シンオウの昔日-翡翠英雄奇譚- 作:ヒュペルボレイオス
その日は前代未聞の進捗だったらしく、調査隊の先輩方が「この仕事で終わりが見えなかったのは初めてだ」と笑った。
最初の二時間ほどでおれがありったけのポケモンを捕まえた後は、ベースキャンプの前でマグマラシやギャロップを相手に技を披露させたり、スケッチのモデルになってもらったりと、図鑑完成に必要なタスクを片っ端からこなしていく。
まずは温厚なビッパから。六匹捕まえて横に並べ、オスメスの違いをスケッチする。尻尾の形が違うのだ。
「なあテル、これは二年前……ムラが出来始めた時なんだ。畑作隊の奴らが『あいつらに川の流れを変えられた』っつって頭抱えてたんだが、何か分かるか?」
「え? あー、ビッパはダム作りますからね」
その辺の木の枝を拾い、地面にガリガリと図を描く。
ビッパの巣はポケモン全体で見ても割と独特で、齧り倒した木や枯れ枝、水草や石など様々なものを利用してダムを作り、そこを中心に生活する。このダムというのがかなり大掛かりで、ちょっとした川くらいなら横断して、流れを変えるどころかほぼ堰き止めてしまうまである。
「やっぱこいつらの仕業だったのか……」
「けどビッパ族がダムを作った川は氾濫しないって言われてるんすよ。時間が経てばダムは土砂で埋まりますし」
「ビッパのダムは周辺の環境と比較すると鳥ポケモンを始めとする様々な生き物で賑わう場であると確認されています。そうすると当然フンやその中の植物の種なども多くなりますから……ビッパの巣は豊富な栄養を溜め込んだ“沃土”になりますね」
ラベン博士がおれの図にポケモンや水草を書き加える。ビッパの巣が埋まった場所はかなり肥沃な土地になると言われており、草食系のポケモンたちにとっては楽園だ。
「……あ、だからビッパとポニータが近くにいるのか……」
コリンクと稽古中のギャロップに「かな?」と訊ねると小さく頷かれた。巣跡の肥沃な大地に生える草を食む生活を続ければそりゃあビッパと生息圏が被るのも無理はない。ビーダルが水タイプなのもあってパワーバランスの均衡はある程度取れていそうだ。
「これはポケモン大好き人間の言うことなんですけど……ビッパなりの餞別なんだって考えてもいいんじゃないですか?」
「餞別?」
「はい。おれたちはビッパやビーダルみたいに川をすいすい泳げませんし、木も楽々とは切り倒せません。そんな人間が住処を作って、近くには氾濫するかもしれない川が流れていた……だからビッパたちはちょっとしたおせっかいで、治水工事をしてくれたんだって」
勿論ビッパがそんなことを考えていた証拠なんて無い。単に自分たちの生活のために自分たちの巣を作っただけだ。
けど、人間にとっては川の氾濫を未然に防ぎ、かつしばらくすれば川上には畑作に適した肥沃な土地が出来上がる。
川の流れを変えて畑作を妨害する害獣ではなく、川の氾濫を防ぎ将来の沃度を作り出す良き隣人。
そう捉えた方が、なんていうか──良いと思うのだ。
言ってて照れ臭くなり頬を掻く。
ビッパはのんきな顔をしているがけしてバカではない。むしろ賢いポケモンだ。食べるのが大好きな個体が餌を独り占めしようとして、「敵の襲来」を表す合図を鳴らすことで他のビッパを餌場から追い払った……なんて事例もあるくらい。
「……治水か。確かにそいつは大偉業だな」
先輩方が微笑み合う。恐る恐るビッパの頭を撫で、気持ちよさそうに目を細めた彼らに顔を綻ばせた。
……そうだよな。木を簡単に齧り倒せるくらいの歯を持った五十センチくらいの生き物って、怖いよな。おれにとっては「ビッパ」でも、みんなにとっては「よく分からないもの」なんだ。だから怖がるし、誤解する。
ポケモン図鑑を作るというのは、即ち、人間とポケモンの断絶を解消するということなのだ。
“すべてのポケモンとであえ”
その使命の意味を薄らぼんやりとだけ理解する。
手を取り合うすべを知らず、小さなポケモンにも怯えるしかなく、生まなくていい軋轢を生んでしまう環境を、時代を、変える。
全てのポケモンと出会えとは、そういう意味なのかもしれない。
「あ。」
マグマラシと“ころがる”でぶつかり合っていたビッパの体が突然光に包まれる。ベースキャンプは即座にざわつき、ラベン博士はカメラを構えて身を乗り出す。
茶色の毛皮はそのままに、大きく平たい黒い尾を持ち、体格が立派になったビーダルがそこにいた。
「し……進化、した……」
「ビーダル〜! 頑張ったなあ!」
師のマグマラシにも祝福され、ビーダルは嬉しそうにひと鳴きした。五匹のビッパはリーダー格の登場に興奮した様子でビーダルを取り囲み、何やら鳴き声を交わしている。
「じゃ先輩方! 次ビーダルの図鑑作りましょう!」
「待て待て待て待て待て!」
「テル、まだムックルとコリンクも控えているんですよ!」
「ケムッソとポニータもですよテルくん!」
「日没までに終わるのこれ!?」
「終わらせろ! シマボシ隊長が持ち帰って残業しかねん!」
「ねえこっちのコリンクもなんか光って……うわあああああ!! ねえ! ねえ! これ園生の開墾地にいるオヤブンの!!」
ポケモンの進化とそれに伴う仕事量の増加、と言うか今になって直視した仕事量にベースキャンプは大混乱に陥った。ラベン博士に肩をぽんと叩かれるおれ。
「しばらく捕まえる量はセーブしましょう」
「押忍…………」
多けりゃいいってもんでもない。
*
「皆さんの団員ランク昇格! そしてポケモン図鑑完成への大きな一歩を祝して……乾杯です!」
「カンパーイ!!」
夕刻、イモヅル亭にて。
どうにか閉店時間前に間に合った調査隊は遅めの夕食にありついていた。
「まさか一日でフタツボシに昇級するとは……テルの才覚は素晴らしいですね! 先輩として鼻が高いです!」
「ふふふ、見てくださいテルくん。シマボシ隊長、喜びのイモモチ十人前です」
うず高く積み上がったイモモチが瞬く間にシマボシ隊長の胃へと消えていく光景に「わあ……」と声が漏れた。かくいうおれもムベさんのイモモチの美味さにはすっかり魅了されている。口に含んで即消えるくらいには。
「これだけ活躍すれば、テルにも依頼が舞い込んでくるでしょうね。そうなれば今より大忙しです」
「依頼? ですか」
「ええ、ムラの皆さんは困ったことや分からないことがあるとギンガ団を頼りますからね。かくいうあたしも……今ちょっと、どうしようか迷ってる依頼がひとつ……」
「ショウくんそれはもしかして、ヨネさんからの依頼のことですか?」
「はい、コンゴウ団の」
コンゴウ団──知らない名前に首を傾げると、ラベン博士が軽く説明をしてくれた。
彼らはギンガ団より前からヒスイ地方で暮らしているらしく、ヒスイのポケモンにもギンガ団よりは詳しいとか。ぜひ仲良くしておきたい相手。
「あたしとしてはテルにお任せしようかなと」
「おれ?」
「ポケモンを戦わせる才能が必要と言われまして……」
「あー……」
確かにそれならおれが適任かもしれないが、いいのかな。ショウ先輩ご指名なんじゃないだろうか。
「その辺りの詳しいお話は明日聴きましょう! 今日はふたりともしっかり食べて、しっかり休んでください」
ほらほら、とラベン博士に促され、おれとショウ先輩はイモモチにかぶりつく。
ショウ先輩の何か言い淀む雰囲気は少し気掛かりだけど、明日になれば分かるだろう。
────、──、────────。
なぎさに打ち寄るさざなみのように、どこからかせんりつが聞こえてくる。
うた、こえ、おと、しらべ。
たくさんの祈りをのせて、きたかぜが吹くむこうがわ。
笛と、鈴と、太鼓。
いとしげにおれを仰ぎ見て、あしもとで、だれかがうたっている。
──おこってはいけない。
──かなしんではならない。
──我らの心に陰りあるとき、シンオウさまの御心が曇る。
──すわなち時は乱れ、空は歪み、世界は破れ、運命は綻び、天は離れる。
──我らカミナギの民、シンオウの仔。
──異なる命と出逢いては、新たに何かを生み出すもの。
──故に。
──時空を超えて心をひとつに、あらゆるものを友とせよ──
時代に似つかわしくない電子音で目が覚める。
枕元のアルセウスフォンが何やら光って点滅している。
何だ何だと手にとってみれば、まるで操作を受け付けなかったそれに、マップとカメラ機能が解禁されていた。神か……?
試しに、抱きかかえてたマグマラシにかざしてみる。良い寝顔だ。べりきゅーと。目を瞑っているとやはりヒノアラシの面影がある。普通に写るけどレンズどこ?
「……起きるか……」
深く考えるのはやめよう。道中着と股引の寝間着スタイルから制服に着替える。
囲炉裏の鍋にはブイゼルに貯めてもらったかめの水を入れ、マグマラシに火を灯してもらう。ありがとうポケモン。ありがとうおれの相棒。
桶に張った水で、昨日行商に来たイチョウ商会の人から買ったケムリイモところころマメを洗う。ナイフでイモの皮を剥き、乱切りにして鍋に放り込む。マメも同じように実を入れ、筋を取ったらさやも入れる。この際食えるものは何でも入れる。
被るくらいの水でぐつぐつと煮込み、時々
「いただきまーす」
「テル! 今よろしいですか!」
「
戸が開けられると、声の主であるショウ先輩が立っていた。さては遅刻か? おれが。と身構えたが「朝早くからすみません。お食事中でしたか」と切り出されたので、おれが遅いのではなくショウ先輩が早いらしい。
先輩は囲炉裏の前まで来ると、おれに目線を合わせて真剣な眼差しで見つめてきた。
「その……お願いがあります」
「……一緒に食べますか?」
「そうではなく。本部に顔を見せたのち、調査の前に訓練場に来てくれないでしょうか」
訓練場はここから北にある、警備隊の人たちがポケモンと自分を鍛える施設だ。ポケモンの牙や爪には刀でも太刀打ちできないらしく、警備隊員が鍛えるのは主に逃げるための神経と足腰と聞く。
「勿論いいですけど……」
「ありがとうございます。あたしも準備がありますので急いで食べる必要はありません。よく噛んで召し上がってください」
「りょ、了解です」
では、と一礼してショウ先輩は去っていった。蕎麦を啜る音とマグマラシの不思議そうな声が宿舎に響く。
とりあえず……味噌、欲しいな……。
*
訓練場で深呼吸を繰り返す内に、テルが階段を登ってやってきた。
おはようございます、と人懐っこく笑うかんばせに疲労の色は無く、昨日の疲れは引きずっていないようだ。
「単刀直入に言いますね。……あたしに、戦い方を教えてください!」
「……はい?」
戸惑うテルに、あたしはいちから説明した。
自分の相棒のこと。
コリンクに襲われた時、まともに戦えなかったこと。
以来、相棒──ピカチュウはあたしが嫌いになったのか、言うことを聞いてくれなくなったこと。
「でも、昨日のあなたを見て……あたしも頑張らないとって思ったんです。だから、ポケモンへの指示の出し方や戦わせ方……ううん、ポケモンと一緒に戦う方法を、教えてください!」
先輩後輩の垣根を一旦横に置いて頭を下げる。「頭を上げてください!?」と慌てた声が降ってきたのでゆっくりとそうすれば、テルは顎に手を当てて何やら考え込んでいた。
「じゃあ一旦……戦ってみますか」
「はい、よろしくおねがいします!」
ボールからピカチュウを出し、テルがブイゼルを繰り出す。ヒノアラシ……じゃなくて、マグマラシでもギャロップでもない。あれと戦う覚悟をしていたあたしは若干拍子抜けした。
テルの見様見真似で、さっきまで何度も練習していた指示を飛ばす。
「ピカチュウ、“でんき……っ……。“でんこうせっか”!」
その指示に、他ならぬあたしが失望した。ピカチュウがエレキを出す技を得意としてるのは分かってる。でも言えない。どんなに勢いを乗せても口をつぐんでしまう。
そして、ピカチュウは案の定あたしの言葉を無視して静かにブイゼルを睨め付けている。
「…………」
「ピカチュウ! “でんこうせっか”です、“でんこうせっか”!」
テルにじっと様子を見つめられるのが恥ずかしく、あたしは繰り返し命令する。でもピカチュウは頬からバチバチとエレキを迸らせるだけで、技を出してくれる気配は無い。
「……。ん、じゃあ“アクアジェット”」
二又の尾を回転させ、水を纏ったブイゼルがピカチュウを目掛けて突進する。
水だ。水を纏ったんだから、今度こそ“でんきショック”で──
「“で……んこうせっか”!」
すんでのところでピカチュウが“アクアジェット”を躱し、水を含んだ土が周囲に跳ね上がる。水の鎧を解いたブイゼルの一瞬の隙きを突いて接近したピカチュウが、弱めのエレキを流し込んだのがかろうじて見えた。
「お、“でんじは”かぁ」
体の痺れにブイゼルの動きががくんと鈍る。
畳み掛けるなら今だってことはあたしにも分かった。
「ピカチュウ、えっと……」
「ショウ先輩ちょっといいですか!」
「はい!」
「絶対にそこから動かないでくださいね!」
「はい! ──はい?」
理由を訊く前にテルがブイゼルに指示を出した。それはあたしが見たことも聞いたこと無い不思議な音で、どういう意味だったのかは分からなかったが──
尾を振り抜いたブイゼルと、あたしの目が合った。
「え」
それは調査中に感じる殺気に近いもの。ポケモンの攻撃の標的になった時の悪寒。ブイゼルから放たれた白刃が、真っ直ぐあたしに向かって──
ヂャア!! と怒鳴り声をあげて、相棒が白刃とあたしの間に割って入った。
「ピカチュウ!?」
白刃は空気で作られたものだったらしく、直撃したピカチュウを跳ね飛ばして霧散する。
それより今、この子があたしを庇った? というか、テルがあたしに攻撃した?
この子が庇ってくれなかったら、あたし今どうなって──
「タイム、ターイム。大体分かりました」
テルが右手を垂直に立て、その上に水平に左手を乗せる。ブイゼルの臨戦態勢が解かれ、ピカチュウに軽く手を振った。
「テル! 今のはどういうことですか! 場合によっては厳重な処罰をですね!」
「スミマセン違うんです謀反とかじゃなくて! ピカチュウが庇わなかったらそこのマグマラシが庇ってたんで!」
「え? え?」
振り返ると、いつの間にかあたしの後ろにはテルのマグマラシが控えていた。ピカチュウも今気付いたらしく、驚きの声をあげている。
「えっと……ですね。ショウ先輩の話で気になった点があって。言うことを聞かなくなったのは、先輩がコリンクに襲われてからの話なんですよね」
「は、はい」
「言うことを聞かないってのにも種類がありまして。戦闘中にそっぽを向いたり怠けたり、トレーナー……主人を全く尊重していないケース。これはポケモンが人間を主人とも仲間とも認めていない例です。戦闘しよう、一緒に戦おうって意欲が無い。でもピカチュウは違いました。戦闘の意欲はあったんです。ただ、先輩の指示を聴かないだけで」
その“ただ”の部分が問題なんですが……。と考えたあたしはふと立ち止まる。もしピカチュウが戦闘中に怠けているなら、あたしを相棒とは認めていない──でも、ピカチュウは怠けてはいない。
「“でんこうせっか”は出さなかったけど“でんじは”は出した。“先輩の傍から離れる技”は出さなかったけど、“敵の動きを封じる技”は出した。……先輩の身を守る布石になる技は、出したんです」
「それ、って……」
「はい。言うことを聞かないもうひとつのケースが、こっち。ピカチュウは先輩が嫌いになったんじゃないです。先輩が二度と傷付けられないように、傍を離れなくなっただけ。自分がしっかりしなきゃ、自分の判断だけでこの子を守らなきゃって、背負い込んでるんですよ」
なー、としゃがみ込むテルをピカチュウが威嚇する。あたしはその言葉に、後頭部を殴られたような衝撃を受けて固まった。
コリンクに襲われて、思考を停止させ、ただ怯えて逃げ惑うしかなかったあたしを、この子はボールの中でどんな思いで見ていたんだろう。
戦う力も無いのに、相棒であるピカチュウも頼れなかったあたしを、そのまま寝込んだあたしを、どんな思いでボールの中から見ていたんだろう。
この子にとってあたしは、共に戦う相棒ではなく、自分が守らないといけない弱い生き物なんだ。
「どう、して……?」
「先輩?」
「どうして、この子は……あたしの元から、離れないんですか……?」
見限っていいだろう。
爪も牙も無い、技にも耐えられない、こんなに小さな身を挺して庇わないといけないあたしなんて見放して、原野にかえった方が手間が無い。自分の身だけを自分で守り、番いを見つけ、命を繋いで……野生として生きていく方が、ずっと楽なはずだ。
「そりゃ、ショウ先輩のことが好きだからでしょ」
朗らかに笑って、テルがピカチュウの頭を撫でた。当たり前だよねって、当然みたいに。
野生として、ピカチュウとして生きていく方が楽なのに。この子はあたしの傍であたしと一緒に生きることを選んでいる。あたしがどんなに駄目な姿を見せても、けして見限らずに。
「先輩。ピカチュウと一緒に戦うには、先輩がピカチュウに『大丈夫だよ』って伝えるしかないです。時間は掛かるかもしれませんが……調査中にちゃんとピカチュウを頼るとこから始めましょう」
「え……頼るんですか? ピカチュウを」
「頼ります。いいすか、今のピカチュウにとってショウ先輩は赤ちゃんです。自分を頼るっていう判断ができないから、自分が常に目を配っていなきゃいけない赤ちゃんなんです」
「赤ちゃっ…………」
「なんで、私はちゃんと適切なタイミング……適切な状況下であなたを頼りにできますよーって示すとこからです」
そうだぞ、とでも言いたげにピカチュウがあたしをじとりと見上げる。
……そっか。あたし、ずっと心配されていたんだ。
嫌われていたんじゃなくて、手の掛かる子だと思われていたんだ。
そんなの、お母さんにも言われたこと無かったのに。
「……分かりました。あたし、ピカチュウに大人として認められるよう頑張ります!」
「うす、頑張りましょう。あと……“ソニックブーム”向けて本当にすみませんでした……!」
「ふふ、それはもう結構です。でも他の人にやってはいけませんよ」
「ハイッ!!」
互いにポケモンをボールに戻し、あたしは両の頬をぺちっと叩く。
思っていたよりも、あたしたちの開始地点は後ろだったけど。
「それではテル、今日もお仕事頑張りましょう!」
そこがどこなのかも分からなかった状況と比べたら、天と地の差があったのだ。
「あれ。先輩おれに『回避の極意は叩き込まれています』って……」
「正面からかつ一体だけならとも言いましたから嘘ではありません。嘘ではありません」
「さいですか……」
ブイゼル(♂)
おとなしい性格でとても几帳面。かめの水も毎日入れ替えないと気がすまない。テル宅の水資源担当。“ソニックブーム”はDPtならLv1から覚えている初期技だが、LAには存在しないのでテルから教わった。
ピカチュウ(♂)
意地っ張りな性格でちょっと怒りっぽい。心を鬼にしてショウを守っていたのに全部見破られてご機嫌斜め。本当はコリンクと同じ電気タイプで“でんきショック”を使う自分こそ嫌われたかもしれないと思っていたのは内緒。