波才SIDE
あれからすぐに広間に集まった仲間を前に俺、天和殿、地和殿、人和殿がいる。
俺はこれから、『彼女たちを救うため』の作戦を彼らに伝えなければならない。
そのために、彼らは死ななくてはならないだろう。
彼らは納得しないだろう。
いきなり死ねと命令されて頷く奴はいないだろうから。
俺はそう考えながら今からの作戦を伝える。
「ではこれから、とうばつぐんにたいしての俺たちが取るべき行動を説明する……が、その前に」
『?』
「お前たちに聞きたい、死ぬ覚悟はあるか?」
『!?』
俺の言葉に全員声がでずに固まっている、当然だろう。
「今回の戦いは前回の討伐隊の時とは話が違う。数多の将がいて、数多の軍師がいる。俺はできるだけ被害の少ない作戦を考えようと思う、だが俺一人の策略では読まれてしまうかもしれない。」
『…………………』
俺の話を黙って聞く仲間たち。
「むしろ生き残れる奴の方が少ないだろう」
このままでは死は免れないだろう。
「おそらく勝っても負けても俺たちに未来はない」
黄巾党という名前はその所属こそが罪。
「この戦いで黄巾党は解散することになると思う」
二度と天和殿達の歌も聞けない。
それでも、
「それでも戦うというやつは残れ、そうでない奴は逃げろ。戦いが始まってからこそこそ逃げればうまくいけば助かるかもしれん。」
俺はそう言い終わるとしばらくみんなの動きを待った。
みんなそれぞれ近くのやつを話しをしている。
逃げるべきか、戦うべきか、それを考えているのだろう。
そう思ってたんだが、
「俺はやるぞ!」とか
「俺もだ!」とか
「俺逃げ切れる自信ないしな」とか
「それに天和ちゃん達のために死ねるなら本望だぜ!」等々
誰も逃げようとする奴はいない。
それどころか笑っている。
なぜ?
「波才」
声のする方を向くと軽く笑みを浮かべた兄貴がいた。
「兄貴、なぜこいつらは逃げようとしない?これから戦いが始まれば死ぬかもしれないっていうのになぜ笑っていられる?」
俺はそう言うがそれでも兄貴は笑っていた。
「さっきあいつらも言ってただろ?ここにいる連中は皆、天和様や地和様や人和様のためにいるような連中だ。だからこそあの人たちを守るためなら戦うことを躊躇うこともないし笑顔でいられる」
「なっ!?」
そんなことでか!?
たしかに俺もさっきそう思っていた。
しかしまさかここにいる連中が全員そうだとは。
「さて、波才!ここにいる連中で逃げる奴は誰一人としていない。あとはお前さんが作戦を俺たちに伝えるだけだ」
そう笑いながら言う兄貴を先頭に後ろにいる仲間たちもみんな頷いていた。
「酔狂な奴らだ……俺も人のことは言えないが」
こんなにたくさんの人に思われている三人はやはり生きるべきだ、だからこそ。
「では今から一番重要なことを伝える」
俺は横にいる三人に向かって
「張三姉妹には死んでもらいます」
そう告げた。