恋姫無双~仮面を被りし旅人   作:天月照詠

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第十八話 黄巾の乱 魏 夏侯姉妹邂逅

波才SIDE

 

「にしても本当に早いな」

 

相手の突撃宣言がかかってから5分後、戦場は最早大混乱……になるわけないな。

なにせこっちは勝つ気がないんだから、むしろ相手が一方的に攻めているだけ。

俺? 俺は問答無用で砦の中に入ろうとしてるやつらを切り伏せている、流石に人数を削っていかないとこっちが持たないし。

まだこれが一般兵だからいいけど有名な武将クラスがくるt『おいっ!貴様!』……何か自分で変なフラグ立てた気がする……。

 

「なにか?」

 

俺はそう答えながら中に入ろうとしていた兵の足の骨をくだいていく。

殺さないのか? あいつらにだって家庭がある、恨みはあまり買いたくない。

それに倒れている奴らが生きていれば相手も激しく動けないしな。

そう思いながら俺は相手の方を見た。

 

「張角どもはどこにいる!」

「………………………」

 

なんだろう、こうもストレートに聞いてくる奴がいるのは思わなかった。

聞いてきたやつの特徴は黒髪の長髪、髪を後ろに持って行っているので額がよく見える、というか若干光ってて眩しい、獲物(武器)はそこそこ大きな大剣、……誰だっけ?

 

「人にものを尋ねるならまず名を名乗ったらどうだ?」

 

まぁ敵に名前を教えるような奴もいないだろうけど。

 

「むっ!それもそうか!私の名は夏侯元譲だ!」

 

……言ってきたよ。

多分コイツはバカの部類に入るんだろう。

ってまてよ? 夏侯元譲ってことは…夏侯惇!?

最悪な相手だなぁおい。

 

「貴様こそ名前を名乗ったらどうだ!」

 

普通戦場で名前言い合うなんてありえないよ!

でも、まぁいいか。

教えてももうあんまり意味ないし。

 

「俺の名前は波才だ、字はない」

「ふむ、波才か!んっ? 波才? どこかで聞いたような……」

 

マジでか……てか俺そんな上の人のところまで話しいっちゃってんの?

厄介ごとは嫌なんだけどな~ってもう遅いか、こっち(黄巾党)に入った時点で。

 

「そうだ!思い出したぞ!貴様だな!黄巾党を率いているのは!あれ?そうすると張角たちは何なんだ!? う~ん考えたらなんだか頭が痛くなってきた!」

 

こいつ大丈夫なんだろうか……。

というか周りの奴が頑張っているのにコイツは何をしているんだ?

というか正直言ってうるさい。

俺? 俺はずっと入ろうとしてる奴らの足止めしてる最中。

ん? なにか上から光ったものが落ちてきてるような

 

「ってやばっ!」

 

俺が急いで回避すると落ちてきていたものは矢だった。

戦場で考え事するもんじゃないな。

 

「姉者、今は考え事をしてる場合じゃない」

「おお! 秋蘭!どうしてここに?」

「戦場で完全に頭を抑えてうなっている姉者を見て、心配だから来たんだ」

「それは済まない! ところで秋蘭! 波才って何者なんだ?」

「波才? 波才といえば黄巾党を率いて戦っている者のことだが」

「なら張角たちは何なんだ?」

「黄巾党そのものを率いている人物だ」

「???どういうことだ?」

「要するに国を収めている華琳様とその兵を率いて戦う姉者や私達のようなものだ」

「おお!なるほど!わかりやすいな!」

 

なんかもう一人来たんだけど……。

水色の髪の毛のショートヘア? でいいのか?獲物は弓矢、ってことはさっきの矢はコイツか。

そして夏侯惇に対して親しく姉者と呼ぶ者って言ったら。

 

「夏侯淵、か」

 

俺がそう呟くと二人がこちらに気づいた。

 

「ん? 私のことを知っているのか?」

「そっちの女が夏侯惇だということはわかっていたからな……自分から名乗ったおかげで」

「姉者……」

「なっ!違うぞ秋蘭!それはあいつが人にものを尋ねるならまず名を名乗れと言ってきたんだ!」

「それでもここは戦場なんだから名乗る必要はないんだ」

「なんだと!?」

「いや、普通気づけよ」

「まぁ知っているなら改めて言っておこう夏侯妙才だ」ギリ

「挨拶しながら弓を引くものじゃないと思うんだが」

「ここは戦場だ、文句はあるまい」

「確かにな」

「それよりも気になっていたことがある」

「なんだ?」

「黄巾党のものは誰もがまるで勝ちに来ようとはしていない、それどころかただ時間を稼いでるように見える」

 

やはりバレてたか。

 

「流石に気づくか」

「うちの軍師は優秀だからな、それに少しよく見ればすぐにわかる、まともな武器を持っているのは貴様一人で他の物は盾などしか持っていないからな」

「なに!?そうなのか!?」

「………………………」

「………………………」

 

気づいてない奴もいたよ。

 

「な、なんだ?」

「いや、別に」

 

この世界の夏侯惇は色々残念なようだ。

 

「ごほん!と、ともかく!そちらの一番の主戦力である貴様を倒せばこちらの勝ちは決定する」

「つまり、どういう事なんだ秋蘭?」

「あいつを倒せば終わりということだ姉者」

「なるほど!よし、勝負だ!」

 

完全にこっちに目標が向いちゃったよ。

まぁわかりきってたことだけど。

でも、

 

「悪いけどあんたたちの相手をしている暇はないんでな」トントンッ

「? なにをしているんだ?」

「足元にご注意ください」

「足元?」

 

夏候姉妹がしたを見るとそこは既に開かれた落とし穴。

その上にいた二人は当然。

 

「うわっ!」 「なっ!?」

 

仲良く落ちましたとさ。

 

「さて、まず二人っと」

 

次は誰を罠にはめようかな~。

というか、あと何人いるんだろ……はぁ。

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