やぁみんな、タシンおじさんだよ。
あの後、イタにジャパニーズドゲザをしたけど意味が通じる事がなく、何バカな事してるの?と呆れられたおじさんさ。
さてまず最初に報告する事が二つある。
一つは
まぁ、これは予定調和というべきか、逆に何で今まで行動を起こさなかったのか不思議なくらいなので驚きも少ない。二人が手を繋いで歩いている所を目撃した私は少しからかってやろうと思い、二人が付き合いだした事を
結果としてはイタに十字固めを決められ、ナルからは
さて、それでは二つ目の報告と聞こう。
つい先日の事、外に薬草採取に出ていた大人が
その話を聞いた私はその大人に確認した所、あれは恐らくドシャグマの咆哮で里に着いてから落ち着いて考えてみると
「おい、タシン。本当にこっちであってるのか?」
私に尋ねて来る声に歩きながら首だけ向け応える。
「ああ、前に来た時に通った道で間違いない・・・そろそろ着くぞ。」
若干不満げな表情でこちらに方角を尋ねてきたのは勿論、
私が懲りずに一人で里の外に出ようとした時、既に里の入り口で待ち伏せされていたのだ・・・曰く。
「イタが『あんな噂が流れたら絶対
おかしい、嫌勿論私とて馬鹿ではない。幼馴染の行動を読み、噂が流れてから数日明けてかつ、皆が寝静まる夜中に動き出したと言うのに
まあ、それはまた今度にしよう。今は里の外に出た目的を晴らそうと思考切り替えた所でナルから声を掛けられる。
「
先程とは打って変わり、真剣な眼差しで前方を注意する幼馴染の指示に、私は少し動作が遅れつつも従う・・・私の推論通りならこのような事しなくてもいいのだが。
身を隠しつつ幼馴染が警戒する前方・・・その先の視界を殆ど占領していると過言でも無い存在・・・[
「・・・・シッ」
私がドシャグマを視界に入れた時、既にナルが射出機を構えて弾を放っていた。恐らくそこらの地面に落ちていた小石を装填して撃ったであろう。流石の精度か寸分の狂いもなく、放たれた小石がドシャグマの頭部に命中する。
だかしかし、本来示すであろう反応が返ってこず、些かナルが困惑しながら私に問いかけて来る。
「
「だから言ったろ、心配し過ぎだったな」
どうやら私の推測通り、ドシャグマは縄張り争いに
「よし、なら予定通り俺はドシャグマの調査をするがお前はどうする?」
私の問いかけにナルは少しを間を置き応える。
「そうだな・・・お前の言う通りだった場合、コイツを殺した奴が近くに彷徨いているかもしれないな・・・」
む、言われてみれば確かに、私は早くドシャグマを調べたい一心だった為に失念していた。いやはや、気になればその一点にだけ集中して周り見えなくなるのは私の悪い癖だな。
「俺は周り探索して来るからタシン、お前はここから余り動くんじゃあ無いぞ!!いいな!!」
「分かってる分かってる、心配症だなぁナルは」
「全く・・・」
ナルは私の軽口に何か言いたそうだったがその場でを目を閉じ、守り人に伝わる祈りを捧げる。
「・・・・・・・」
私もそれに倣い、既に事切れたドシャグマに祈りを捧げる。私は常々思う、命の大切を理解し、常にその生命を尊重する振る舞いを私の
◯
さて、ナルが探索に行っている間にさっさと終わらせよう。
私はまずドシャグマの外観及び縄張り争いで付けられた傷を確認していく。そうやって検分していく内にどうやらこのドシャグマは争いに負けて
因みに背中に致命傷と思わせる
もしそのリオレウスが目覚めた理由次第では
ワイルズの物語に於いて示唆はされていたが確定していないものとして、何故アルシュベルドは
私の推測として竜乳の供給が不足し、極度の飢餓・・・過去作で登場したらしい、
私自身はワイルズしかプレイしてない為、戦った事は無いがプレイ中に過去作に登場したモンスターを触り程度に調べ名前だけは知っており、
そう言えばイビルジョーの亜種に
私がネットで調べていた時に出ていた情報の断片としては
まあ、何が言いたかと言えば私の計画を進める中で、
だかしかし、その前提として繭の中で大人しくしていて貰わねば、解析どころでは無い。なので[ゾ・シア]によるエネルギーの強奪が始まって仕舞えば、アルシュベルドが繭を破り、活動を始めてしまったら最後、私の計画は頓挫してしまうのだ。
なので現在の護竜達の生息域を把握し、アルシュベルドがいるであろう深層への安全なルート模索しつつ、その身体の研究をするのが私の計画を進める為の第一歩なのだ。
◯
「ふむ、粗方終わったな」
私は一言そう呟きつつ、ドシャグマの検死を終えた。
まあ、細かい所はもう少し時間を掛けて調べ無いといけないが護竜の身体の仕組みをある程度、理解する事が出来た。
死んでいるとは言えこの様な真新しい状態の身体を調べる機会など無く、そもそもが護竜の場合、生命活動が停止すれば3日も立たずに死体は結晶化し、ロクに解析する事が出来なかった為に今回の縄張り争いは渡りに船であった。
「おっと忘れていた、血液の採取を忘れる所だった」
身体仕組みを理解するのも大事だが、最も重要な事を忘れていた。
護竜の血液の解析は勿論の事、この個体はもしかしたら原種に戻ろうとしている可能性があるのだ。
物語ではアルシュベルドだけの現象だが、コイツの血が私の計画に礎になる事は間違いない筈だ。
幸いにも傷口から流れている血液を掬うだけなので楽な作業だ、今の手持ちの装備ではとてもじゃ無いがモンスターの外皮を切る事は不可能だからな。さぁて一つの瓶に詰め終えた、後もう一つの瓶にも・・・
「
「ほわぁ!?」
声のした方に慌てて振り向くと、腕を組んでこちらを眺めている
「本当に
ナルが文句を言いつつ、私に近づき腕を振り上げ私を指差す。
「だから、一人で外に行かせられ無いんだよ」
「うぅ・・・おっしゃる通りで・・・」
「それで何してたんだ、血なんか集めて」
いや、全部見てたなら言う必要なく無いか?と私は思ったが仕方なく言い訳を考える。
「・・・・・・・・」
「・・・まぁ、いいさ。それよりも
私は言い訳を考えている内に勝手に納得したナルが振り返りつつ来た道戻りつつ、歩き出した・・・て、置いてかれるのは流石にまずい。
「お、おいちょっ待てよ」
ナルに置いてかれぬよう、小走りで追い掛ける・・・そう言えばドシャグマと縄張り争いをしたのは
◯
さて、自宅に着いた。
私は予想以上の成果に内心ワクワクの衝動を抑えつつ部屋の奥に行き、奥に敷いてある絨毯を捲る。
捲り上げ絨毯の下から現れたのは取っ手が付いた
私が私であると自覚した時期から苦節一年の歳月を経て何とか人が一人、研究を行う上で不自由の無い広さの地下を掘り上げたものだ・・・まあ、正直掘る作業よりも里の人間に見つからない様に警戒したり、掘った土を
因みに私は
それよりも今回の成果を研究室に・・・
「おーい、タシーンいるー?」
「なんだいイタ、何かあったのかい?」
私は努めて冷静にかつ、イタが自宅に尋ね来た理由を問う。
「
おぅ、何と間が悪いのか・・・私の計画に於いて最も警戒する存在が来るとは・・・
[耳の方]・・・ワイルズでの物語終盤から登場した竜人という種族であり、方法は不明だがこの禁足地に起きる事象を
私の計画も既にその能力で露見している可能性もあり、苦肉の作で自宅に地下を作ったのだが焼け石に水だろう・・・。
だが私が転生者として理解してから[耳の方]は何度か里を訪れているが、私に対して特段要求する事や計画自体を里の人間に話したりもしていない様だ。
勿論、私は[耳の方]が何処まで私の事を把握しているかを確認する為に少し踏み入った質問をしてみた事もあるが全て
「私と話しても、素敵な言葉はやって来ない」
と物悲しげにしか返してくれ無いのだ。
向こうがそう言って来ると言うのだから、私の計画に口出しをする気は無いと言う事であろう。
私は[耳の方]に関して改めて振り替えりつつ、イタと共に耳の方の元に歩いていく・・・出来れば、会わない方が良いのだろうが、あの方が持って来る薬草の効能はその辺で生えている物に比べ、目に見えて違う。
なので今回もその薬草を貰う為、[耳の方]の所に向かうのだ。
そうこうしている内に里の人間が集まっている場所が見えて来た。その中心にいる方こそ、[耳の方]である。
里の人間達が引っ切りなしに話し掛けているだが、その全て聞いた上で答えを返すその姿はまるで聖徳太子の様だなと思う。
そう私が物思いに更けている間にどうやら向こうも私の事に気付いたらしく、錯覚かもしれないがその顔に少し陰りが見えたかと思うと一言を紡ぐ。
「
全てバレている気がするのは気のせいだろうか・・・