エアプタシンおじさん   作:てとるマン

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こんばんは・・・主です。

コーンサラダ様、誤字報告ありがとうございます。

戦闘描写って難しいですね。少々難航しました・・・ではどうぞ。


再会の日、天候:晴れ時々モンスター

 

 

 

「アルマ、何か分かったか?」

 

 

 

「・・・少々お待ち下さい」

 

 

 

 ナタ里まであと少しといった所で2頭のドシャグマの縄張り争いに巻き込まれた鳥の隊一行は、どうにかドシャグマを討伐し、その死体をアルマが調べていた。

 

 

 

「・・・この個体は・・・まさか」

 

 

 

 討伐したドシャグマに何か心当たりがあるらしいアルマは、いつも持ち歩いている手帳を取り出し、自らの答えが合っているかを確認する。

 

 

 

「やはり・・・ハンターさん、恐らくですがこの個体は・・・正確に言えばこの個体と似た様なモンスターを別の隊が()()しているのが、報告に上がってきていたのです」

 

 

 

「何だと?だが、この前の会合の時にはその様な話はなかった筈だが」

 

 

 

「ええ、私も別の隊の編纂者と情報交換をした際に聞いたのみで、その編纂者もこの地域特有の亜種個体として処理したようです・・・曰く、一定の距離から近付いてこず、此方が近寄れば逃げてしまうとの事で特に調査に影響がなかった為、会合の際も議題には上がる事がなかったのだと思います」

 

 

 

 その話を聞いたハンターは疑問に思い、更にアルマに問う。

 

 

 

「その個体はドシャグマだったのか?」

 

 

 

「いえ、リオレウスにアンジャナフ・・・オトガロンもいたそうですね・・・ですがどれも共通してこのドシャグマと同じ()()を有していた様です」

 

 

 

「そうか・・・はっきり言って()()だな」

 

 

 

 その言葉を聞いたハンターは何か良からぬ事態が水面化で進行しているのではないかと考え、禁足地を調査しに来る前にアルマから聞いたファビウス卿の話が頭を過ぎる。

 

 

 

「ハンターさん・・・まさか・・・」

 

 

 

「いや、その答えはまだ早計だ」

 

 

 

 どうやら、アルマも同じ事を思っていた様だった。

 

 

 

「今はまだ、情報が足りな過ぎる・・・行くしかない、守人の里へ・・・そこで答えを確かめるしかない」

 

 

 

「そう・・・ですね」

 

 

 

「ナタとジェマが戻ってきたら直ぐに出発する」

 

 

 

 

 

 

  ◯

 

 

 

 

 正直に言えば、僕は・・・此処に戻ってくるのは怖かった。

 

 

 

 僕が今所属している調査隊の目的は守人の一族の救助・・・だけど、僕が助けられてから()()は経過している・・・客観的にみれば、おじさんやみんなの生存は絶望的だ。頭では理解しているんだ、でも・・・それでも、僕は帰って来なくちゃ行けなかった。

 

 

 おじさんと約束したから、()()()・・・と一族の思いを託された者として、どの様な結果であろうとも見届けなくてはならない・・・例え、一族最後の生き残りであったとしても。

 

 

 

 それでも、見慣れた風景が視界に入ってきた時、僕は気付いたらみんなを置いて走り出し、叫んでいた。

 

 

 

「タシンおじさーん!!帰ってきたよ!!」

 

 

 

 見慣れた風景・・・だが、視界に入るどれもが破壊されているか、風化してしまい、とても人が住んでいるとは思えなかった。それでも僕は叫び続ける。

 

 

 

「おじさーん!!何処にいるの!?おじさーーん!!」

 

 

 

 僕の声に答えるのは里の跡に吹き込む風のみ・・・気付けば僕の顔は涙に濡れていた。

 

 

 

「おじさん・・・」

 

 

 

 だけどその時、奇跡が起きた。

 

 

 

()()・・・なのか?」

 

 

 

 その聞き覚えが・・・懐かしいあの声が聞こえた僕は、声がした方に振り向いた。そこには石で出来た扉の様な物があり、その扉が開き、声の主が姿を現す。

 

 

 

「ナタ!」

 

 

 

「タシンおじさん・・・」

 

 

 

 おじさんの姿が見えた瞬間、僕は走り出しておじさんの胸に飛び込んでいた。そんな僕をおじさんは腕を広げ、昔僕を慰めてくれた時の様に優しく包んでくれた。

 

 

 

「良かった・・・ナタ・・・生きていて、くれたんだな」

 

 

 

 そのおじさんの言葉に答える様に、泣きじゃくりながらも必死に言葉を紡ぐ。

 

 

 

「約束・・・守ったよ。生きろ、って。それと、人を頼れって。色んな人に会って、助けられて帰ってきたよ・・・この人達のお陰で」

 

 

 

 僕の後を追ってきたアルマ達の事をタシンおじさんに伝えると、おじさんは「本当に・・・本当に・・・!」と言いながら僕みたいに泣き崩れながら感謝の言葉を伝えようとしている様だった。

 

 

 

「わ、私達は砂の地よりも・・・更に西の者です・・・ナタは頑張ってそこまで歩いたんですよ」

 

 

 

 アルマが若干言葉が詰まる様に答える様子に、僕は少し()()()()()()()()と思ったが特に気にする事はなかった。

 

 

 

「そんな所まで行ったのか。いやはや・・・()()で知っていたとは言え、確証はなかったが・・・とりあえず奥に行こう。ゆっくりと話が聞きたい」

 

 

 

 おじさんが僕達を招き入れる為、石扉に手を掛けた時、突如として空の彼方からモンスターの咆哮が響き渡る。

 

 

 

「グオォォォ・・・・」

 

 

 

「まさか!」

 

 

 

 おじさんは心当たりがあるらしく、僕達に警告を促す。

 

 

 

()()()()()()()()()!」

 

 

 

 そう言うとタシンおじさんは一人、石扉の中に入り、扉を閉じてしまった。

 

 

 

「おじさん!?」

 

 

 

 先程の咆哮やおじさんの言葉を上手く飲み込む事が出来なかった僕が混乱していると、先生が声を掛けてくれた。

 

 

 

「ナタ!!離れるんだ!!」

 

 

 

 先生の言葉で冷静さを取り戻せた僕は咄嗟に回避をした瞬間、空から巨大な何かがおじさんが閉めた石扉に向かって襲いかかってきた。

 

 

 

「グオォォォォォォ!!!!」

 

 

 

()()()()()!?ですがあの姿は!!」

 

 

 

 アルマの言葉で、ハンター達の狩猟対象としてよく名前が上がる飛竜種モンスター、[リオレウス]だと言う事が分かった。

 

 

 

「先生!」

 

 

 

「ああ、分かっている」

 

 

 

 このままだとおじさんが危ない!僕はそう思い、先生に声を掛け、直ぐに了承の意を返してくれた。

 

 

 

「アルマ、ジェマ。二人はキャンプに退避を」

 

 

 

「分かりました。お二方、オトモさん・・・ご武運を」

 

 

 

「装備が壊れたら直ぐにいいなよ!必ず直してやるから!!」

 

 

 

 周囲の人間に警告を促すと同時に、先生は自らの武器を抜き放ち戦闘の準備を整える。

 

 

 

 先生に並ぶ様に立ち、僕も又、己の武器・・・先生と違い()()な僕でも使いこなせる片手剣を抜き、愛用のスリンガーに弾丸を装填する。

 

 

 

 その瞬間を待っていたかの様に、モンスターが僕達の方は振り向き、人間の何倍もの体躯とその身体が生み出すエネルギーを利用した咆哮を上げる。

 

 

 

グオォォォォォォ!!!!

 

 

 

 開戦のゴング(狩猟開始の合図)が今、鳴らされた。

 

 

 

「行くぞ」

 

 

 

「はい!先生!」

 

 

 

 故郷を・・・おじさんを守るんだ!!

 

 

 

 

  ◯

 

 

 

 

 

「ナタ、間合いを詰めたい・・・奴を落とせ」

 

 

 

 僕は先生の言葉に従って、以前狩った[レ・ダウ]と同様、閃光が効く事を把握していた為、スリンガーを構える。

 

 

 

「分かりました!閃光行きます!!」

 

 

 

「・・・ん?」

 

 

 

 僕はブレスを吐こうと構えていた[リオレウス]の鼻先に閃光弾を投射・・・狙い通り、奴の目の前で閃光が炸裂した。

 

 

 

「グオォォ!?」

 

 

 

「先生!閃光効きました!追撃を・・・」

 

 

 

避けろ!!ナタ!!

 

 

  

 僕の言葉に被せる様に放たれた先生の言葉に、無意識に回避を選択・・・ほぼ同じタイミングで[リオレウス]がブレスを吐き、僕が()()()()()()()が火に包まれる。

 

 

 

「なっ・・・確かに手応えがあったのに、なんで・・・」

 

 

 

「ナタ、大丈夫か?」

 

 

 

 僕の状態を心配した先生がカバーをしに隣まで近付いてきていた。

 

 

 

「奴は・・・閃光を喰らう前、()()()()()()()()・・・だから、閃光を喰らっても閉じていた目を使い、お前の位置が分かった」

 

 

 

「・・・!?」

 

 

 

 先生の言葉に僕は驚愕して、何故モンスターが閃光を回避する術を知っているのかと訊ねようとする・・・が、そんな暇は与えないとばかりに[リオレウス]が追加のブレスを放ち、僕達はバラバラに回避する。

 

 

 

「細かい説明は後だ、今はただ奴に閃光は効かないとだけ理解しろ」

 

 

 

「分かりました!」

 

 

 

 何とか疑問を飲み込み、武器を構え直す僕を見た先生はプランを練り直している様だった。

 

 

 

「・・・閃光が効かない、だがこの個体は飛行を重視する素振りがあり、このままでは地上に降り立つ事がない・・・であれば」

 

 

 

 リオレウスのブレスを回避しながら、先生は今後の流れを僕に伝える。

 

 

 

「ナタ!暫くの間、奴を引きつけてくれ!できるか!?」

 

 

 

「はい!出来ます!!」

 

 

 

「お前もナタのサポートを」

 

 

 

「うん!任せて!」

 

 

 

 何とかして時間を稼ぐ為、僕は誘導弾を装填して[リオレウス]に向けて放つが・・・今度は僕の放つ誘導弾を全て回避されてしまう。

 

 

 

「くそ!当たらない!!」

 

 

 

「僕に任せて!!いっけぇ!!」

 

 

 

 僕のカバーでオトモアイルー・・・[ユユ]が得意なブーメランを投げ、[リオレウス]は一度、その身体を捻る事で回避して見せたが・・・

 

 

 

「グォ!?」

 

 

 

 弧を描いて背後から迫ってきたブーメランを回避出来ず、胴体に当たり、大きく空中でふらつく。

 

 

 

「すまない、待たせた。コイツで奴を落とす」

 

 

 

 先生はどうやら口笛で愛騎のセクレトを呼び寄せて、セクレトに持たせていたもう一つの武器・・・[ヘビィボウガン]を構え、その見た目相応の銃声を響かせていく。

 

 

 

「そこか」

 

 

 

 先生の放つ弾丸の嵐で怯んだ事で隙を見つけたのか、先生が特効弾【竜吼】を装填し、[リオレウス]に撃ち込む。

 

 

 

「グルァ!?」

 

 

 

 先生の弾丸は[リオレウス]が激しく動かす翼・・・その()()を正確に射抜き、その機能を喪失させ、その巨体を地面に叩き落としてみせた。

 

 

 

「今だ!ナタ!」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

 先生の合図を前に僕は走り出し、地面に落ちた衝撃で未だ起き上がれずにいる[リオレウス]に刃を突き立ててやる為に近付く・・・だが、距離が少し開いていた為、僕の一撃が入る前にリオレウスが起きてしまう・・・構うもんか!!

 

 

 僕の覚悟とは裏腹に、後一歩の所で起き上がったリオレウスがその自慢の顎で僕を噛み砕こうとしてくるのを僕は盾を構え防ごうとし・・・目の前が爆ぜた。

 

 

 

()()

 

 

 

 先生の放った一撃が僕を噛み砕こうとする顎を粉砕し、致命的な隙が生まれた・・・それを見逃せるほど僕は甘く無い。

 

 

 

「うぉぉぉぉ!!!」

 

 

 

 僕の放った片手剣の一撃は、[リオレウス]の首元を穿ってみせた。

 

 

 

「・・・!!??」

 

 

 

 首を大きく切り裂かれた[リオレウス]は声を出そうにも空気の抜ける様な音を出す事しか出来ず、やがて立つ事も堪らなくなり、動かなくなった。

 

 

 

 僕は[リオレウス]が起き上がるかも知れないと思い、警戒を解く事なく、武器を構えていたが、背後から僕の肩に手を乗せて先生が言った。

 

 

 

「終わったよ・・・ナタ、良くやったな」

 

 

 

 その言葉を聞いた僕は漸く力が抜けて、持っていた剣を誤って落としてしまうが・・・先生は咎める事なく、言葉を続けた。

 

 

 

「これでお前も()()の仲間入りだな」

 

 

 

 

 

  ○

 

 

 

 

 

「えっ、閃光が効かなかったのですか?」

 

 

 

「ああ、そうだ」

 

 

 

 あれから少し経ち、ナタにタシンと呼ばれる彼のおじさんの安否の確認に向かわせた所、ハンターとオトモのユユ、そしてキャンプに待機させていたアルマとジェマに先程起きた、不可解な事に関して共有していた。

 

 

 

「何故でしょう・・・調べた所、通常種と差異はないという結論なのですが・・・」

 

 

 

「それに関しての原因は分かっている・・・奴はナタが()()()()()()()()()タイミングで片目を閉じたんだ・・・閃光食らった瞬間、潰された目とは反対の閉じていた目を開き、閃光を防御して見せた・・・まるでナタが()()()を理解していたかの様にな」

 

 

 

 ハンターの答えに対して、聞いていたメンバーは驚愕に包まれる。

 

 

 

「その様な事が!!知能が高いモンスターであるなら、意図的にハンターの閃光や罠を回避する事例は聞いた事がありますが・・・」

 

 

 

 確かに例はある・・・がそれでもリオレウス等の一般的な飛竜種が、その様な行動した事を聞いた事の無かったアルマは困惑するが、ハンターは更に疑問を突き付ける。

 

 

 

「だがそれより()()はコイツに付いている大量の傷跡だ」

 

 

 

 ハンターがそういうと皆が一様に討伐した[リオレウス]の身体に付けられた()()()()の傷跡を見遣る。

 

 

 

「そうだね・・・長く色々な素材を扱ってきた経験から言わせてもらえれば・・・あれは自然についた傷でも無ければ、縄張り争いなんかの傷跡でもない・・・あれは弱者が一方的に嬲られて付けられた跡だと私は思うよ」

 

 

 

 鍛冶屋の経験から傷跡の考察をするジェマは更に付け加えて自分の考えを伝える。

 

 

 

「それにあの跡は最近の物じゃないのが大半だね・・・既に治っているが殆どが古傷だね」

 

 

 

「そうか・・・」

 

 

 

「ハンターさん・・・やはり」

 

 

 

「・・・・」

 

 

 

 此処に来る前に遭遇した()()()()()、それに鳥の隊以外の隊での目撃が多発している()()()()()()()()・・・極め付けは通常種と比べ、遥かに賢い個体が何らかの強力なモンスターに一方的に痛め付けられた[()()()()()]・・・余りにも不可解な事が多過ぎる。

 

 

 

「・・・ナタの事もあるんだ。不自然にならない様、慎重に・・・だが、小さな事も見逃さない様にしておこう・・・それでいいか?」

 

 

 

 ハンターの言葉にナタを除いた鳥の隊のメンバーは肯定の意思を示す。

 

 

 

「さて・・・鬼が出るか竜が出るか・・・」

 

 

 悪い予感がして堪らないな・・・

 

 

 

 ハンターはそう思いながら、先程あったタシンの顔を思い浮かべ、自分の思い過ごしならいいのだが・・・と思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





追記
オトモの名前は、主のモンハンワイルズでのオトモアイルーに付けた名前から取りました。本来なら無名で通すつもりでしたが、ナタがオトモの事を言及する際にどうしても違和感があったためです。

因みにセクレトの名前は[テバサキ]です。


リオレウスについて少し加筆修正しました。
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