恋姫無双~仮面を被りし旅人   作:天月照詠

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第十二話 波才、董卓との出会い

波才SIDE

 

 

 

紫陽に連れられて助けた人はあの董卓だった、ていうかやっぱり女かよ。

俺がそんなことを考えてると、董卓が口を開いた。

 

「あの、お礼をしたいのですが」

 

「いらねえよ」

 

「せめて食事くらいでも」

 

ナンパか……。

 

「家族を待たせてるから無理だ」

 

「ならその人たち全員でも問題ないわ」

 

「それは不可能だ」

 

「なんで?」

 

「そいつらは全員賊だからな」

 

「「!?」」

 

さっきとは打って変わり警戒しだす二人。

まぁ当然か。

 

「あんたも……月を捕まえに来たの?」

 

「いんや」

 

「なら、なぜ助けでくださったのですか?」

 

「それはこいつが教えてくれたからだよ」

 

俺はそう言いながら後から来た紫陽の頭をなでる

 

「こいつが教えてくれなかったら俺は今頃のん気に帰ってた」

 

馬が教えてくれたから、という俺の理由に董卓が俺に疑いの目を向けてきた

 

「貴方は、なぜ賊をしているのですか?」

 

またこの質問か。

 

「なぁ、あんた確か、董卓っていったよな?」

 

「は、はい」

 

「俺の記憶が正しければ洛陽を治めてるよな?」

 

「そうです」

 

「では、一国を収めている董卓殿に聞こう、賊はなぜ存在し、増えると思う?」

 

「それは……」

 

董卓殿が考えていると、不意に賈ク殿が口を開いた。

 

「そんなの決まってる!税を収めるのが嫌で欲を満たしたいからなるんだ!」

 

こいつの考えも同じか……

 

「本当にそうか?」

 

「どういうことですか?」

 

俺の反応に董卓殿が食いついてきた。

 

「これは前に俺たちを討伐しようとしてる奴にも言ったんだがな」

 

俺はそう言いながらかつて戦った敵、王士治へ言ったことをもう一度繰り返した。

俺の話が終わると二人とも信じられないような顔をしていた。

 

「そんなことが!?」

 

「でも、なんでそのことを誰も報告しなかったの?」

 

「報復を受けたくないからに決まってるだろ」

 

「でも、賊になったら結局討伐されちゃうじゃない!」

 

「そのまま入れば重税で苦しみ、報告をすれば報復をされる、残された道が賊になることだったんだよ」

 

だから

 

「賊の中には賈ク殿が言ったとおり欲にまみれた奴もいるかもしれないが、全員が全員そういうわけじゃあない」

 

俺がそういうと董卓殿と賈ク殿は顔を伏せていた。

言いたいことは行ったのでそろそろ帰るとしよう。

 

「それじゃあ俺はこれで」

 

俺はそう言いながら紫陽に乗り出発しようとしたがひとつ言い忘れていたことがあった。

 

「そうそう、」

 

「「???」」

 

「さっきの話で分かったと思うけど、敵は[外]だけじゃないぞ?」

 

「???」「!?」

 

俺の言葉に、董卓殿は分かっていなかったようだが、賈ク殿はわかったらしい。

俺は改めて紫陽を走らせて集落に帰った。

 

 

 

 

賈クSIDE

 

 

 

敵は外だけじゃない……か。

あの男が言っていたことは正しい。

今も洛陽では、十常侍などが月を操ろうと目論んでいる。

でも、そんなことは絶対にさせない!

 

「ねぇねぇ、詠ちゃん」

 

ボクがそう思っていると月が話しかけてきた。

どうしたんだろう?

 

「なぁに?月?」

 

「あの人の名前、なんだったのかなぁ?」

 

「あ」

 

そういえば聞いてなかった。

 

「どうしよう……」

 

これじゃあ恩を返すこともできない。

 

「でも、大丈夫だよ、きっと」

 

ボクが悩んでいると、急に月が弾んだ声でそう言ってきた。

 

「どうして?」

 

「なんとなくだけど、あの人とはまた会える気がするから」

 

そう言いながら笑う月の言葉にボクは不思議と納得した。

 

「そっか……」

 

「ところで詠ちゃん」

 

「ん?どうしたの?月」

 

「帰り、どうする?」

 

「確かに、このままじゃあまた賊に襲われちゃうかもしれないね」

 

「……………ぁ!」

 

僕たちが頭をひねらせていると、遠くから声が聞こえた。

賊とは違う、やけに聞きなれた声。

そう、この声は……。

 

「董卓様ぁーーー!」

 

ボクたちの軍の猪武者代表の……。

 

「董卓様!ご無事ですか!?」

 

「はい、大丈夫ですよ?華雄さん」

 

そう、我が軍の将、華雄である。

 

「ちょー、早いて華雄」

 

「…………飛ばしすぎ」

 

「おー、霞と恋か、遅かったな!」

 

「うちらが遅いんやのうて華雄が速いんや」

 

「…………無理矢理馬を走らせるの、可愛そう」

 

「うっ!」

 

遅れて[?]やってきた霞と恋の発言に華雄が少しだけ落ち込んでいた。

 

「し、しかし!董卓様になにかあったらそれどころではなかったのだ!仕方がないだろう!」

 

って、華雄は開き直ってるけど……

 

「華雄さん、馬さんをいじめてはいけませんよ?」

 

「と、董卓様まで……」ショボーン

 

月の言葉によって撃沈していた。

 

「まぁ、華雄のことは置いといて、無事だったんやね、二人とも」

 

「………………よかった」

 

華雄が落ち込んでいると霞と恋が私たちにそう言葉をかけてきた。

 

「はい、大丈夫でしたよ、なんとか」

 

月がそういうけどその言葉に引っかかりを覚えたのか

 

「なんとか?」

 

「……何かあった?」

 

二人でそう言ってきた。

 

「実は……カクカクシカジカで」

 

ボクは私たちを襲った賊と私たちを助けてくれた仮面の男のことを話した。

 

「月と詠を助けてくれたんはありがたいけど、その仮面の男、何もんなんや?」

 

「……不思議な人」

 

「うん、ボクにもわからない。でも、もうすぐ会えるのは確かだよ」

 

ボクは月の言ったことを思い出しながらそう言った。

 

「なんでや?詠?」

 

そう聞いてくる霞にに僕は言った。

 

「ボク達を助けでくれた仮面の男は一応、賊なんだよ」

 

「さっき、そう言っとたからそうなんやろーな」

 

「じゃあ、最近出てきている賊は?」

 

「……黄巾党」

 

「そう、そしてボク達が出かける前にある招集がかけられたんだ」

 

「なんの招集や?」

 

「黄巾党討伐連合」

 

「!なるほど、そういうことかいな」

 

「そう、だからボク達はこの連合に参加する以上、ほぼ確実に彼に会うことができる」

 

「……でも、相手は敵」

 

「そこが問題なんだよねぇ」

 

会うことができてもそれは敵、お礼を行ったとしても次の瞬間には戦わなくちゃいけない。

 

「だったら、捕まえて一時的に捕虜にでもすればよいのではないか?」

 

さっきまで落ちこんでいた華雄がそう言ったけど……

 

「ん?どうした?」

 

「華雄が、まともなこと言っとる!?」

 

ボク達の心境を霞が代表で行ってくれた。

 

「なっ!?どういうことだ!それは!」

 

「だってあの猪突猛進華雄将軍がまともなこと言っとるんやで~そりゃあ驚くしかないやろ~」

 

「でもその考えは使えるかもしれない。いい案だよ、華雄」

 

「そうだろう!別に私とていつも何も考えてないわけではないんだぞ!」

 

『えっ?』

 

「えっ?っとはなんだー!それも董卓様まで!」

 

「へぅ~ごめんなさい」

 

月がそういうと華雄は一気に慌て出して

 

「い、いえ董卓様は悪くはありません!」

 

と言っていた。

ボク達はそんなふうに話しながら洛陽に帰った。




おまけ


「そういえばねねは?
「「「あ」」」
忘れられてたんだ……














「恋殿ー!どこにいるのですかー!」
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