【本編完結済】女先生に愛を伝えて結婚するだけの話 作:秋月 ヒカリ
この作品が誰かのお気に入りになれたなら、幸いです。
---バタバタバタ・・・!
とある日のシャーレ。そこでは現在、休憩中のスミレ先生がソファーで少し横になっていた。
---バタバタバタ・・・!
少し根を詰めて先程まで作業をしていたこともあり、横になるなり直ぐに寝息をたて始めていた。
今日は同僚であるサオリはアビドスへ出張、タクミとミカは揃って休暇を取っていて、久しぶりの多めの仕事量を一人で捌いていたのだ。
昔はよくこんな風に、ソファーで寝落ちしてたなぁ~・・・。なんて、昔を懐かしみながらの寝落ちである。
口許には懐かしい夢でも見ているのか、小さく笑みが浮かんでいる。
だが・・・・・・。
---バタバタバタ・・・!バンッ!!
---ぴょーんっ!・・・ぼすんっ!
「ぐふかすたむっ!?!?」
「やっはろー!せんせい~~!!」
「トキが・・・見える・・・・・・」
”いえ~い。ぴーすぴーす”(幻覚)
そんな先生の平穏は、どこか見覚えのあるピンク色の天使がダイビングしてきたことにより、虹の彼方に消えていった。
~閑話休題~
「・・・それで?どうして一人でシャーレに来たの?”カナエ”ちゃん」
---”城戸カナエ”
彼女はタクミとミカの間に産まれた女の子だ。
確か今年で5才になったはず・・・ついこの間まで赤ちゃんだったように感じるが、そう感じてしまうのは歳を取ったが故か、はたまた毎日を忙しくしているが故なのか・・・。
などと考えながら、出してあげたジュースを美味しそうに飲んでいる目の前の小さな天使様を見やる。
「今日はね~?パパとママとお出掛けしてたんだ~♪」
「うんうん」
「そしたらね!大好きなスミレせんせいに似合いそうな、かわいいお花の髪飾りをみつけたから、パパに買ってもらって~」
「ほうほう」
「はやく渡したくて、せんせいのところにそのまま走ってきたの~!!」(にぱぁー!)
「そっか~!私に早く会いたくて、走ってきちゃったか~!」(デレデレ)
カナエのTHE・天使な眩しい笑顔に先生は、だらしない顔で喜ぶ。
そんな嬉しそうな先生に気を良くしたカナエは、肩から下げている”ペロロポーチ”(某ファウスト贈呈)から件の髪飾りを取り出す。
そして先生に頭を下げてもらい、「わたしが着けてあげるー♪」と言って先生の髪に”菫の花”を模した髪飾りを着ける。
「わーっ♪思ったとおりだー!せんせい、かわいいー♪」
「ありがとう、カナエちゃん♪とっても嬉しいよ!」(ぎゅうー!)
「きゃあーっ♪」
そんな感じで二人で和んでいると、廊下から慌ただしい足音が聞こえてきて、扉がガラリ!と開かれる。
「「カナエ!/カナエちゃん!」」
「パパ!ママ!」
「駄目じゃないか!勝手に走って行っちゃって!」
「もーっ!本当に心配したんだよっ!危ない人に誘拐されたらどうするのっ!」
「ごめんなさぁーい・・・」
「はぁ・・・。なんにしても、無事で良かったよ・・・」
「見たところ変わったところはないけど、ここに来るまでに何もなかった?」
血相を変えて飛び込んできたタクミとミカ。
二人はカナエの無茶に少し叱った後、ミカが危ないことはなかったかと聞くと、カナエは顎に指をあててシャーレに来るまでの事を思いだし口にする。
「えーっとねぇー・・・途中でヘルメット被った人がね?みのしろきん?っていうのをもらうために、わたしをどこかに連れていくって言って近寄ってきたよ?」
「「「思いっきり誘拐されそうになってるじゃんっ!?」」」
「でもね、わたしははやくシャーレに行きたかったから、えいっ!て腕をつかみにきた人たちにしたら、みんなどこかに飛んでっちゃった☆」
「「「わーお・・・」」」
無邪気に虚空に向かってその時の再現で、可愛らしくパンチを繰り出すカナエ。
きゃっきゃっ☆と笑顔で繰り出す幼女パンチが、”ゴウッ!ゴウッ!”と恐ろしい音を出しているのを三人は呆然と見ていた。
~閑話休題~
結局そのままシャーレで、カナエが遊び疲れて寝落ちするまで皆で遊んだ。
楽しい夢でも見ているのか、タクミの背中に背負われているカナエは、微笑みながら小さな寝息をたてている。
「先生、今日は迷惑をかけてしまって、ごめんなさい・・・」
「明日は今日の分の仕事も頑張るから、それで勘弁してほしい・・・」
「気にしないでいいよ!急ぎの案件は片付けた後だったからね!むしろ、プレゼントを貰っちゃった私の方が申し訳ないよ」
「それこそ気にしないでくれ。昔も今も、家族揃ってお世話になっている日頃のお礼だからさ」
「そうそう♪カナエちゃんも、先生喜んでくれるかなぁーって、楽しそうに選んでたからさ♪」
「ふふっ、じゃぁ遠慮なく貰っておくね?」
そっと自分の髪に着いている髪飾りを触れて、微笑む先生。
嬉しそうにしてくれているその反応に、タクミもミカも笑みを浮かべる。
「それにしても、二人ともすっかりお父さんとお母さんしてるね。・・・ホント、二人とも立派になったね」
「うん!なんてったって、私たちの可愛い”お姫様”だからね!この子が健やかに育つように、私たちが確りしないといけないしね!」
「俺たちも毎日手探りの子育てだけど、毎日いろんな事に気付かされながら一緒に成長しているよ」
そう語る二人に先生は、まだ生徒だった頃の二人がダブって見えた。
(・・・ああ、そうか。そうだよね。二人ももう誰かを導く側なんだよね・・・。ちょっとだけ寂しいけど、私もいい加減生徒離れが出来てないなぁ・・・)
「先生?」
「どうかした?」
「・・・ううん。元生徒の成長に感動してただけだよ」
「むにゃ・・・。せんせい・・・もっと、あそぼう・・・・・・」
「ふふっ♪うん、また遊ぼうね。小さな”お姫様”?」
「じゃあ、そろそろお暇するよ。また明日、先生」
「またね!」
「うん、また明日!」
シャーレを去る家族の背を眺めながら、先生は呟く。
「あははっ♪昔はお姫様だった子が今ではお母さんかぁ・・・。カナエちゃん、今度は貴女が”お姫様”になる番だね?」
きっと、母親譲りの可愛らしいお姫様になるんだろうな。と、未来に想いを馳せながら自身も帰り支度をはじめるのであった。
後日、スミレ先生のデスクにはあの日に撮った写真が飾られ、先生の髪には常に髪飾りが揺れていた。
~ミカafter...おわり~
こんな感じのアフターストーリーを書いていきます!
では!