シャルリア宮の第一夫君 作:倉庫から出す
四十六番GR。偽の麦わらの一味の集合場所となっており、賞金額が一億を超える猛者達の顔もいくつか見られる。
俺とルフィは
「このおれをコケにした犯人達のうち二人が見つかった! 一人はこの髭面の男。もう一人はあの頂上決戦で話題になった海賊女帝――ボア・ハンコックだ!! 今は男の格好をしてやがるが、おれはマリンフォードでコイツと戦ったこともあるから間違いねェ!」
ボア・ハンコックと耳にした海賊達が、急に喉の渇きを自覚したようにゴクッと喉を鳴らす。
隣に立っているルフィは未だにこの状況を理解していないようで、キョロキョロと周りを見渡している。
……もうこの男に何かを期待するのはやめよう。
俺とルフィを見せしめにすると叫んでいる偽ルフィに視線を向ける。
「お前もバカなんだな。部下達から俺の忠告を聞かなかったのか?」
「……バカ!? 誰に口をきいてやがる!」
「――――シャロム」
俺の背後からシャロムがにゅうっと姿を現す。
巨大なヘビが作り出す影の下に置かれた偽ルフィは、唖然とした表情のまま固まっている。
「好きに暴れていい。いい加減運動不足になりそうだったろ?」
俺の言葉を受けたシャロムがその長い尾を大きく振り上げた。その尻尾が再び地面に降ろされた瞬間、地震のように大地が揺れる。
なんとかシャロムに踏み潰されずに済んだ海賊達が叫びながら逃げ出していく。
「あのヘビ……配信で見た時よりデカくねェか……!?」
自ら配信で見たことをバラした偽ルフィだったが、それどころじゃない状況だからか誰も気に留めていない様子だった。
「ルフィの大頭ァ!! さっさとそこの二人を処刑しちまおうぜェ〜!!」
「待てカリブー! まずはこのイカれたヘビをどうにかし……ギャアアアッ!!」
シャロムに足からパクッと食われた偽ルフィの悲鳴がどんどん小さくなっていく。
「え」
誰かのそんな呆気にとられたような声がする。
偽ルフィの体は残るところ頭だけとなった時、拡声器越しの声がGR内に響き渡った。
「そこまでだ海賊共ォ!! 麦わらのルフィ及びその子分共…………麦わらのルフィ?」
いつの間にかこのエリアを包囲していた海兵達が、ヘビに丸呑みにされる寸前で顔しか表に出ていない偽ルフィを見て固まる。
「貴方は……シャルリア宮の第一夫君では!?」
「…………海兵が来たか。シャロム、悪いがソイツは外に出しておけ」
シャロムが嫌だと言うようにブンブンと頭を横に振る。シャロムの動きに合わせて偽ルフィも振り回され、完全に目を回してしまっていた。
「雑魚だから期待はできなさそうだが、賞金額と同じだけ美味いエサを買ってやる」
あっさり開いたシャロムの口から唾液まみれの偽ルフィが吐き出される。
遅れてやって来た、例のくまをベースとした兵器――パシフィスタが気絶している偽ルフィをスキャンする。
「ピピッ…………懸賞金二千六百万ベリー……海賊『三枚舌のデマロ・ブラック』」
聖地で日常的にいいエサを与えられているシャロムは、たったの二千万と聞いてもう一度偽ルフィを丸呑みにしようとしていた。
「ダメだと言っただろ。シャロム、今度こそ聖地へ戻ろう」
なんだろう。俺のこの発言がフラグになっている気がしてきた。
「本物の麦わらも確実にここにいる……!! そいつを狙え!!」
パシフィスタの指揮官と思われる黒髪を真っ直ぐに切り揃えた男が叫ぶ。
パシフィスタはその目を俺に向け、パカッと開いた口からビームを発射しようとする。
「…………チッ」
俺の隣、パシフィスタからすれば後ろにいるルフィを狙ってるんだろう。
俺の足場となるべく体を低くさせたシャロムの上を駆ける。
あっという間にパシフィスタの眼前に飛び出し、その頭を掴んだまま右足を振り上げた。
「パシフィスタが定めていた照準が……ッ!?」
俺の蹴りで全くの別方向を向かされたパシフィスタが、放とうとしていたビームを見当違いな場所に飛ばす。加減をミスったようで、パシフィスタの頭からは微かな煙が出ていた。
「何のつもりだ! その容姿に、特徴的な足捌き! あの海賊女帝の実弟だとかいう天竜人の夫君が、なぜ麦わらを庇う……!?」
天竜人の夫である俺を攻撃するわけにいかないパシフィスタが攻撃行動を停止する。
掴んでいた頭を離して地面に着地する。
「それはこちらのセリフだ。俺のヘビを傷つけるつもりか? そこの兵器が出すビームは広範囲に被害を出すだろう」
「なら麦わらのルフィに尻尾を巻き付けてるそこのヘビを、邪魔にならないところに移動させておけ!」
俺が天竜人の夫だと知りながらこの態度。この男、本当に海兵か?
周りの部下達はそうではないようで「戦桃丸さん、あの方は聖地より『シャルリア宮の半身として扱うように』と異例の指示が降りてきた夫君ですよ。さすがに無礼すぎます!」などと騒いでいた。
「それが何だ!? 麦わらのルフィとその一味を捕らえるのがわいの任務!!」
なかなかに変わった海兵だな。聖地に近いシャボンディ諸島に派遣される海兵でこのタイプは珍しい。
……こちらの立場を危うくさせてまでやる必要もないか。ルフィに多少の傷がついたところで俺のせいじゃない。
「シャロム」
シャロムがルフィを包んでいた尻尾を緩める。
「おっ。なんだ、離してくれるのか」
「無理やり出てもらっても良かったのに。あのまま締め殺されるとは思わなかったのか?」
「うん? 変な格好とヘビから敵意は感じなかったぞ」
「…………本当に、よく分からない男だな」
掴みどころがなく、何を考えているのか分からない。そもそも何も考えていないのではないかと思いきや、こういう時の勘は働いているようだ。
「それにこのヘビ、ハンコックのところのだろ? おれがコイツの食べてた肉を貰おうとしたら噛みつこうとしてきた……」
「シャロム。俺が悪かった、この男のことは好きなだけ噛んでいい」
「うわっ!? なにすんだ!」
シャロムに牙を向けられたルフィはあっという間に尻尾から抜け出していた。
ヘビが食べてる物を横取りしようとするとは……。それは噛まれても仕方ない。
何となくこの男が気に入らないってだけで噛んだと勘違いしてたのが申し訳ないな。
「麦わらが出てきたぞ!」
戦桃丸と呼ばれていた男が再びパシフィスタに指示を飛ばす。
パシフィスタの手のひらに光が集まる。今度は口ではなく手からビームを出すつもりのようだ。…………いいなあ、かっこいいなあ。
ルフィは手から放たれたビームを最低限の動きだけで避ける。
突然スイッチが切り替わったかのように、そこに先ほどまでの間抜けな男の姿はない。
「――――ギア
まるで腕に蒸気を纏っているみたいだった。
パシフィスタが今度は口に光を集めている間、すでにルフィは頭上に移動していた。
「ゴムゴムの…………
蒸気と共に強力な覇気を纏った拳がパシフィスタに命中する。
「パシフィスタを……たったの一撃で!?」
それ以上の言葉が出ない海兵達のことなど気にも留めず、ルフィは地面に置いていた巨大なリュックを背負い直す。
二年前、覇気を使っていなかった時点で底の見えない相手ではあったが……まさかここまでの成長を遂げているとは。
それにこの肌がピリつく嫌な感じ。恐らくこの男もレイさんと同じ、覇王色の使い手だ。
アマゾン・リリーでは強い者が何よりも美しいとされている。
……姉様だけでなく俺も、出会った時からこの男に惹かれていた理由が分かった気がする。
麦わらのルフィは、王になり得る器だ。
「おい、変な格好!」
「いい加減その呼び方は…………何だこの腕は」
「逃げるぞー!!」
「……だから!! 俺は天竜人の夫だって言ってるだろうが! 海兵じゃなくて
ぐるぐると腰に巻きついてきた腕に嫌な予感がしていたら、そのままルフィの元へ引き寄せられてしまった。
「麦わらのルフィがシャルリア宮の第一夫君を人質にして逃走中! 応援求む!!」
「麦わら!! 今すぐ天竜人の夫君を解放しろー!!」
…………マジで何なんだこの男。どうすんだよこれ。
全てを諦めて俵のように運ばれていたら、前方から二つの影が走ってくるのが見えた。
「ルフィ〜!! そっちがやけに騒がしいと思ったらやっぱりお前か!!」
今度こそ本物の海賊狩りのゾロと黒足のサンジだ。
真っ先にサンジとバチッと目が合った。
「てめェはあん時の!?」
「…………デュバルのパクリ野郎」
「誰がデュバルのパクリだァ!! 三枚にオロすぞエセ天竜人!!」
確かに俺はエセ天竜人だけどコイツに言われるのはなんかムカつく。事実陳列罪でシャロムのエサにしても許されるだろ。
先ほどルフィが再起不能にしたのとは別のパシフィスタがサンジとゾロの前に立ちはだかる。
贅沢にも両手からビームを放とうとしたパシフィスタを、二人は一撃ずつの攻撃であっさり倒してしまった。
…………マズい。コイツらが無駄に強いせいで天竜人の夫拉致事件が現実のものになりつつある。
「おいデュバルのパクリ野郎。お前のところの船長を説得し、」
「だーかーらー!! 誰がデュバルのパクリ野郎だバカが!!」
「今はそんなことどうでもいいだろ! この男に俺を解放するよう説得しろって言ってんだバカ!!」
「聞いたことがある。争いは同じレベルの相手との間にしか発生しないとか」
「「てめェは黙ってろ、バカ剣士(野郎)!!」」
「ああ゛!?」
俺達三人の本気の怒鳴り合いを、ルフィは「にしし! お前ら仲良いな〜!」で済ませていた。
「あ…………レイリー!!」
ルフィの明るい声で呼ばれた名前に体が強張る。
ヤルキマン・マングローブの分厚い幹の上に腰掛けていたその人は、ルフィとルフィの腕に拘束されながら運ばれている俺を見て目を細めた。
「気になって一応様子を見に来たが、何の問題もなかったようだな。最後に会った時よりも力が洗練されている。――――それにラース君」
ルフィを賞賛する言葉を口にしたレイさんが、必死にルフィの背中に身を隠そうとしていた俺の名を呼ぶ。
「……なんスか? 俺の無様な姿を笑いに来たんスか?」
「ククク……いいや。無事にハンコックに会ったようだな。全て聞いたよ。……しかしその様子を見るに、君は人間オークションで会った時から何も変わっていないようだ」
ギリギリ俺達にだけ聞こえる声量で言ったレイさんが、その場で立ち上がる。
「俺が姉達に会えば下界で暮らしたくなるとでも?」
「そこまでは考えていなかった。……だが、いや……すでにあらゆる覚悟を決めているであろう君にこれ以上は無粋だったな。だがこれだけは伝えておきたい」
レイさんが俺に対して軽く目を伏せるようにして感謝の意を示す。
「あの会社のコーティング道具を再び作ってくれたこと、感謝している。おかげで久しぶりにいいコーティングが出来た」
「……レイさんのために作ったわけじゃないス。別件で作らせたものの一部をシャボンディにも流しているだけなので」
二年前に見つけた、腕がいいのに商売っ気がない男を花屋の専属アクセサリー職人にするのにアレが必要だっただけだ。
レイさんは俺の胸の奥底にある感情などお見通しだとでもいうように、穏やかな笑みを浮かべるだけだった。
そして再びルフィに目を向ける。
「――では、早く行きなさい。君達を待つ仲間のところへ」
「うん! レイリー、二年間本当にありがとう!!」
「レイさん。無粋とかどうでもいいスから、貴方からも俺を解放するよう説得してくれません?」
「レイリー……おれはやるぞ!! 海賊王に!! おれはなるっ!!」
「……お前本当に俺の声聞こえてないのか!? 何このタイミングで宣言してんだよ!!」
いくらその強さに目が眩んだからって、こんな男に惹かれた自分が恥ずかしい!
たったの数年間しか滞在しなかったのに、芯までアマゾン・リリーの人間なのだと思い知らされるのも嫌だ!!
この場にいる海兵達をレイさんに任せ、ルフィ達は再び船に向かって走り出す。
「あった。食材の買い出し途中だったからな。シャボンに入れて柵に引っ掛けてたんだよ」
一瞬道を逸れたサンジが、樽や木箱が入ったシャボンから伸びる複数の紐を掴んで戻ってくる。
「いたぞ!! 麦わらの一味と、人質のシャルリア宮の第一夫君を確認!!」
「やべェ! 回り込まれた!」
四十六番にいたのとは別の小隊だろう。海兵達が前方に並んで一斉に銃を構える。
海兵達に対処する為か、ルフィが一時的に俺の拘束を解く。……しめた!!
俺達の後をついて来ていたシャロムの名を呼ぼうとした瞬間、胸の辺りから何かが生えてきた。
「なっ…………ゴースト!?」
半透明のナニカが俺の体を
反射的にその場に両膝をついて項垂れる。
「顔しか取り柄がなくて…………すみません」
「ネガティブになってもいちいちムカつくんだよてめェは!!」
「もしも生まれ変われるなら…………聖地産の犬になりたい……!」
「あの麗しい天竜人に飼われる気だろ! ネガティブのくせに厚かましいんだよ!!」
頭を支配していたマイナス思考の渦から抜け出し、ハッと顔を上げる。……何だ今のは。
気がつけば俺は再びルフィに拘束されていて、ゴースト達を従える謎の女が増えていた。
「まだここでぐずぐずしてたのか!? とにかく急いで出航しろ、島のそばに軍艦が来ていたぞ!!」
「そうは言ってもこの海兵の数はキリねェぞ。……ずっと気になってたんだが、ルフィ。なんでそこの男をずっと連れてんだ?」
「なんでって、お前らが用があるって。……あ、アレ偽者だった」
「本当に……全部今更だな……!!」
やっとか。やっとなのか。やっと分かってくれたのか!
解放の予感に胸を撫で下ろしていたら、サンジとゾロが何やら不穏な目で俺を見ていた。
「……おい。『おれ達』『船』『海兵』『軍艦』『人質』……分かるか?」
「……ああ。『やっぱり』『後で』『お前』『斬る』」
二人にしか伝わらないであろう単語で意思疎通をとった後、サンジが「おいルフィ。そのままソイツ捕まえとけ」と指示を飛ばす。
「よく分かんねェけど分かった」
「……はっ!?」
「さっきから海兵達が全然撃ってこねェ。ソイツがちゃんと人質の役目を果たしてるってことだ」
すっかり忘れてたけどコイツら海賊だった。……物凄く悪い顔してるな。とくにサンジ。
「エセ天竜人を盾にして船まで走れ!」
「なっ……!! 本部!! 麦わらの一味が天竜人の夫君を盾に逃走しています! 我々はどうやって一味を拘束すれば!?」
これだけ海兵がいて、何で一人も能力者や飛び道具以外を扱う実力者がいないんだ。本部が新世界側に移動したからって、あの麦わらの一味が集まってるってのに海軍はそんなに人手不足なのか……?
この様子じゃ軍艦にも大した人物は乗ってなさそうだな。
「お〜い! ルフィ、ゾロ、サンジ〜!! 遅いから迎えに…………あの時の天竜人みたいなヤツ!?」
「うおおおお!! なんだチョッパー!! そのデッケェ鳥!! もしかしておれ達も乗れんのかァ!?」
次から次へと……。人間オークションの時もそうだったが、何でコイツらと同じ島にいるってだけでこうも次々に事が起こるんだ?
麦わらの一味のペットとされているチョッパーとかいうタヌキが、巨大な鳥の背に乗った状態で姿を見せた。
そういえばタヌキじゃなかったような……まあ何でもいいか。見た目がタヌキなのは変わってないし。
「とにかくみんなこっちに……ん? 『やっと見つけた』って何が……うわああっ!?」
突然チョッパーが乗っていた鳥がこちらに狙いを定め、勢いよく突っ込んできた。
「うわ!」
間一髪で避けたルフィが少し浮かんだ麦わら帽子を手で押さえながら「なんだなんだ!?」と声を上げる。
「待ってくれよ! あそこにいるのはおれの仲間達で……ええっと……『以前奥さんを誑かして宝を横取りしたヤツがいる』って?」
巨大な鳥の目は明らかにルフィを映していた。というよりは、ルフィに拘束されている俺を。
この場にいる全員の視線が俺に向いた。
「…………お前もしかして、巣に大量の宝飾品を溜め込んでたあの時の鳥か?」
思い出した。俺がやっとの思いで作り上げた小舟でルスカイナを出て、次に辿り着いた国にいた鳥だ。
あの国には毒にも薬にもなる危険な植物がたくさん生えていた。食えそうなものはとりあえず口にしてみる人間だったから、あそこで三回は死にかけたっけ。
「なになに……『おれの奥さんは今でもお前のことが忘れられないと言ってる!』」
「鳥頭って言葉があるわりに記憶力いいんだな」
「いやちょっとまて。まさかお前……巣にあった鳥達の宝を盗んだ挙句、それを住民達に売りつけなかったか!?」
「そりゃあ目の前に宝があったら貰うし誰かに売りつけるだろ。そういやあの頭の悪そうな部族、ここでは宝石には価値がないとか言うから、無理やり……いや交渉して食料と交換させた気がするな」
俺の返答を聞いたチョッパーが頭を抱え始めた。
「だからか……!! いいか、お前がそんなことをしたから、あいつらずっと鳥達に宝を奪った犯人だと勘違いされてたんだぞ! おれがどれだけ誤解を解くのに苦労したか……!」
悲しげに見えるように眉を下げ、瞳をうるうると潤ませる。
「そんな……。あの鳥に持っていっていいか尋ねたら、むしろ喜んで差し出してくれたのに……。俺にはあの可憐な鳥の好意を無碍にするなんてとても……」
「そうやって意図的に誑かしたんだろ!!」
鬼のような形相で怒られた。やっぱり小動物相手だと俺のしおらしい態度は全く効果がないな。それにコイツ、オスっぽいし。
……効かないといえば、前に一度だけシャルリア相手にも意識してやったことがあったけど全く効果を感じられなかった。
そう、人間オークションで過去の女について問いただされた時だ。これまでに関わってきた女達だったら「貴方が聞かれたくないことなら聞かないでおくわね……♡ 信じてるから♡」とでも言ってくれたはずなのに。
それとも多少は効いた上であの反応だったんだろうか。
「鳥、あの時は悪かったな。俺も生きるのに必死だったんだ。……ところで、巣にはまだ大量の宝が残ってるのか?」
「やめろォ!?」
いつか役に立つかもしれないと念の為聞いてみたら、チョッパーに全力で止められた。
「とにかくみんな乗ってくれ! 今回は特別に宝泥棒も乗せてくれるみたいだ」
「俺は乗りたくないんだが……ほら、そこの俺のヘビはサイズ的にも乗れないだろう? それに空に逃げるなら人質は必要ないと思う」
「ヘビのことは足で掴んで運んでくれるって」
「クソ鳥が余計なことしやがって」
俺は相変わらずルフィの腕に巻き付かれたまま、シャロムは体を鳥に鷲掴みにされた状態で、麦わらの一味の船があるという四十二番GRへ連行された。