波才SIDE
紫陽を買った俺は早速紫陽に乗って帰ろうと思った。
紫陽は結構早くそのうえ俺の意思に沿って動いてくれる。
本当にありがたいやつだ。
そんなことを考えながら走っていると、急に紫陽が止まった。
「どうした?腹でも減ったか?」
俺はそう聞くが紫陽は顔を横に振り、そのまま頭で前を指していた。
俺がその方向を見るとなにやら人が襲われていた。
追われているのは女性二人、追っているのは男の集団。
身なりからして男共は賊だろうと思った。
それに引き換え女性はかなり高い地位の人間だと思われる。
片方は青い着物を身に付けた銀髪の女性、その前で馬を引いている女性は短いチャイナドレスのようなものを身に付け、したに短いスカート(あったのか)を履いた緑色の髪の女性。
俺も今では賊ではあるが流石に目の前で人が襲われているのを見てみぬふりをするほど腐ってはいない。
よって助けようと思い俺は紫陽を二人の下まで走らせた。
???SIDE
「待ちやがれぇー!!」
後ろから迫ってくる男達からボクは月を背中に逃げていた。
「詠ちゃん!このままじゃ追いつかれちゃうよ!」
「わかってるわ!全くなんでこんな時に霞も華雄も恋も誰もいないのよ!」
「あったりまえだろうが!お前等の護衛がいなくなったときを狙ってたんだからなぁ!」
全く!みんなと一緒に気晴らしに山に出かけてた時に急に襲ってきたのはそういうことだったのね!
「……ごめんね詠ちゃん、私が山に行こうなんて言わなかったら」
後ろから月の声が聞こえるけど私はすぐに言い返した。
「月が謝ることじゃないわ!むしろボクが悪いのよ。……ボクにこんな体質がなければ」
ボクには生まれつき不幸になりやすい体質があった。
これがなければ月が襲われることもなかったのかもしれない。
「そんな!詠ちゃんのせいじゃないよ!」
ボクと月がそんなことを言い合っているうちに後ろの賊がもうすぐ近くまで来ていた。
「クッ!……」
せめて月だけでも逃がさないと!
「捕まえたー!」
そう言いながら賊の手が月を捕らえようとしていた。
「月!逃げて!」
「詠ちゃんを置いていけないよ!」
「そんなこと言ってる場合じゃっ「キャーー!!」月!?」
後ろを向くと月が賊に捕まっていた。
「へっへっへ!捕まえたぜ嬢ちゃん!」
「詠ちゃん!早く逃げて!」
「おっと!逃げんじゃねえぞ、逃げたらこいつがどうなるか、分からねえわけじゃねえだろう?」
「クッ……卑怯な!」
ボクにもしもあの三人みたいな力があれば!
「馬を止めてこっちに来い!」
ボクは賊の男の言うとおりに馬を止め月を捕まえている賊の方に行った。
「ボクたちをどうするつもり!?」
「決まってんだろうが!お前たちのお家から金をもらうのよ!」
そんなことのために月を!許せない!
「あぁ!?なんだその目は?この嬢ちゃんがどうなってもいいのか?」
「痛っ!」
「月!?」
男はそう言いながら月の髪を引っ張った、あの男、絶対に許さない!
「おら、おとなしく観念しなさもないと」
「さもないと?」
「えっ?」
今のはボクの声でも賊たちの声でもないなら一体
「そりゃあもちろん痛い目にあってもらうのさ」
「へ~ちなみに誰に?」
「そりゃあもちろんって」
そこに居たのは
「もちろん、誰だって?」
賊に剣を構えた仮面の男だった。
波才SIDE
「全く、近くに来てみりゃあとっくに女の一人が捕まってんじゃねえ、か!」
「がぁぁぁぁぁああ!!!??」
「キャァァ!!」
俺はとりあえず賊の腕を切り落として女を奪い取った。
「て、てんめぇなんのつもりだ!?」
「なにって人助け?」
「ふざけんな!お前たち、やっちま……え?」
「お前のところに来るまでにほかのやつが邪魔しなかったわけないだろうが」
「なら……どう、やって」
どうって、そりゃあ
「後ろから全員口押さえながら気絶させたんだよ」
その上相手の上に飛び乗りながらやれば足音もならないという優れもの。
「なっ!そんなことできるわけねえだろうが!」
「いや、事実やってるし、そういえば、おい、大丈夫か?」
俺は奪い取った銀髪の女に声をかけた……が、
「へぅ~~(きゅ~)」
「あらら、完全に伸びてら、どうしたもんかねぇ」
俺がそんなふうに考え事をしていると片腕をなくした賊がもうかたっぽうの腕で剣を持って俺に振りかぶってきていた。
「死ねやぁー!」
「あんた、危ない!」
「こともない」ヒョイ
見えているので難なく避けておく。
「ついでに反撃、フンッ!」
「グペッ!?」
俺はすかさず男に近づくと素早く手刀を首に打ち込んで気絶させる。
「さてと、とりあえず大丈夫かあんた」
気絶していない方の緑色の女に声をかける。
「え、ええ、大丈夫よ」
「そりゃあよかった、ほい」
俺はそう言いながら気絶したまま目を回してる女を渡す。
「ちゃんと見張ってねえとまたこんなことに何ぞ」
俺はそう言いながら帰ろうとする
「ちょ、ちょっと待って!ほら月!ちょっと起きて!」
「ヘぅ~~……はっ!詠ちゃん!大丈夫!?」
「私は無事よあの仮面の人が助けてくれたから」
「そう、あ、あの!」
「ん?なんだ?」
「有難うございました!」
「気にすんな」
「私は、董卓といいます!」
「えっ?」
「ボクは賈ク」
「えっ?」
俺が助けたこいつらってもしかしてとんでもねえ奴らじゃね?