苦戦する事なく[アルシュベルド]は上手く自慢の鎖で拘束するとジンタハドの属性エネルギーを吸い上げ、止めと言わんばかりに放出したエネルギーをジンダハドにぶつけて見せたのだ。自慢の装甲は粉々になったがジンダハド自身は上手く逃げ仰せたと此処に書いておく。
最後に分かった事は思念を飛ばす事で出来る遠隔通信・・・と言うべき技だ。
これはアルシュベルドが遠く離れていても・・・恐らく禁足地の範囲内であれば確実に、頭に言葉を思い浮かべるだけで会話が出来ると言う事だ。
これにより、私が場所さえ指示すればある程度の偵察を[アルシュベルド]単体でこなしつつ、私にその都度報告できると言う事が可能だと言う事だ。この力を使えば、いつハンター達が禁足地入りするのかを把握できる確率はぐんと上がる筈だ。
さて、後は出来ない事だが・・・正直モンスターならそれは出来ないよなという事しかなかった為、この話は割愛するとしよう。
とまあ、この一ヶ月程何をしていたか振り返って来たが、では今何をしているかと問われれば最終チェックであるDNAの検査の為の血液採取だ。
本来ならいの一番で行いたかったのだが、何せ人の身体を変貌させたのだ・・・DNAのバランスが崩れている可能性の高い初期の内に血液を採取するのはリスクがあった為、先に他のテストをして身体が慣れて来たであろうタイミングで検査をしようと思ったのだ。
「ほ〜ら、チクッと」
【・・・!?・・・・】
・・・はは〜ん
「・・・さては痛かっただろう?」
【・・・そんな事は、ありません】
ほほう・・・強がるとは面白い奴だ・・・もう少しいじってやろう・・・
「そうかそうか・・・なら後、数本一気に刺しても大丈夫という訳だな?」
私はそう言いながら予備の注射器を数本、[アルシュベルド]に分かる様に見せると奴の声色が明らかに変わる。
【そ、そ、そんな・・・我が主・・・ど、どうか御慈悲を・・・】
私は凶悪なモンスターである筈の[アルシュベルド]の弱った声を聞き思わず笑ってしまう。
「ぷっハッハッハッ!!冗談だよ!!冗談!!もう検査用の血は充分さ!!」
私がネタバラシの様に血の充填された注射器を見せると
【なっ・・・主よ・・・流石にそれはからかいすぎでは無いですか!?】
と私の悪戯に怒った風に答える仕草は何故だが・・・誰かと重なって見えた気がした。
◯
その後、我が配下から抗議を受けつつも採取した血液を装置に移し、[アルシュベルド]のDNAの構造を観察していたのだが・・・
「な、なんなのだ・・・これは・・・」
私は余りの驚きで思考が停止してしまうのでは無いかと思える程の衝撃を受けていた。何故そこまで私が動揺していた方言えば・・・
「こ、これではまるで全ての生物・・・いや、あらゆるモンスターの遺伝子を宿しているという事なのか?」
私が観察した[アルシュベルド]のDNAの構成は50%程は、今まで調べて来た護竜達と遜色のない機構が備わっていたが・・・問題は残りの50%で構成されている原種のDNA群と言うしかない状態であった事だ。
このDNA群は私が今まで里の資料で調べて来たあらゆるモンスターのDNAが存在するだけでなく、未知のDNAも大量に存在していた・・・これではまるで・・・
「あらゆるモンスターのルーツの様な存在ではないか・・・」
私は半ば混乱気味に言ったが、恐らく一番的を得た答えなのだと確信した。原因は不明・・・だか、一つこの血に関して使い道を思いついた。
「やって・・・みるか・・・」
思いついたのなら実践あるのみ、私はサンプルとして保存していた護竜の血・・・[護竜セクレト]の血を取り出して、その血を検査用の皿に一滴垂らした。その後、[アルシュベルド]から取り出した血を同じく皿にセクレトの血と混ぜ合わせる様に入れると、その皿を顕微鏡に乗せて様子を観察する。
「・・・嘘だろ」
私はその結果に予想通りだった反面、凄まじい光景を目の当たりにしてしまった。その様子を口を手で押さえながら未だ信じられないという口ぶりで言葉にする。
「セクレトの血を・・・護竜の血を侵食・・・?上書きしたのか?」
その様子を一言で言えば、侵食・・・又はDNAの同化
私が見た光景を説明するならば、あらゆる遺伝子で構成された[アルシュベルド]の血がセクレトの遺伝子と呼応し、[アルシュベルド]側が最適化してセクレトの血を自らに取り込んだ様に見えた。
「これがもし、私の予想した現象ならば・・・私の計画は最終段階の一歩手前まで行けるという訳だ」
遂に・・・遂に辿り着いてしまったのだ・・・古代人と同じ舞台へと・・・
◯
あれから私は検査を一時中断し、何故[アルシュベルド]のDNAの構成があの様な状態になっているのかを調べ尽くしたが成果は何も得られなかった・・・計画を進める事が出来る事は歓迎する所だが、いかんせん原因が分から無ければ思わぬ所で足を掬われかねない・・・凡人の私では、あらゆる事を予測して実践、何故のその様な現象が起きるのかを把握出来なければとてもじゃないがこの世界に対して立ち向かう事は出来ないと考えている・・・くそ、思考が纏まらない・・・今日は休むか・・・
今日は衝撃的な事が起き過ぎて脳の処理能力を超えてしまったため、実験を続行する事なく里に帰る事にした。少し[アルシュベルド]が私を心配していた様だが気にするなと言っておいた・・・さて既に時間も遅い・・・ナタも寝てる事だろうし、私も寝るとするか・・・
月明かりが満ちる空、守人の里を照らし出すは一人の守人の姿・・・だけではなく
「もし?今・・・宜しいかしら?」
月明かりの下に照らされた男がゆっくりと振り返りそこにいた者に驚愕の表情を曝け出す。
「耳の・・・方」
交わりの峰の主[耳の方]をも月明かりは照らしていた。
「飛ぶ鳥よ・・・運命を語りに来たわ」
目次のページを軽く編集しました。書いてある内容は変わってはいませんが少し見やすくしてみました。
追記 耳の方をセリフ微修正しました。そう言えば劇中では敬語ではなかったなと後で気付きました。