とある所にいた一人の男のお話

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伏線等、仕掛けがそこそこあるので何度も読み直す事を推奨します


第1話

"いつか"そんな言葉を使った事があるだろうか

 

"いつか"そんな言葉を使った事があるだろう

 

"いつか"そんな言葉はどう使うのだろうか

 

"いつか"そんな言葉はこう使うのだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、いつもの様に朝の準備をするある日。何も変哲の無いただの日常。人間が息を吸うように、水を飲むように、あまりにも自然な日常。

 

"少なくとも"僕はそう思っていた。

  

 

 

現時刻は7時、いつも6時半に起き7時半に家を出る。つまり今の時刻は中間と言った所だ。

「さて今日は…」

 

と呟いた所で赤いお気に入りの携帯を開く。上からメールが来ていた。どうやら仕事内容に変更があるようだ…まあ特に変わっていない、僕はこの道のプロを自称している。どうとでもなるだろう。

 

乾いたスーツに袖を通し鞄を持ち家を出る、ポケットにあった鍵で鍵を閉めそのまま植木に投げ入れる。

 

そのまま錆び付いた13段の階段を降りる、ここは二階であるため直ぐにコンクリの心地良い音が聞こえる。しかし古いな、このアパートは…

 

アパートの敷地を出てアスファルトを踏みしめる、周りを見渡すと閑静な住宅街が目に広がる。

正面には僕の身長より高い石造りの塀があり、庭に松が植えられている古い家があり、10メートル先を見ると多少新しめの家が整列している。

 

家はそこそこあるが新築の家はないようだ、それもそのはず。ここは結構田舎だ、別に観光地がある訳でも無かったはず。かと言って住みやすい訳でも無い、まあ好きで引っ越す人はいないだろうな。

 

出勤時間だと言うのに人が全くいない。いや、出勤時間だと言ってもここは田舎、早くに出ないと間に合わないのだろう。その証拠に新しめの家のガレージに車が無い。今、この街にいるのは古い家に住む住人だけだろう。

 

と、そんな風景に浸っている場合では無い。右、左と見渡し山を見つける。確かあの辺りだったはずだ。

 

その時、携帯が鳴った。サッと取り出し直ぐに出る。内容は僕がやり忘れていた仕事についてだ、上から少し怒られ「またいつか会おう」と言われ電話が落ちる。そして再度歩き始める。

 

少し歩くと住宅街を抜け田畑に出る。シーズンでは無いのだろう。田には何も植えられていない。畑には何か植えられている、、、あれは何だろうか。キャベツ…か?よく分からない。材料はあるため買えるなら買いたい所だ…

 

ただ、生憎周りに店は無さそうだ。畑の近くということもあって直売所の一つはあっていいと思うのだが…無いようだな……

 

更に歩き、後ろを振り返る。住宅街はかなり離れてしまった。辺りは一面田だ、前に向き直す。眼の前には緑緑しい山が聳え立っていた。

 

田舎の山だと侮ることなかれ、まだ距離はあるがかなり大きそうだ。手前に比較的低い山がありその奥に主の様に白い峰が佇んでいた。道から少し逸れた所に古びた赤い鳥居が見え、道の先に登山道が見える。

 

僕は道から逸れ、階段を9段登り、鳥居を潜った。

 

鳥居を潜ると多少ボロい神社があった。ボロいと言いつつ神社として最低限の体裁は保っている様だ。賽銭箱、多少の境内、流石に社務所などは無いようだが一応参拝自体は出来そうだ。

 

階段は無かったためそのまま近づき鞄から取り出し投げ入れる。カツン、と乾いた音が鳴る。適当に礼をし神社の裏へと進む。

 

4段の階段を登りさらに奥へと進んで行く。

 

「この辺りで良いか…」

 

そう呟き鞄を開く、そこには、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バラバラに成った死体があった。

 

鞄に入れていた取っ手が赤く滲んだスコップを取り出し穴を掘る、前日の雨が響いたのだろうか。とても掘りやすい。好都合だ。

 

そこそこの大きさの穴を掘り、スコップを置く。出来た穴の大きさは人がギリギリ入れない程だ。多少深いが僕が入ると胸辺りからはみ出すだろう。

 

そのまま鞄からバラした死体を取る。幸運な事に今日は冬の中でも寒い日だ、殆ど腐敗はしていないようだ。夏ならば、熊にでも食わせたのだが…

 

そんな事を考えながら骨付き肉を取り出しては放り投げていく。残念ながら骨と肉が同じ断面な為見慣れた骨付き肉では無い。少し霜付いた青白い肉を見ては放り投げる。

 

そろそろ全てが穴に収まりそうなその時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視界が暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますとそこは取り調べ室だった。

 

ズキズキと頭が痛む、どうやら待ち伏せされていた様だ。小さく舌打ちをして対面の男を見据える。どうせ、この先の運命は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─"いつか"死ぬだけの物語だろう─

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─???─

「、、、」

テレビを消しリモコンをそっと置く。

「終身刑……か……」

「長くなるな、"いつか"は」

そう言ってリモコンの側にあったグラスを飲み干し、ニヤッと笑って言う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"いつか"そんな言葉を使った事があるだろう」

「"いつか"そんな言葉はこう使うのだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"いつか"そんな言葉は別れ際に使うのだ」

                   

                   〜完〜




散りばめた伏線、気付いたでしょうか、ストックがあるので尽きるまでは毎日消費しようかなと思います。尽きた後は超不定期投稿です

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