【本編完結済】女先生に愛を伝えて結婚するだけの話   作:秋月 ヒカリ

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 ネタが浮かべば書くしかない…!

 やりました。


かつては生徒、今では……。

 ~現在~

 

 

 「せ~んせ!タっくん!おっはよう~!」

 

 「おはよう、ミカ。今日も元気だね」

 

 「おはよう、ミカ。元気なのはいいけど、私の旦那様を私以外がタっくん呼びするのは、いくらミカでもダメだよ~?」

 

 「ふふん!先生?独占欲強すぎて、自分に縛り付け過ぎると男の人は疲れちゃうよ?お嫁さんの座に胡座をかいてたら、直ぐに誰かに奪われちゃうよ?」

 

 「それなら心配ないよ。毎日、これでもかって愛して愛されてるからさ。昨日だって…おっと惚気すぎたかな?でも、うん、ミカのアドバイスは受け取っておくね?」

 

 「うんうん☆二人がずっと幸せでいられる様に私、祈るね☆」

 

 「あはは♪ありがとう~」

 

 「……可笑しいな、二人の会話を聞いてると悪寒が止まらないんだが…。二人とも、仲良くね?」

 

 「「私達は仲良しだよ~♪ね~?」」

 

 「ア、ハイ…」

 

 

 俺には見える…!二人の間に、見えない火花が飛び交っているのが…!恐いから近寄らんとこ…。

 

 いまだに笑顔で睨みあっている二人をそのままに、タクミは一人先にシャーレのオフィスへ入る。

 

 

 「ん?…タクミか、おはよう」

 

 「おはよう、サオリ」

 

 「スミレ先生はどうした?」

 

 「…ミカといつものです」

 

 「全く…飽きないな、あの二人も」

 

 「まあ、なんやかんやで仲は良いからな。間に挟まれる身としては勘弁願いたいが、気の置けない仲としてずっと仲良くしてほしいと思うね。旦那としてはさ」

 

 「ふっ…そうだな。私もタクミやスミレ先生と、ずっと仲良くしていたいと思っているよ」

 

 「サオリ……ああっ!これからも宜しくな!」

 

 「「あぁー!!タっくんが、サオリとイチャついてるー!!この浮気者ーっ!!」」

 

 「しとらんわっ!いいから、いい加減に席について業務の仕度をしろ!スミレ先生にミカ先生!」

 

 「わ、私とタクミがイチャつ…っ!タクミのバカ……」

 

 「はい!サオリ先生もお仕事始めましょうねーっ!」

 

 

 学校を卒業し、先生を目指してかつての自分達の様な生徒を導きたいと夢を叶えたミカとサオリ。

 タクミもそうだが、新米先生として毎日キヴォトスを駆け回っている。

 

 さて、今日はどんな日になるのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~回想~

 

 

 「アリウスの生徒?」

 

 「うん。前にちょこっと話したと思うけど、特殊な事情があってさ。その内の一人で、サオリっていうんだけどね?その子が、ちょっとした進路相談に来るんだー」

 

 「なら、俺は席を外した方がいいよね?その子も、知らない奴にあれこれ聞かれたくないでしょ」

 

 「う~ん、そうだなぁ~……」

 

 「タクミくん!先生~!やっはろ~☆」

 

 「ミカ!今日も元気だね。ミカにはいつも元気を貰ってるよ」

 

 「…!!…えへへ~♪私も、タクミくんには元気貰ってるから、お相子だね!」

 

 

 先生と話していると、ガララ!と勢いよく扉を開け放ち、ミカが元気良く入ってくる。

 

 初対面から既に数週間経っており、今ではお互いに名前で呼び合う仲になった。

 

 ちなみに先生には毎日愛を伝えているが、のらりくらりと躱されている…。俺、ファイトっ!!

 

 

 「あ、そうだ。おーい、入ってきていいよー」

 

 「…失礼する」

 

 「あれ、サオリじゃん。ミカと一緒に来たの?」

 

 「いや、入り口の所で偶々鉢合わせたんだ。…ん?そこのお前は誰だ?男…?」

 

 「えーと、詳しい話は省くが、シャーレで面倒見てもらってる城戸タクミだ。宜しくな!」

 

 「そうか、私はアリウススクワッドの錠前サオリだ。宜しく頼む」

 

 「…そうだ!サオリ、今日の相談だけどさ?この二人も一緒にいいかな?」

 

 「相談?」

 

 「いや、先生…それは流石に……」

 

 「私は構わないぞ」

 

 「え…いいの!?」

 

 「…?あぁ、別に構わないが……何か問題があるのか?」

 

 

 タクミは思った。この子、多分ちょっとズレてる…と。

 

 

 「早速で悪いが、相談を始めてもいいだろうか?」

 

 「うん、どうぞ」

 

 「先ずは……」

 

 

 それから暫くは、サオリの話を皆で黙って聞いていた。

 

 サオリの抱える葛藤や苦悩、広い世界を知れば知るほど得る知識と感動。

 それと比例して積み上がっていく、過去の己の罪に対する罪悪感…。

 

 おおよそ10代の少女が抱えるには、大き過ぎる負の重荷…。

 

 その全てを聞いて、先生が何かを言うより早くタクミが口を開く。

 

 

 「…頑張ったな。うん、頑張ったよ君は」

 

 「頑張った……私がか…?」

 

 「そうだよ。そんだけ悩んで、自分の事を顧みてさ。普通、出来ないって!だって、俺達はまだ子供だぜ?俺だったらとっくに、罪悪感で潰れてる自信があるね!」

 

 「…ぷっ…!何だそれは…!ははっ!自信ありげに情けない事を、堂々と…!あははははっ!」

 

 「サオリが、スゴい笑ってる…。初めて見た……」

 

 「あのサオリを、あんなに綺麗に笑わせるなんて……タクミくん、やっぱり不思議な男の子だよ…君は」

 

 「そ、そんなに笑える事を俺、言ったかなぁっ!?」

 

 「ふー…!ふー…!……ふふっ、何だか今まで悩んでいたのが、嘘みたいに心が軽くなったよ…。ありがとう、タクミ」

 

 「いや、大した事なんか一言も言ってない筈何だけど…。なんで…?」

 

 「その大した事ない言葉が、私の心を軽くしてくれたのさ……。そうか、悩んだらこうやって友人や信頼できる大人に、相談すればよかったんだな……」

 

 

 ……人はこんなにも、心の底から綺麗だと思える笑顔を作る事が出来るんだと、この時初めて俺は知った。

 

 ……いや、マジで!先生に先に惚れてなかったら、サオリに告ってた自信がある!でも俺は、一途な男だからな!どんなに揺れても、先生一筋さ!

 

 

 「先生!愛してますっ!結婚して下さいっ!!」

 

 「いや、何でこのタイミング!?タクミくん、壊れた!?」

 

 「は……はぁあああーっ!?何、タクミくん先生が好きだったのっ!?きーいーてーなーいーっ!!」

 

 「先生とタクミは結婚するのか…。…?何だ?今、胸に痛みが走ったような…?」

 

 

 一瞬でも、先生以外の女の子に意識を向けてしまったという、己の不甲斐なさ故に叫んだ言葉は、嵐を呼ぶ。

 

 まあ、そんな事はさて置いてサオリは先生を目指して、ミカも先生を目指した。

 その理由の中に、先生の様になりたいという願いもあったが、少なからずタクミの存在があったことは……乙女達の秘密である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~現在~

 

 

 「はぁ~…。今日も疲れたぁ~…!」

 

 「みんな、お疲れ様でした。この後はどうする?」

 

 「ん~…この間さ、サオリと入ったお店が美味しい日本酒置いてたんだよね~。どうかな?」

 

 「ああ、あの店か。あそこは料理もお任せで、頼んだ酒に合わせて作ってくれて味も良かったな」

 

 「ええ!そんな穴場があるの!?タっくん!みんなで行こ行こっ!」

 

 「そうだな、行ってみようか。悪いけど、店の予約をお願いしてもいいか?」

 

 「オッケー!えっと、お店の名前は確か……サオリ、何だったっけ?」

 

 「店の名前か?それなら覚えてるぞ。名前は『ブラック・スーツ』だ」

 

 

 ミカに予約を頼んで訪れた店は、二人の情報通り素晴らしかった。

 

 けど、やたら見覚えのある黒い店主よ。俺ら夫婦が来た事にテンション上げて、急に店を貸切りにしてもてなすのは止めてほしかったよ…。

 

 まあ、また行くけどな。




 サオリもチョロい?……てやんでい!どんなにチョロくても、先生が勝つんだから別に良いんだよっ!!
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