波才SIDE
「これで二人終了」
夏侯惇、夏侯淵二人が落ちてくれたのでとりあえず一安心。
まぁ、下は竹槍……なんかじゃなくて藁とかが引いてあるから死にはしないだろう。
「っと、次のお客さんだな」
といっても一般兵はさっきからホイホイ来てるから払い除けてるけど
「貴様が波才だな!」
次に来たのは長い黒髪をサイドアップ? で結っている女とやけに小さい赤い髪の女。
獲物はそれぞれ偃月刀と矛か、小さい方はよくもてるな。
「確かに俺は波才だ、悪いがこっちは話してる暇はない。用事があるならさっさとしてくれ」
「悪いがそうさせてもらおう、私の姓は関、名は羽、字は雲長いざ参る!」
「鈴々の姓は張、名は飛、字は翼徳なのだ!」
「2対1でしかも関羽と張飛か、厄介だな……」
俺はそういながら逆手に持った剣と槍でふたりの攻撃を弾く。
関羽SIDE
何なんだこの男は。
私は自分の獲物を振り下ろしながらそう考えていた。
目の前にいる男は波才、黄巾党の将的存在であり、おそらくこの戦で最も厄介な相手。
事実先ほどこちらの主要人物ふたりはあいつの手によって落ちた(物理的に)。
それにしてもこの男。
「手応えが無さ過ぎる」
そう、私と鈴々の二人で攻撃を仕掛けているというのにこの男は全ていなしている。
振れば逸らされ、突けば引かれ、薙げば躱される。
あまりに手応えがなさすぎてどうにも苛立ってしまう。
「貴様、勝つ気があるのか!」
「ないけど」
「は?」
「いや、だからないって」
勝つ気がない?ならコイツは一体何のためにここに立っている?
「そもそもこの戦いは戦いですらない」
「なんだと!?」
「第一にこの戦の火種を作ったのはお前たち役人であること」
「な!?」
「詳しいことはこれが終わってから自分で調べることだ、第二に張角様たちはこれより天へ登るための準備をしておられる、この火とてその準備の一つに過ぎない」
「天、だと!?」
こいつ喋りながら私たちの武器を逸らしている。
一体どれだけ余裕があると言うんだ!
「その参…………お前は既に敗北している」
「既に負けているだと!」
「あぁ、足元にご注意ください」
私はその言葉を聞いた瞬間に後ろに飛んだ。
先ほど、同じ方法でやられたものを見たからだ。
そして――――――――
「がっ!?」
「敵の言葉を真に受けすぎだって」
そういう波才の槍の石突が私の腹に食い込んでいた。
意識を失う寸前、仮面で表情はわからなかったがやつの目は確かに語っていた。
してやったり、と
天月:一年もほかっていたことに自分でもびっくりだ……