いくつかの変更点を書いたら、順に投稿していきます。
物語の流れに大した影響はありませんので、読み飛ばしても構いません。
────竜王国 某戦場
「オラよォ!」
ズゴォッ!!
その年若い男が無造作に放った拳が、今回の仕事における最後のビーストマンの頭を打ち砕いた。
もはや、いつもの作業となっている。
辺りにはビーストマンの死体が乱雑に散らばっていて、見るに堪えない。
その後処理を一切することなく、後詰めでやってくるだろう下級の冒険者たちに押し付けることにして、自分はこの血生臭い戦場もとい狩場から早々に立ち去った。
戦いの後は お気に入りの娼館で、女を抱くのが男の日課となっている。
もう戦いの事は一切頭になく、ただ、お気に入りの女とどのようなプレイをするかで頭の中身は占められていた。
■
◇
「お、お見事ですわ。キョーヤ様……」
竜王国にある冒険者ギルドの受付嬢が、ビクビク怯えながら目の前の若い男を労った。
周囲の冒険者たちも、この明らかに世の中を舐め腐った若造に対し、何も言わない。
それどころか、彼に目を付けられないようにテーブルに座ったまま、顔を上げないように努めていた。
「なァに、この狂也様にかかっちゃこんなもんよ! もっと歯ごたえのある相手がほしいくらいだぜ! がっははは!」
「さ、さすがですわ。キョーヤ様……」
会話するのにも、かなり気を遣う必要があるしヨイショもしなくてはならない。なぜなら、その男は少しの失言で簡単に癇癪を起こすからだ。
いや、癇癪どころではない。暴力を振るう事も多く、ビーストマンを雑魚扱いしている男の膂力で殴られれば軽い一撃であっても大抵のものは命を落とす事となる。
無理もない。その男は『ぷれいやー』と呼ばれる存在なのだから。
暴力沙汰を度々引き起こすクズ男が、なぜか堂々と冒険者ギルドに出入りしている。
ギルドどころか、この竜王国までもが、このクズ男を罪に問うことはできないのだ。
こんなクズ男でも、大量のビーストマンを駆除してくれる貴重な強者であり、今の竜王国の状況は、こんなクズ男に頼らなければ国として存続できないほどビーストマンの侵攻にさらされている。
以前は、冒険者として最高ランクであるアダマンタイト級の冒険者チーム《クリスタル・ティア》が在籍していたのだが、このクズ男の機嫌を損ねて皆殺しになっている。
しかし、その罪はビーストマンを大量に狩り殺すという
竜王国の幼き女王ドラウディロンから涙ながらに、そのような司法取引を嘆願されてはギルドとしても無下にはできなかった。
この吹けば飛ぶような儚い竜王国の命運は、こんなクズ男の手に委ねられてしまったのだ。