やぁみんな、タシンおじさんだよ。
今日はいい日だ・・・何故かって?どうやらナルがイタと結婚する事を決意した様だからだ。
先程、二人だけで何処かに行くの目撃した私は気付かれない様に後をつけ、ナルがプロポーズをし、それにOKと返すイタを隠れながら見ていたからである。
いやぁ・・・あの二人も遂に結婚かぁ・・・幼い時からの付き合いとは言え、感慨深い物がある。
何か結婚祝いでも送ろう、そうしよう・・・
などと物思いにふけっている私が現在いるのは自宅の地下の研究室である。
実の所、研究が今まで余り進まず行き詰まっていたのだが、その原因としてドシャグマから頂いた血液を・・・詳しく言えばDNAを調べる事が出来なかったからである。
私は転生者として自覚してからまず行なったのが、この地下室作りと知識の収集であった。
幸いにも里の図書館とも言える場所には祖先から引き継いで来た大量の本があったのでその本を調べつつ、研究を始めようと思ったのだ。
ただここから苦労するだが、里に置いてある資料の殆どが竜都の歴史やら来歴やらの歴史書と呼ぶべき代物が大半をシメ、私が調べたかった護竜について・・・その製造法と使用の仕方が書かれた資料は余りなかった。
取り敢えず見つけた数少ない資料を参考に何をすべきか模索していたのだが・・・どうやら護竜のDNAの配列を調べなければ到底研究は進まないと言うのが判明したのだ。
さぁ、じゃあ調べるかで簡単にDNAを調べる事は出来ない。
まず、採取した血液から核酸をPCR法で培養・・・その後、専用の装置で電気泳動を起こしその動き観察と分析をするのだが・・・
まあ何が言いたいかと言えば、足りないのだ研究をする為の装置が。
このまま研究が停滞したままでは不味いと思った私は、自力で潜れるが既に粗方探索した浅い層で何か使える遺物が無いか、探していた。
すると外側が朽ちかけていた大きな箱を見つけ、中身を調べる為に開けてみたのだ・・・なんとその中身はDNAを調べる装置が一式入ってたではないか!!里の資料にも書いてあった物と一致した為、間違いない。
これもきっと、普段から善行を行う私を見た神様がくれた物に違いない・・・と私は納得しつつこの装置を研究室まで運び、今に至ると言うわけだ。
さぁて、どの様な結果が出るか楽しみである。
◯
粗方の作業が終わったので、一先ず結果から伝えたよう。
ドシャグマの血液から検出したDNAの全体から見て五割程が竜乳を基準とした護竜を護竜たらしめる機構である事が判明した。
では、残りは何だと言えば四割が原種の遺伝子・・・今回の場合はドシャグマ本来の遺伝子という事が里にあった資料から分かったが・・・だが残りの一割がどういったものかが分からなかった。
里の資料でも類似したモンスターのデータがなく、手詰まりになってしまったのだ。
まあいい、護竜の機構が分かっただけでも大きな収穫だ・・・これからはこの機構を中心に研究を進めていこう。
さて、護竜の機構をもう少し細かく解析してるか・・・と私が考えていた所。
「・・・ん?呼び鈴が鳴っている?」
どうやら玄関に設置した呼び鈴が来客を知らせている事に気付いた私は研究を中断し、地下室入り口の扉に近付き、扉に付けてある覗き窓から部屋に誰も居ないかを確認する。
「よし・・・誰も居ないな。」
普通なら自宅でこの様な事をする必要は無いのだろうが、偶に誰かがいるのだ・・・主にイタであるが。
おかしい、戸締りはしている筈なのに気付いたらイタが居た事が何回あったのだ。
まあ、私が忘れているだけで昔合鍵を渡したのかもしれないし、私が戸締りを忘れていただけかも知れないと一人納得していた。
「はーい、少しお待ちを〜」
私はそう言いながら地下室の扉を閉め、その上から絨毯敷いて扉を隠しつつ、軽く身なりを整える。
「お待たせしました・・・こんにちわラナーさん、本日はどうなさいました?」
玄関を開けた先にいたのは近所に住む私と同じ一人暮らしの40代くらいの女性でラナーさんであった。
「こんにちはタシン。いやねぇ、ご飯を作り過ぎて一人じゃ食べ切れそうになかったからそのお裾分けさね。」
この女性は私の幼馴染のイタと同じくらい私の世話を焼いてくれるのだ。
私としても研究に集中していると食事を忘れてしまう事が多々あるので私はラナーさんに対して幼馴染の二人と同じくらい頭が上がらない存在だ。
「ありがとうございます・・・良かったらウチで一緒食べて行きませんか?」
「おや?良いのかい?なら遠慮なくそうさせて貰おうかしら。」
私の提案により、私の日常と化している食事会が始まるのであった。
◯
「ふむ、こんなものかな?」
食事会を終えた私は現在、ある鉱物の加工していた。
加工・・・とは言ったが素人が道具を使ってそれっぽく仕上げているだけの物だ。
これを今度結婚するであろう、あの二人に送ろうと考えたのだ・・・思った以上に形にするのに苦労したが・・・まあ、白っぽい半透明なこの石なら贈り物として良いじゃないかと探索中に見つけ持ち帰ったのは私自身なので文句を言ってもしょうがない。
それにしても・・・あの二人が結婚するという事は彼に出会うのそう遠く無いのかも知れない・・・彼、そうナタにだ。
ナタ・・・いつか説明としたとも思うがモンスターハンターワイルズの実質的な主人公であり、私がエアプタシンおじさんになろうと思った理由だ。
私は転生する前に下位をクリアして上位入りはしたのだが、そこまでのストーリーで若干の違和感を覚え、それが何なのか分からなかったがネットのコミニティーや動画配信を見ていた際、この違和感の正体が分かった。
ナタにヘイトが集まっている・・・そう感じたのだ。
今作・・・というより、モンハンと類似したゲームで基本的に主人公は喋らない・・・もしくは口数が少ないのが特徴だ。これはゲームのプレイヤーが操作しているキャラを自分自身の様に扱っていると感じさせる為のゲームの仕様なのだ。
では、主人公が喋らなければ物語はどう進めればいいのか・・・そう、周りに喋れせればいいのである。
主人公が物語を進める中で同行者とし編纂者のアルマ、加工屋のジェマ、そして我らのナタが主人公の代わりに物語を進める人物達となっていく。
だがこの三人の内、ナタが発言する内容がヘイトを集めやすいセリフが多かったのだ。
例えばハンターが動くな、というのにアルシュベルドに殺意をたぎらせ近付こうとしたり、少しチャプターが飛べば逆に暴走したアルシュベルドを止める為にハントしようするハンターを止める発言をするなど・・・こうした発言多かったせいか巷ではク◯ガキやナタ◯キ等と呼ばれており、私は少し可哀想だなという印象だったのだ。
なので私が転生した時に定めた目標は一つ・・・私がエアプタシンおじさんとなる事で!!ナタのヘイトを全て私に対してあつめればいいのだと!!
幸いにもエアプ語録の中には沢山のヘイトをあつめる言葉詰まっている。だからこそ私の第二の生を賭け、この計画を遂行する必要があるのだ!!
と、また意識が逸れていた・・・後はこの加工した石に紐でも通してネックレスの様にできれば完成だ。
いやあ我ながらよく2セットも作れたなと思いつつ、私はいそいそと彼等が居る家を目指して、走り始めた。