ウマ娘と人娘の幼馴染みと…   作:パンクした原付

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はじまり

 

 

産まれてこの方、ずっと違和感があった。

 

道路にある()()()専用レーンをみた時も…

新聞の1面に()()()達のレースの結果やライバル達との関係が書かれているのを…

さも当然の様に()()()達のライヴがTV中継されている時も…

 

ずっと違和感がつきまとった。

 

当然、そんな違和感を持ち続けている俺を周囲は『異物』としてとらえ、近づくヤツは誰もいなかった。

何故こんなに違和感を覚えているのか分からなかったし、何故誰も共感できないのか分からず悔しかった。

 

そんな俺を癒していたのは、年に2回の祖父母宅への宿泊だった。

 

祖父母の家周辺は、山の麓にあり隣家までの距離が2~3キロ程とそこそこ離れていた為、余り人と会うことも少なかった。

それに、祖父母宅付近では虫取や、川遊びなどで1人で居ても何の苦にもならなかったと言うのもでかいのだろう。

 

さて、何故俺はこんな自分語りをしているかと言うと

 

 

「おい!お前ホントに大丈夫何だよな!?」

 

 

目の前で、俺の肩を掴んで顔を青ざめ狼狽えている黒鹿毛のウマ娘がいて

 

 

「ウマ娘世界に転生かぁ…たまげたなぁ…」

 

「おい!!ホントに大丈夫何だよな!?オマエ!!」

 

 

自身が転生した事実に、頭を打った事以上に驚き、呆けた事で、更に目の前のウマ娘が狼狽えいる事実から断じて逃げ出したくなったわけではない。

 

 


 

Side:○○○○○○○○

 

 

あの日、あの場所へ行ったのは、ほんの気まぐれだった。

 

名ウマ娘を多数排出したシンボリの1人で、将来を期待されていた俺は少しばかり息苦しく感じ、レースに関わらない父方の祖父母宅へ泊まりに行きリフレッシュするつもりだった。

少しボロくなってきているジャージを着て、周辺を走ろうと準備をしていると声をかけられた。

 

 

「スー」

 

「…?どうしたんだじいちゃん?」

 

「気が向いたらでえぇ。

隣の八流さん家の孫息子と遊んでほしいんじゃ」

 

「…意味わかんねぇぞ?じいちゃん」

 

「家の、隣の八流さん家に毎年夏休みと冬休みに泊まる孫息子が居るんじゃが、どうも周りと馴染めんらしい」

 

「…はぁ」

 

「ここに居るだけでえぇし、気が向いたらでえぇ。

1人で寂しそうに遊んどる、あの子と遊んでほしいんじゃ」

 

「…まっ、気が向いたらな」

 

 

そう言って祖父母宅を出て周辺を軽く走る。

何時もの街並みと、全く異なる砂利道。

車位しか通らないからか、車幅の感覚で轍の出来ている、その道は何時もの何倍も楽しかった。

そんな中、川の近くを走っていると見つけた河原にいる同い年くらいのしゃがんでいる子ども。

おそらく、アイツがじいちゃんの言ってた『八流さん家』の孫息子なんだろう。

俺はイタズラを思いつき、ソイツの背中がわに足音を抑えて近づいた。

そろり、そろりと近づいて大きな声で脅かす。

ただそれだけのイタズラだった。

 

ただ、単純にタイミングが悪かった。

 

俺が脅かそうとしたタイミングで、立ち上がりこちらに振り返った。

足を縺れさせ、後ろに転んだアイツ

 

 

ゴッ!!

 

 

鳴っちゃいけない音が聞こえピクリとも動かなくなった。

あまりの出来事に、つい声をかけ揺らして見るものの芳しくなかった。

家や学校で教わっていた筈なのに、やってしまった事で狼狽えていたところで、アイツは起きた。

 

 

「あいててて…」

 

 

あまりに普通に起きたモノだから、揺さぶろうとしたが、頭を打ったばかりでそれは不味いと思い直し掴んだままアイツに話しかける。

すると

 

 

「ウマ娘世界に転生かぁ…たまげたなぁ…」

 

 

とあまりにも、あまりな事を言い出したアイツを心配した()は悪くないと思う

 

 

Side Out

 

 


 

 

どうも目の前のウマ娘から聞いた話だと、俺は立ち上がったタイミングで彼女のイタズラを受けそのまま転んだらしい。

その時、ヤバい音も聞こえたと青ざめて言われたことで、その際に前世を思い出したといった形なのだろう。

 

 

「そう言えば、お前。何て名前だ?」

 

「…っ!!」

 

 

ふと、名前を尋ねたとたん、目の前のウマ娘はまるで知られたくない事を聞かれた様な反応を返した。

 

 

「何だ…お前…」

 

「…っ」

 

「家出ウマ娘か!!」

 

「…はぁ?」

 

「いやぁ、すまないなぁ…

少なくとも、爺さん婆さんから近くにウマ娘がいるって聞いてないし、そんなボロボロのジャージ着てるって事はどっかから家出したって事だろ?」

 

 

彼女はそう言われ、自身が他の人にどう見られているのか気づいた様な反応をした。

 

 

「お…俺は、家出ウマ娘じゃない!」

 

「…?

じゃあ、お前何て名前なんだ?」

 

「…っ…す」

 

「?」

 

「親しい友人や家族からは『スピ』と呼ばれている」

 

「おぉ『スピ』ね…

じゃあ『スピさん』って呼ぶわ」

 

「…!」

 

 

その名前を言うまでに、かなり考えた様子でいたもののソコにツッコミを入れる必要は無いと思い目の前のウマ娘『スピさん』に告げた。

 

 

「とりあえず、家来るか?」

 

「!!」

 

 


 

これが、後のシンボリ家にて『老雄の最速家族紹介RTA事件』と言われた2人の出会いである。

 

 

 





一応連載物で書いてみます。
続くと良いなぁ
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