恋姫無双~仮面を被りし旅人   作:天月照詠

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第二話 改名 波才

地面の揺れを感じながら俺は気がついた。

ここは……どこだ?

何故俺は動いている?

俺は倒れたはずだ。

一体なz「お?気がついたか?」

声のした方向を向くといかにも賊ですって風貌の男がこっちを向いていた。

 

「だ…れだ?」

 

「俺か?俺は兄貴って呼ばれてる、名前は当分呼ばれてねぇから忘れちまったな」

 

「そう…か、ここ…は、ど…こだ?」

 

「ここは荷台の上、今はお前さんを連れて帰っているところだよ、そんな事よりもほら、水だ、飲め」

 

俺は兄貴と呼ばれている男から水を受け取るとすぐに口に含んだ。

すぐに飲んだりはしない、むせてしまっては水が無駄になる。

少しずつ染み渡らせるように飲んでいると男が意外そうな顔をしながらこちらを向いていた。

 

「なんだ?」

 

「いや、ずいぶんなれてると思ってな普通だったらいきなりがぶ飲みしてむせてるよ」

 

男はほれ、これも食えっといいながらこちらに肉を放り投げてきた。

俺はそれを受け取ると少しずつかんで食べた当分食べてなかったせいか上手く胃に届かない。

そうやって四苦八苦しながら肉との格闘を終えた俺は改めて男の方を向いた。

 

「何故」

 

「ん?なにが?」

 

「俺、助けた?」

 

まずい……かなりの時間人と話してなかったせいか上手く喋る事ができない。

当分はこのままだな。

 

「何故ねぇ……まっ何となくだな」

 

「何?」

 

「何となくだよ何となく、倒れてるお前を見つけたら何となくお前を助けてみたくなったんだよ」

 

「珍しい……な」

 

「こんな時代じゃあ人助けなんかそうそうしねぇからな」

 

「それも……あるが……違う」

 

「ん?じゃあ何だ?」

 

「お前、賊?」

 

「……まぁな」

 

「賊……普通、助け……しない、奪って、終わり、少なくとも……俺、そう思ってる」

 

「ああ……それが普通だよ、俺たちだって普段ならこんな事はしねぇよ」

 

「たち?……普段?」

 

「あぁ、俺とチビとデブが居る、ついでだし休憩がしら顔合わせとくか」

 

「…………」コク

 

「おし、そうとわかりゃあ……おーいチビ!デブ!あいつが起きたからちょっと止まってこっちに来

い!」

 

男がそう言ってから数秒後やばれたとおりちっちゃいのとデブいのが来た。

 

「起きたんすか?」

 

「結構遅かったんだな」

 

男他には荷台に入ってくるなりそう言ってきた、ん?遅い?

 

「おい」

 

「ん?なんだ?便所か?」

 

「違う、遅い?俺は、いつまで……寝てた?」

 

「んーっとそうさな……」

 

男は考える素振りを見せながらうーんと唸っているがそんなに長いのだろうか?

そんなことを考えていると男の体制が変わった。

 

「あー思い出した思い出した、お前がいつから倒れてんのかはわからねぇが俺たちが拾ってからもう……

三日は経ってるな」

 

「なっ……!」

 

驚きを隠せなかった俺はそんなに寝ていたのか……そんなに寝ていたのに。

 

「ん?どうした?やっぱりそんなに寝てたことに驚きか?」

 

「…………てない」

 

「なんだって?」

 

「それだけ寝ていても……体が大きくなってない」

 

俺がそういうと兄貴は急に黙った。

どうしたんだろうか?

 

 

 

 

 

急遽兄貴SIDE

 

 

 

 

「それだけ寝ていても……体が大きくなってない」

 

…………こいつは何を言ってるんだ?

 

「おい、チビ、デブ」ボソッ

 

「なんすか?」「なんなんだな」ボソッ

 

「普通何も食わずに三日も寝ていただけで体は大きくなると思うか?」ボソッ

 

「ないっすね」「ないと思うんだな」ボソッ

 

そうだよな……俺の勘違いじゃあねぇよな。

 

「……なぁ」

 

「……?」

 

「普通何も食ってねぇ奴が三日寝ただけで大きくなるとは思えないんだが……」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「……っは!Σ(゜д゜lll)」

 

こいつやっぱり気づいちゃいなかった━━━━!!

こいつにもう少し一般常識ってもんを教えたほうがいいんじゃないだろうか?

……賊の俺たちが言うことでもねぇと思うが

それにしてもこいつ……ってこいつ名前なんなんだ?

 

「なぁ」

 

「?」

 

「お前……名前は何てんだ?」

 

名前忘れちまった俺が言えることじゃねぇんだろうがな。

ただ、あいつが急に頭を抱え出したのはなんでだろうな?

 

 

 

主人公(劉璋)SIDE

 

 

 

「お前……名前は何てんだ?」

 

俺の名前は劉璋。

そう言おうと思ったが……やめた。

一応戻ってくると入っておいたが俺は家出した人間だ。

劉の姓を名乗るわけにはいかない。

そういえばこいつらは賊だったな。

この時代の賊といったら……黄巾党か。

今回の人生では今まで楽しめなかった分面白いことをすると決めたしな。

名前は俺の気に入っているあの名前にしよう。

賊と呼ばれながらも将軍と呼ばれた名を。

 

「俺の……名前は、波才だ」

 

今日この日この瞬間俺は波才となった。

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