恋姫無双~仮面を被りし旅人   作:天月照詠

11 / 21
第九話 祝宴~歌~後

波才SIDE

 

 

 

 

 

…………どうしてこうなった?

最近これが最初のセリフになりはじめそうな波才だ。

さっき太平妖術の書を開いた瞬間光に包まれたんだけどさ。

なんでだろうな…………女の格好になってるのは。

あれかな?これってもともと女にしか使えないのか?

それとも俺がこの書に女って認識されたのか?

どっちでもいいが気まずい。

こいつらの中には俺が男だと知っている奴もいる。

そいつがいきなり女の格好したらどうする?

俺なら気まずくなる。

というか見なかったことにすると思う。

さてどうしようか……。

 

 

「………………美しい」

 

………………………………………。

 

「はぁ?」

 

なんだって?

 

「綺麗だ」

 

「俺、一瞬息止まっちまったぜ」

 

「俺なんか心臓が止まったね」

 

「なんか天和様とも地和様とも人和様とも違う美しさというか色気というかこう、惹かれるものがあるよな」

 

おい、お前らは何を言っている?

俺は一応男だぞ?

だがこれはまだ俺が男だと知らなかったやつの反応だ。

兄貴やチビデブはどうなんだ?

 

「……………」(゜д゜)

 

「……………」(゜д゜)

 

「……………プッ」(´∀`*)

 

「…………ブチ」o(`ω´*)o

 

…………今のはどれが誰かお分かりだろうか?

ちなみに上からチビ、デブ、兄貴、俺の順番だ。

 

チビとデブは固まっていた。

まぁいきなり知り合いの男が女の格好になったんだからしょうがない。

だが兄貴よ、なぜ貴様は笑っている?

俺一瞬切れちまったよ。

でも、なんとなく兄貴の正確なら笑うんじゃないかとは思ってたからいいけどね~。

ちなみに三姉妹の反応は?

 

「きれーだねー」

 

「悔しいくらいにね」

 

「…………ポッ」

 

…………今のは誰が誰かわかると思うから言わないでおく。

しかし人和殿、なぜ顔を赤くしている?

それと天和殿、何度も言うが俺は男だ。

そして地和殿、男相手に悔しさを持つな。

…………しかしまぁこれだけ反応があるのに見なかったことにする奴がいないのはなぜだろうか?

ちなみに俺の格好は天和殿達のようなアイドルが着るような服装ではなく、天和殿の付けているようなリボンで髪をポニーテールにし、黒を主体にした黄色混じりの着物になっている。それになぜか今まで付けていた仮面がなくなっていてかわりに頭につけるタイプのマイクがついていた。なぜだ?

まぁ、俺の場合はあの三人のように踊るわけではないので問題はないから良いのだが、なんだか納得いかない。

しかし。このまま黙っていてはせっかく盛り上がっていた宴会が台無しだ。

歌う内容が鎮魂歌で悪いがそれで勘弁してもらおう。

そう思った俺は息を軽くすい呼吸を整えたあとゆっくりと歌いだした。

 

 

 

 

 

 

 

天和SIDE

 

 

 

 

わわわ、初めて私が語り部だよー!

どうも、はじめまして張角こと天和でーす♪

まぁ、挨拶はこれくらいにしましてー。

さっき波才さんに太平妖術の書を渡したんだけどびっくりしちゃったよ。

波才さんがあの書を開いたら急に光り出して光が収まったと思ったら波才さんの姿が変わってたんだよー?

それも変な格好じゃなくってとってもきれーだったのー!

それを声に出しちゃったみたいで隣でちぃちゃんも同意してたよ。

でも波才さん、こっち見てたとき呆れた顔してたよ?どうしてだろうね?

まぁ、それはさて置き波才さんが歌いだしたんだけど私たちの時と違ってみんな全然騒いだりしないで逆にしーんとしちゃったんだ。

別にしらけちゃったわけじゃないよ?

ただ波才さんの歌からは騒げるような空気にはならなかったんだ。

とても落ち着く歌で、とても安らぐ歌で………とても悲しい歌。

そんな歌を聞いていたら不思議と涙がでて来ちゃった。

でも、隣を見てみるとちぃちゃんもれんちゃんも同じみたい。

それどころか黄巾党のみんなが泣きながら上を見たり波才さんを見たり下にうつむいちゃったりした人もいたよ?

そんなふうにみんなが泣いてたら急に波才さんの歌の雰囲気が変わったんだ。

いままでのように落ち着いた歌ではあった、でもさっきまでとは違う少しだけ陽気な歌。

それに気がついたみんながまた波才さんの方を見たんだ。

歌を歌っていた最初の方は波才さんも少しだけ悲しそうな顔をしてたんだ。

でも今は少しだけ笑ってる。

私たちが歌ってる時みたいな笑顔をとは違うおとなしい笑顔。

なんだかその笑顔に目を奪われちゃったんだ。

でもそれだけじゃない。

さっきまでみんな泣いてたんだけど今度はみんな笑ってるんだ。

波才さんの歌にはなにか不思議な力でもあるのかな?

そんなこと考えてたら波才さんの歌が終わった。

誰も何も言わなかったけど誰かが静かに手をたたき始めた。

アニキさんだった。

その拍手はまた拍手を呼び気づけば私たちも含めてみんな手を叩いてたよ。

みんなの顔には涙はあったけどその表情にはもう悲しみのかけらはどこにもなかった。

まるで悪いことなんて何もなかったかのように。

そんなことをしてるとまた波才さんが光り出して元の真っ黒で仮面の格好に戻ちゃった。

もったいないなぁ……。

波才さん…………不思議な人。

でも、貴方がうちに来てくれて今はとても良かったと思えるよ?

でも、あなたは旅人だからいつかはまたどこかに行ってしまうんだよね?

でも、今はまだここにいるよね?

だから、

これからもよろしくね。

不思議な仮面の旅人さん♪

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。