波才SIDE
……どうしてこうなった?
俺は宴会の音頭をしたあとみんなと笑い合ったり愚痴聴いたりしながら飲んでいたはずだ。
なのになんで俺は……
舞 台 の 上 で マ イ ク を 片 手 に 歌 を 歌 う こ と に な っ て ん だ ! ?
なんでだよ!?
歌なら天和殿達だろ!?
なんで俺なんだよ!?
……とはいえない。
なんでかだと?
少し前に戻って話そうか
ちょっとまえ~
「改めて、今宵は宴だ!存分に楽しめ!―――――――乾杯!!」
『乾杯!!』
そう言って俺たちは酒を一気に飲んだあとそれぞれ自由に飲み始めた。
俺はしばらく兄貴、デブ、チビと飲んでいたんだが……。
「みんながよ~、兄貴って頼ってくれるのはいいんだけどよ~、俺さぁ~、末っ子なんだぜぇ~?なんで俺が兄貴なんだよ~?」
とか
「なんでおいらの背は伸びねぇんだよー!波才はこの数年でこんなに大きくなったてのにー!」
とか
「…………出番が少ないんだな」
とかすぐによってそんな口を言い始めながら絡んできた。
ええい!鬱陶しい!
「兄貴はこん中で統率力があって頼りになるから頼られてるんだって。チビもいつかは大きくなれるよ!デブ……すまん」
と、ちゃんとした助言をしていると「「「(俺)兄貴意外助言になってねーと思うぞ?/ねーっす!/ないんだな!」」」天和殿達張三姉妹が出てきた「「「流した!?」」」……うるさい。
「みんなーお疲れ様ー!」
「今日は宴会だし沢山歌っちゃうよー!」
「……みんなお疲れ様」
どうやらこれから天和殿達の歌が始まるようだ。
しかし天和殿達の歌はどんなものなんだ?
「なぁ、兄貴」
「ん~?なんだ~?」
「作者みたいな喋り方をするな……天和殿達の歌はどれほどなんだ?」
「そりゃあうまいに決まってんだろうが!」
「うぉ!?」
びっくりしたー。さっきまで酔ってたはずの兄貴が急に酔を覚ましてこっちに目を向けた。
「そ、そうなのか?」
「そうともさ!それに、前にも行ったと思うがここにいる奴らの大半は天和様達の歌を聴きに来てるんだぞ?」
「そういえば……」
そんなことを言っていた気がしなくもないな……。
「それにほら、これから歌ってもらえるだから聞いてみりゃいいじゃねぇか」
「それもそうだな」
歌を聴く前に評価を聞こうとするとは早計過ぎたな。
いかなる敵が前にいようとも情報通りではないのと同じようなものだ。
「ほれ、始まるぞ」
兄貴に促されて俺は歌を聴くことにした
~張三姉妹合唱中~
「みんな大好きー!」
『てんほーちゃーん!!』
「みんなのいもうと~?」
『ちーほーちゃーん!!』
「……とってもかわいい」
『れんほーちゃーん!!』
……なんだこれ?
完全にアイドルじゃねぇか!?
なんでこんな時代にあるの!?
というか、なんでBGMがあるの!?
なんでマイクがあってあとが出るの!?
と正直歌は良かったと思うが疑問が満載の曲だった。
「どうよ!天和様たちの歌は?」
兄貴が勝ち誇った笑で俺に話しかけてきた。
「……確かにすごいんだが、なんでBG…じゃなくて後ろから音がしたりあの手に持ってる奴から音が響くんだ?」
とりあえずこの時代には横文字はないしな、発言には気を付けとこ。
「ん?なんでかはしらねぇんだけどよ?なんか天和様たちが持ってるへんてこな書物が関係してるらしいぜ?」
変な書物?まさか太平妖術の書か?何か難しいことが書いてあるとは聞いていたがある。
しかしこんな未来の知識まで載ってるとはな。
「それはすごいな」
「だろ?それにそれを使って俺たちを幸せにしてくれる天和様たちも俺たちにとっとは救いなのさ。それでな?………………………」
まずい、また兄貴の張三姉妹自慢病が発病した。
この状態の兄貴にはできるだけ近づかないほうがいいな。
俺は兄貴が天和殿達の自慢話をしている途中だが離れようと思って腰を上げた。
「おいっ!聞いてんのか!?」
「うぉ!?き、きいてるよ?」
「そうか、それでな?あの三人は数え役満しすたーずってよばれててな?うんぬんかんぬん………」
……いま、横文字が入らなかったか?
しすたーずって完全に英語だよなぁ!?
なんでこんなところで英語が使われてんの!?
でも前にこの三人の前で横文字使ったときには伝わらなかったしもう訳が分からねぇよ!
「みんなー!聞いてくれてありがとー!」
「また聞いてねー!」
「…………」
『ほわっ!ほわっ!ほわーー!』
「……なぁ兄貴?話の途中で悪いんだけど」
「……そこで天和様たちがってなんだ?」
「あの掛け声はなんだ?」
「さぁ?いつの間にか決まってたって感じだな」
「そうか」
にしても人和殿もう少し喋ろうぜ?
それでもみんな喜んでるんだからいいんだけどな?
そんなふうに兄貴と話しながら数え役満しすたーず?の歌を聞いていたんだが急に何を考えたんだか天和殿が
「あ!おーい!波才さーん!」
「ん?なんですか?」
「歌ってみなーい?」
「……はい?」
~今現在~
てなわけで俺は今こうしてさっきまで天和殿達が歌っていた舞台に立っている。
その時に天和殿達から
「はいコレ!太平妖術の書!これもって念じればそれっぽい音が出てくるから!」
「随分適当ですね?」
「そう言われてもいままでもそうやって使ってきたからそれ以外に言いようがないのよ」
「……ガンバ」
「……はぁ」
三人は俺に書を渡すと舞台を降りてしまっていた。
……なにコレ?
もう完全に歌わなきゃいけない空気じゃないか!
俺さっき音頭やったよね!?
なんでまた俺!?
と俺の頭の中が混乱していると近くに兄貴が来ていた。
近くといっても舞台の一番前、という意味だが。
すると、
「今回の戦いで逝っちまった奴らへの歌でも歌ってくれよ、あの三人にはそういう歌は似合わないからな」
……まったく、そんなこと言っているから兄貴と呼ばれるんだ。
そんなことを言われたら歌うしかないじゃないか。
実はと言えば俺は鎮魂歌だけ得意である。
と言っても自作の適当な鎮魂歌だが……。
なんで得意か?また今度話そう。
とりあえず俺は歌を歌おうと思い、本を開いた。
すると本から眩しい光が目を覆い視界が一度ふさがった