恋姫無双~仮面を被りし旅人   作:天月照詠

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第十四話 絶望、希望

波才SIDE

 

 

 

 

買い物から帰ってきた俺は暴れている仲間たちを抑えた後しっかりと説教しておいた。

みんななぜか俺を見ると震えていたがどうかしたのだろうか?

それはそうと、今はとても大変なことになった。

畑の耕しが住んでないこと?

まぁそれもある。

というかそれも原因のうちだ。

俺が説教したあと、情報収集のやつがいそいで帰ってきて。

 

「大変だ!朝廷が本格的な黄巾党の討伐を始めさせたらしい!」

 

とのこと。

なぜこんな急になったか。

最初の討伐軍を倒したから調子づかせないため。

面倒ごとを早く片付けたかったため。

そして関係ないと思う奴もいるかもしれないが……俺たちが畑を作ろうとしたことを知ったため。

俺が最後の理由をみんなに説明したときにはみんな首を傾けていた。

実際天和殿は「どういうこと~?」って言ってたしな。

理由としては簡単だ。

元々俺たち賊が討伐されるのは民のものを奪うから、というのが一番の理由だ。

ではそんな賊たちが急に畑を耕し、人を襲うこともなくなり、危険性がなくなったらどうなる?

答えは……討伐する理由がなくなること。

賊に殺された人間の家族は許さないだろうがほかの奴らはそうでもない。

 

「俺たちは襲われてないし、もう襲われないんだろ?」という襲われてない民や、

 

「討伐隊派遣したら金はかかるし人材失うし、人を襲わないならいいんじゃないか?」という役人。

 

恐らく、そうなる前に討伐隊を派遣し民が暴動を起こす前にことを済ませる、といったところか。

ちなみに討伐に参加する勢力は……曹操、孫策、董卓、公孫賛辺らしい。

…………なんだこの状況?

向こうに董卓殿や賈ク殿がいるのは残念だが彼女たちは前線ではないしそれほど問題ではないだろう。

だけど、勝つとか無理じゃね?

むしろやられるしかないんじゃね?

というかあれだよ、確か歴史で習ったよ。

これ、黄巾の乱じゃねえか。

もう俺たち敗北決定してるじゃねえか。

だが待て、これは確か『恋姫†無双』の世界のはずだ。

なら、本来の歴史とは違う分岐があるはずだ。

ただ俺は『恋姫†無双』の名前は知ってても内容までは知らない。

本当に俺たちに助かる道があるのか?

そもそも三国志の物語で黄巾党が生き残る道をつくる奴がいるのか?

おそらくいないだろう。

だいいち作ったところでそいつらはどうなる?

本来終わるはずだった命を長らえてどうなると言うんだ?

意味の無い命になってしまうだけじゃないのか?

これじゃあ―――――――

 

「波才さーん!」

 

「ん?」

 

俺が思考の海に落ちていると天和殿が声をかけてきた。

その顔には焦りの表情がある。

 

「どうかしたのですか?」

 

「どうかしたのですか?、じゃないよー!もう討伐軍きちゃったよー!?」

 

「…………はっ!?」

 

「なんか情報収集してくれてた人の情報が遅かったみたいで実はその情報一ヶ月も前のものみたい」

 

……俺が畑のことを考えたのは三日前だ。

てことは畑のことは関係なく討伐軍は来る?

何故――――――――?

俺はまた思考の海に沈みそうになったあ直ぐに分かった。

なんだ、そうだよな。

これは『恋姫†無双』だ。

主人公のための物語だ。

それなのに黄巾の乱なんて大きな出来事、止められるはずがないよな。

 

「相手は主人公、こっちはヤラレキャラ……か」ボソ

 

「えっ?波才さん、今なんて言ったの?」

 

「何でもありません、それよりも時間がありませんからね、いそいで作戦を開始しましょう」

 

どうせ負ける戦いだけどな。

しかし俺がそういうと天和殿は笑顔で

 

「わぉ!こんな時にすぐに作戦を思いつくなんて波才さんすごいね!」

 

そう笑顔で話しかけてくる天和殿の顔を見て、この人は死なせてはいけないと思った。

この人(天和殿)だけじゃない、地和殿も人和殿も皆死なせてはいけない。

なら、俺が取るべき手段はひとつしかないな。

俺がすべきことは

「ええ、では皆を広間に集めてください」

と自信をもって答えることだけだ

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