1999年7月某日、ノストラダムスの大予言が外れ、ある人は安心し、ある人は落胆していた時だった。北太平洋沖を航行していた海上保安庁の巡視船が原因不明の沈没をした。
それからというもの、漁船や観光船の不自然な損傷や沈没が相次いだ。これを不審に思った防衛省と海上自衛隊は、ある一つの漁船に護衛のヘリと護衛艦を手配し、被害の原因を突き止めようとした。最初は誰もが、海を漂流しているゴミや瓦礫のせいだろうと思った。
しかし違っていた。被害の原因の正体、それは
水上に浮かぶ、人や魚のような形をした生物
だったのである。誰が呼んだか「深海棲艦」―。その名は瞬く間に世間に浸透し、1999年の新語流行語大賞のベスト5にまで食い込んだほどである。ちょうどその頃、世界中の海にも深海棲艦が出現し始めていた。
世界の国々のほとんどは、深海棲艦殲滅のために既存の軍艦や航空機を出撃させた。…一部の国を除いて。
その一部の国というのが日本である。彼らは深海棲艦に対抗するため、「艦娘」と呼ばれる人型兵器を創り、海上自衛隊こと現日本海軍で運用し始めた。彼女たちにはかつての旧日本海軍や陸軍で使用されていた軍艦の名前と艤装が与えられ、深海棲艦を殲滅していった。
深海棲艦を殲滅していくその勇猛果敢ともいえる姿は日本国内外から賞賛の声が上がった一方、中には彼女たちを不気味がる人、彼女たちや深海棲艦に陰謀論を唱える人を現れた。深海棲艦も艦娘も、海上自衛隊を日本海軍へでっち上げるためにつくったものなのではないか、と。
日本海軍はこれらの意見を全て無視した。何せ完全な機密事項であるため、下手に話すことが出来ないのである。これにより、一部の人間による陰謀論がさらに加速してしまった。
そんな中、日本海軍は新しく人間による航空団を設立した。
その名は特殊戦術偵察航空団。英語にしたときの頭文字を取り、SFR航空団とも略されるこの航空団は10の鎮守府に駐屯している。そんな彼らの任務は、戦闘機を操縦し艦娘の戦闘の様子を偵察すること。艦娘からの援護要請が入れば、深海棲艦に対して対艦ミサイルを発射することもある。
そして、この部隊に所属しているのは日本人だけではない。海外から派遣された正規兵や傭兵もである。
SFR航空団に所属している戦闘機は零式戦術偵察ポッド―通称「オウルアイ」を機体の腹、または翼のハードポイントに装着して飛行する。この偵察ポッドには特殊なIFFが搭載され、高度4000フィートから見たら豆粒並に小さい艦娘と深海棲艦の識別が可能となっている。
(日本海軍公式ホームページ 艦娘・SFR航空団概要より一部抜粋)