波才side
「張三姉妹には死んでもらう」
俺がそう告げると天和殿達が声を上げた。
「ちょっと波才!されどういうことよ!」
「私たち死んじゃうの!?」
「……隠蔽?」
「人和殿は分かっているようですね。そう、これから始まる討伐軍との戦闘にて張三姉妹は死んだことにします。そのあいだに兄貴、チビ、デブには三人を連れて逃げてもらう。」
「なっ!?俺たちだって戦えるぞ!」
「そうっす!確かに波才ほどには戦えないけどそれでも何もできないわけじゃないっす!」
「そうなんだなぁ」
俺の言葉に三人が文句を言ってきた。
確かに、この三人は今いる仲間の中でも上位の実力者だと言えるだろう。
「だからこそ、兄貴達には三人についてもらう必要があるんだ。」
「「「え?」」」
「ここは今から戦場になる。いくら三人がこそこそ逃げたところで力のない女が戦場で見つかってしまえばどうなるかは多少想像がわくだろう?」
「「「「「「………………………」」」」」」」
みんな想像がついたのだろう。
顔がわずかに青くなっている。
「そのためにも三人が護衛になって彼女らを守る必要がある。」
「なるほど、確かにそうだ。だけどなら戦場の方はどうなるんだ?直ぐに突っ切られちまったら逃げきれねぇぞ?」
今回の戦で参加してくるのは情報では曹操、孫策、公孫賛、董卓の四つの勢力。
それにしても董卓殿たちの勢力まで出てくるとはな。
あそこには神速の張遼、一騎当千の呂奉先、猪突猛進の華雄……一人ちょっと違う気もするが手練の多い彼女の軍とはできれば戦いたくはない。
それに俺の予想では劉備の軍もいるはず、となれば関羽や張飛などの武人に諸葛亮などの軍師いる。
作戦などもはやあってないようなものだ。
「策といえるものではないがこの場所には多数の罠が存在する。だから問題はない」
密かに作っていた甲斐があったというものだ。
「……そんなの知らないんだが」
兄貴がそんなふうに聞いてくるが
「当たり前だ、みんなをおちょくったりするのに使おうと思ってたんだからな」
『おい!』
「コホンッ!まぁそれはともかく、今回はそれが役に立つ。それを使えば時間稼ぎにはなる。それに前回の討伐隊の時に使った巨大落とし穴の中央に洞窟を作っておいた。行き先は近くの村だからそこから離脱する。」
その際黄巾党とわかるものは外す必要があるけどなと付け加えておく。
黄巾党とわかるものがなければ賊から逃げてきた農民の集団に見えないこともないからな。
「でもその入口を抑えられちまったらどうするんだ?」
「入口は俺が守る、天和殿達が離脱したらほかの連中が離脱、その間は俺が入口を守りきる」
「そんなの無茶だ!」
「しかし誰かがやらなければならないことだ、それに俺は問題ない。いざとなったら紫陽がいるからな」
俺はそう言いながら近くにいた紫陽を撫でる。
その後俺はみんなを見渡しながら
「今回の戦闘では略奪することでも相手を倒すことでもない!逃げ切ることが俺たちの勝利条件だ!誰ひとりとして死ぬことは許さん!」
俺はそう言いながら右手に持っていた槍で地面を叩く。
「敵の進軍と同時にこの砦を火で囲う!そのうちに天和殿達は離脱、他の物は盾を持って敵を防げ!反撃をしようと思うな!あくまで生きることだけ考えろ!いいな!」
『おう!』
「これから始まる戦争が俺達黄巾党の最後の戦いであり黄巾党の最後でもある、しかしこの場所で過ごしてきたことは決して忘れるな!俺達は賊だった!それを理解した上で生きろ!」
『おう!』
「兄貴、戦いの準備をしておいてくれ」
「わかった、お前はどうする?」
「罠の準備を」
みんなの返事を聞いた俺兄貴との会話をしたあと罠を作動させるべく場所をあとにした。
神速の~のあとの張遼さんの名前がなくなっちゃってたので編集しました~
教えてくれたがるさんありがとう~