あの神(爺)に穴から落とされてから早十年。
何?時間が経つのが早すぎる?
小さい頃の話をしても意味がないだろう?
ちなみに俺の名前は劉璋らしい。
確か三国志に出ていた気がするがどんな人なのか忘れた。
ということで俺なりに自由にしていこうと思った。
その結果、
家出した。
なんか親に「お前は後にこの益州を任せるのだからうんたらかんたら……」と煩かったから家出した。
だいいち俺はあの人(劉焉)を親とは見れない。
理由?前世と同じだよ。
あいつも母親も俺を見てはいなかった。
虐待とまではいかなかったが扱いはひどかった。
どうせこのままいたとしてもせいぜい跡継ぎ、もしくは政治の道具といったところだろう。
ならこのまま出ていってやろうと思った。
別に俺なんかがいなくても紫苑さん(黄忠)や桔梗さん(厳顔)もいるし問題はないだろう。
二人にはいつか戻ってくるとは伝えてあるし、当分は自由に旅をさせてもらおうと思う。
そんなこんなで旅をして早数日、
行き倒れた。
そりゃそうだ。
元一般人がいきなり旅したってこうなるに決まってる。
体は死なないように鍛えたが飢えには勝てないしなぁ……。
ということで絶賛ぶっ倒れている俺なわけだがこのままだと本気でやばい。
今の状況は……
頭……無し
体……服
足……靴(という過去の時代に合ったっけ?)
腕……剣(鞘付きで杖変わり)
持ち物……水筒(空)食料……無し。
詰んでないか?これ?
今ならすぐ死ねる自信がある。
まだ十年しか生きてないし面白いこともしてない。
こんなところで死ぬわけにもいかない。
そんな俺の意思とは関係なく俺の意識は闇に落ちていった。
賊(とある三人衆)SIDE(兄貴視点)
「兄貴!あんなところに人が倒れてますぜ?」
金がなくいつものように獲物を探していた俺たちだが急にチビが声を上げて俺に言ってきた。
「ん?どこにいるんだ?」
俺は当たりを見渡すがそれらしき奴は見当たらねぇ……。
「あそこですよ兄貴!ずっといったところにぶっ倒れてるじゃないっすか!」
「んー?いや見えねぇぞ?デブ?お前見えるか?」
「全然見えないんだな」
隣のデブに聞いても見えないらしい。
「まぁ、とりあえず行って見りゃわかんだろ」
そう言って俺たちはチビが行っていた方向に足を進めた。
……近くに行ってみると結論だけいや確かに人はいた。
でもまだ年端もいかねぇちっちぇえ餓鬼だ。
俺は一回後ろを見てちびがこいつを見つけた地点を見た。
明らかに遠い、俺じゃ絶対に見えねぇ。
「チビ、お前目がすげえいいな」
「そうっすか?普通だと思いやすけど」
「普通はこんな遠くまで見えないんだな」
「デブの言うとおりだな、誇ってもいいくらいだぜ?」
「本当っすか!?いや~天和様達を見るのに便利だなぁ位に思ってたんすけど結構自慢できるものだったんすね!」
「お前、天和様や地和様、人和様がよく見えるのか!?いつも俺たちあんな遠くで見てたのに!?」
こいつ……なんて羨ましいやつだ。
「話がずれてるんだな、それよりもこの子、どうするんだな?」
おっと、そうだった危うく本来の目的を忘れるところだったぜ。
とはいってもこの餓鬼…………どうしよう?
ここで餓鬼を殺すにしてもなんか気分が乗らねぇし、身ぐるみ剥ぐにしたってこんな餓鬼の服じゃああんまし金にはならねぇしな~。
剣を持ってるみてぇだがしっかり握ってるみてぇで離れねぇ。
それにこいつの顔には絶望がねぇ。
目は閉じてるからわからねぇが顔を見る限り死ぬ気はねぇって顔してやがる、よし!
「ここで見つけたのも何かの縁だ!チビ!デブ!こいつを連れて天和様たちのところまで帰るぞ!」
「つれてくんすか!?まぁ兄貴がそういうんなら別にかまやしねぇですけど、それに天和様たちのところ
にもどるんすね!」
「なつかしいんだなぁ」
「そうだ!だからさっさとこいつを運ぶの手伝え!餓鬼だって軽くねぇんだからな」
「わかったっす!」「わかったんだなぁ!」
俺はこいつの生き様を見てみたくなった。
賊に落ちちまった俺たちには天和様達っていう光があった。
こいつにも何か、救いがあってもいいんじゃねぇかな
この行動が俺たちにとってすんげぇ重大だったことになるとは知りもしなかったがな。