貞操逆転って何ですか? 作:永遠のスランプ
『はぁ……』
探せど探せど、彼女達の姿は見えない。普通の女の子なら沢山いるのに。何故ウ●娘はいないんだ。
「お兄さん、お疲れですか?揉みしだきましょうか?」
その昭和のエロ親父みたいな手の動きを辞めなさい。どこで覚えたんだそんなの。嫌なギャップだな。美少女エロ親父。
『うーん。あ、そうだ。こんな事言いたくないんだけどさ。食べ過ぎじゃない?君達』
「!?」
女の子にしては、この二人滅茶苦茶食べる。いや、いっぱい食べる子は良いと思う。いやむしろ大好き!だけどさぁ。
『限度があるって言わない?』
さっきコンビニで新たに袋一杯に買ったにんじんは、既に全て彼女達の胃の中である。出せば、出すほど食べてしまうので最終的に俺は数えるのを諦めた。出さなくても丸ごと一本持ってっちゃうしな。丸ごとお持ち帰りしてどうするつもりなんだ?
「お兄さん、
「これもお兄さんのせいだよ。全部お兄さんが悪い」
あれから彼女達は何かあればこうやって俺のせいにして飯を集るようになった。お金は多すぎるほど、貰ってるし良いんだけどね。君達の体を心配しているんですよ。太ったりしない?因みに……さ。あの、ごめんね?
本当にごめんね?怒らないでね?
『あの、さ。二人とも』
「はい?」
「ん?」
『ちょっと、怒らないで落ち着いて聞いて欲しいんだけどさ』
「別に怒ったりしませんよ。お兄さんがバ、天然なのは分かっているつもりなので。ね?」
「うん。どうしたの?話聞こうか?うん、お兄さんが悪いから責任はベッドで取ってね」
あの、そんな興奮しないで下さい。発情期?
『お、お名前教えてください。今更だけど』
「ハァァァァァァァァ(クソデカ溜息)」
「やっとか。漸く私は人生のスタートラインに立てた様だ」
大袈裟過ぎない?
「あ、今大袈裟過ぎないって思いましたね?」
『思った。怖い』
サナはそう言った。クソ怖い。何?エスパー?
「いや、分かりすいんですよお兄さん。顔にタトゥーか彫ってあるレベルで文字になってるので。だって、そりゃあそうでしょ?この世界で男の人と喋るのだって数少ないんですから」
『どう言う事?』
「どう言う事?ってこっちが……馬鹿なのは分かってたけど、まさか一般教養も知らないレベル?お兄さん。この世界の総理大臣って誰だか分かります?」
『それぐらい分かるよ!バカじゃないんだから』
「はいはーい。じゃあ早く答えてくださいねー」
うわ、絶対信じてない顔だ。何だその顔。ムカつくわぁ。見てろよ!
『イシダさん』
「はい違います。次、この世界の男女比は?」
『何?ダンジョヒって。外国人?』
嘘だろお前みたいな顔辞めてください。
「何処かの無人島でサバイバルしてた野生児だったりします?」
『いやバリバリの現代人だが?』
何を言っているんだ。俺のどこが野生児に見えるんだ?何処からどう見ても現代人だろ。
「じゃあ早く答えてくださいね」
『待って、ダンジョヒって何?』
「オスとメスの比率ですよ。あー比率って言っても分からないかクソボケお兄さんには。えーっと割あ、いる数です。百人いたら半分ずつだったら五十対五十になるでしょう?」
『あー男と女か。それは一緒だろ。約半分ずつ』
「お兄さんって別の星から来ました?」
『あ』
そっか、忘れてた。言葉も伝わるし、何一つ変わらないけど。ここは異世界か。
「それともやっぱり究極の馬鹿ですか?」
『俺はバカじゃない!バカじゃないもん』
「分かりました。じゃあ、私達の名前一回で覚えられますよね?」
「私は呼び捨てが良いな。ユナって」
「私はそうですねぇ、男の人に名前を呼ばれるのなら何でも良いですよ。でも私はサナちゃんって呼んで欲しいですかね」
……。近い、近いよ二人とも。と言うか、苗字は?
『あの、苗字は?いきなり、名前呼びとか周りの人に勘違いされるだろうし、良くないと思う』
「それの何がいけないの?いけない理由はないと思うけど。それって仲良くなれてるって事だよね?それとも、お兄さんは私達と仲良くしたくないの?へぇ……そっちから誘ってあんな事しておいて、そう言う態度取るんだ」
『こわい』
なんかよく分かんないけど、暗くてしっとりして来てない?気のせい?悪寒もするし。何?冬?
『さ、サナちゃんは……』
『一週間。この一週間死ぬほど長かったんです。お兄さんはどうせ、何も気にせず、爆睡していただろうけどね。私達はこの日を指折り数えて待っていたんですよ?お兄さん』
神様、あぁ神様。仏様!何処の神様でも構いません。助けてくれるのなら、全財産を貢ぎます。貰い物だから俺のお金でも無いので、最低限生活が出来る以外は要りません。お願いします!助けてください。確かに彼女は欲しいとは言いましたが、未成年と関係を持つ無職は流石にアウト過ぎます。神様!
『ちょ、ちょっと待って。話が……』
二人の圧に負けて、どんどん隅へと追いやられて。何かにぶつかった。
「自らまな板に乗っかるとはお利口さんな魚ですね」
「骨まで残さず美味しく食べてあげるからねお兄さん」
体を持ち上げられ、そのままベッドへと押し倒され。二人の顔が熱に侵された様に見えた。
……二人はまだ高校生らしい。自分の身体や感情をコントロール出来ない事もまだあるだろう。なら、その間違いを止めるのも大人としての俺の役割だと思う。
『二人とも……いや、サナ。ユナ』
「……」
「……何?お兄さ」
一度っきりの間違いだとしても、彼女達にとっては一生の傷になるだろう。好きでも無い男に、初めてを奪われたと言う傷は。だから。
『ごめん。それから、付き合ってくれてありがとう』
二人を抱きしめた。柔らかい
「イ、イキそう」
「嬉ションと時間停止モノってファンタジーだと思ってたんですけど。まさか存在するなんて」
二人が何か言ってるけど、心臓の音がうるさすぎて聞こえなかった。
それからサナとユナと一緒ににんじんの買い出しにデカいショッピングモールへ行った。二人と行けば、沢山持ってくれるらしいから男としては申し訳ないけど持ってもらう事にした。
「そう言えば、お兄さんの名前。教えてください」
「あ、確かに。私も知りたい」
……。
『も、もっと仲良くなったらね』
今の世界での名前が分からない以上、前世の名前を言わなきゃいけないのだが言いたく無い。嘘もつきたく無い。だって泥棒の始まりだぞ?
「もっと仲良くって、もうこれ以上はセックs」
『うわー!見てみて、にんじんのバーゲンセールだ!』
「あ、お兄さん。一人で走らないでください。床が滑るので、走ったら危ないですよ?お兄さん⁉︎」
危険な話題を察知した俺は、急いでその場から逃げる様にスーパーに向かった。結果。
『どこ?ココ』
迷った、どうしよ。誰かぁ!
「そこのお兄さん、少々お時間宜しいですか?」
そんなタイミングで、警察手帳を持った婦警さんが話しかけて来た。迷子です。助けて下さい!