恋姫無双~仮面を被りし旅人   作:天月照詠

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第七話 祝宴~乾杯~

波才SIDE

 

 

 

 

討伐軍との戦いを終えた俺たちはその祝として宴を開いていた。

あのあと見張りのやつが少し遠くで食料を見つけていた。

討伐軍のものだったらしいので貰っておくことにした俺たちはその食料を宴で盛大に飲んで食った。

「いや~それにしても波才の作戦のおかげで俺たちは生き残ることができたんだよなぁ~」

 

「そうそう~っていうか波才!お前強かったんだな!」

 

「兄貴たちに拾われる前から鍛錬は欠かしていなかったし拾われてからも鍛錬はしていたんだ。あれくら

いできないと俺が悲しくなる」

 

「あれ?でもお前いつそんなことしてたんだ?」

 

「深夜から明朝まで」

 

「…………まさか旅の大半を荷台で寝てたのは」

 

「眠たかっただけだよ」

 

実際そんな時しかやれなかったしなぁ。

それ以外はずっと旅で動いてたし。

 

「そんなのが理由かよ!……まぁいいや、それで俺たちは助けられたんだからな」

 

「そうだ、だからこんな辛気臭い話はやめて今はこの宴を楽しもう」

 

「だな、おいオメーラ!今日は飲むぞー!」

 

『オーー!!!』

 

「とその前に!乾杯の音頭として!本日の英雄!波才に一言言ってもらおうと思う!」

 

『オーーー!!』

 

兄貴……急に何を言っている?

俺に音頭をやらせようとするんじゃない!

 

「なぜ俺がそんなものを……っておいっお前ら!押すな!というか担ぎ上げるな!」

 

兄貴が俺に音頭をやらせようとしたこのに文句を言おうとしたら周りのやつに押され担ぎ上げられ、最終的に台座の上まで押し上げられてしまった。

前を見ると、今日生き残った黄巾党の奴らが全員こっちをむいている。

仮面つけてなかったら緊張で顔真っ赤にしてるのがばれてたな。

兄貴のほうを見るとニヤニヤしながら頑張れよーと言っていた。

応援するぐらいならやらせるな!

天和殿、地和殿、人和殿の方を見てもこっちむいて期待の眼差しで目がキラッキラしてやがる。

こういうのは慣れてないんだがな

 

「はぁ~…………お前ら!今日の討伐隊との戦い、よく生き残った!」

 

『オーーー!!』

 

「しかし!…………今ここにはいない奴らもいるだろう?」

 

『……………………』

 

「今日この戦いで死んでいった者たちだ。この中にもそいつらの親友がいたことだろう」

 

俺の言葉にちらほらと頷いている。

 

「俺たちは賊だ!天に上ることは許されず、地獄に縛られている奴もいるだろう」

 

『…………………………』

 

あたかも死んでいったやつがそこにいるのではないかと、そう思うくらいにみんな下を見ていた。

 

「なかには天に上がった奴もいる」

 

そう言うと今度はみんな上を見た。

上にあるのはひとつの満月と天を照らす星たち。

今のこいつらにはこの星が死んでいった同胞のように見えるだろう。

 

「俺たちは生き残り、今ここで宴を開こうとしている!」

 

俺が声を上げると上をむいていた顔が再び俺の方に向く。

 

「地獄にいる奴らに伝わるくらいに騒ぎ暴れろ!天に登った奴らに届くぐらいに楽しめ!俺たちは生きて

いると!悲しんではいないと!」

 

俺の言葉を聞いて目を丸くしている奴らに俺は続けてこういった。

 

「悲しみながら宴を開くな!楽しみながら宴を開け!今宵は宴だ酒をちびちび飲むんじゃねぇ!豪快にい

っきだ!死んでいった奴らが羨ましくなるぐらいに楽しみ尽せ!」

 

俺の言葉を聞いてここにいる全員が笑顔の表情になった。

 

「全員、酒を持て!」

 

黄巾党の、いや―――――――仲間の手に杯や徳利がもたれる。

俺も杯に一杯になるまで酒入れる。

もう仲間の連中には不安も悲しみの表情もない。

あるのは笑顔だけだ。

 

「改めて、今宵は宴だ!存分に楽しめ!―――――――乾杯!!」

 

『乾杯!!』

 

乾杯の合図と共に俺たちは酒を一気に喉に流し込んだ。

 

 

 

 

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