【本編完結済】女先生に愛を伝えて結婚するだけの話   作:秋月 ヒカリ

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 遅筆な作者です…。すみません…。

 仕事関係でちょっと疲れきってて、これからも亀さんになるとは思いますが、感想で面白いと言って下さる方の為に、これからも書いていきます。

 あと、今回出てくるイチカ推しの方々すみません!ちょっと、キャラ崩壊してます・・・!


吐き出す思い

 あ、突然冒頭から地の文ですみません。私は仲正(なかまさ)イチカっす!

 

 何時もなら、スミレ先生とタクミの甘々な感じから始まるのに、私の独白から始まったのには訳があるんすよ・・・。

 

 そう・・・あれは昨日の夜、ちょっとした用がありタクミと電話をしていた時の事・・・・・・。

 

 

 ~昨夜~

 

 

 「・・・・・・というわけなんすよ~。すみません・・・大した内容でもないのに、こんな時間に電話しちゃって・・・・・・」

 (あぁ~・・・!タクミとの電話が終ってしまう!うぅ~・・・!学生時代はもっと気軽に、沢山電話したり遊んだり出来てたのに・・・・・・)

 

 『いやいや、気にしなくていいって!俺達の仲だしさ?遠慮しないで、昔みたいに連絡してくれていいのに』

 

 「あはは・・・そんな訳にもいかないっすよ。スミレ先生にも悪いし、二人とも新婚でしょう?時間を奪うような真似は出来ないっすよ~」

 (嘘です!ホントは毎日でも連絡したいです!てか、なんすか?「俺達の仲だしさ」?「昔みたいに連絡」?・・・・・・誘ってんのか!?先生には悪いけど、私はまだタクミの事を諦めてないんすからねっ!?・・・・・・マジで襲うっすよ?)

 

 『そっか・・・。あ!ならさ、家で明日宅飲みでもしようぜ!次の日は休日だし、イチカも仕事は休みだろ?久し振りに、三人でのんびりやろうぜ?』

 

 

 三人でヤる・・・?それってやっぱり、お誘いですよね?

 ー エッチなのは駄目っ!!しけぇっ!!(幻聴)

 

 

 『イチカ?』

 

 「はっ!?な、何でもないっす!・・・でも、ホントにいいんすか?お邪魔しちゃって?」

 

 『ああ、隣でスミレさんも笑顔でオッケーサイン出してるよ。・・・まあ、イチカが嫌なら無理にとは・・・・・・』

 

 「絶対に何があっても行くから!!」

 

 『うおっ!?びっくりしたぁ~・・・。なら、明日は楽しもうな!』

 

 「ええ!明日はよろしくっす!」

 

 

 タクミが最後まで言い切る前に、私は反射的に返事をしていた。

 ふふふ・・・!先生?幸せ過ぎて、危機管理が疎かになってませんか?私だってもう子供じゃないんすよ?

 

 ・・・・・・倫理観?はっ!私はやっと夢中になれるモノを見つけたんです。

 明日の飲み会・・・・・・タクミに嫌という程、私を刻み込んであげますからね?

 

 

 ~現在~

 

 

 「・・・どお”じでタ”ク”ミ”は、ぜんぜいどげっごん”ずるん”すか~~!!」

 

 「スミレさんを愛してるからで~す!!わはははは!」

 

 「ぢぐじょう~~!!んぐっ!んぐっ!ぷはぁ~・・・!ひっく!」

 

 「二人とも酔うの早いって・・・。は~い、タっくんはこっちでお休みしようね~?」

 

 「スミレさん、愛してるぜ~!!」

 

 「私も愛してるよ~。次は素面の時に聞かせてね~?」

 

 「は~いっ!!」

 

 

 失敗した・・・!先生とタクミを酔わせて、ダウンさせてから私がタクミを美味しく頂く計画だったのに・・・!!

 まさか、先生がこんなにお酒に強いなんて・・・!くっ!もう、思考が・・・限界・・・・・・。

 

 (注)別に特別、先生がお酒に強い訳ではありません。二人が激弱なだけです。

 

 

 「さて、と・・・。イチカ、本音トークしよっか?」

 

 「・・・うぃ?」

 

 

 本音・・・?先生が何か言ってるけど、頭が回らない・・・。

 

 

 「イチカってさ、タっくんの事、好きだよね。一人の男性として」

 

 

 タクミを好きか?そんなの・・・・・・

 

 

 「しょんにゃの・・・・・・大好きですよぉ~!」

 

 「うん。だよね?はぁ・・・罪深い男だよ、家の旦那様は・・・・・・」

 

 「にゃんだその言い草は~!嫌味か~!」

 

 「ええ!?違うよ!?」

 

 

 何だか分からないが、本音で語るのを先生はご所望らしい・・・・・・いいだろう、語ってやらぁっ!!

 

 

 

 「あ、あれ?イチカ、目が開いて・・・・・・」

 

 「んぐっ!ぷはっ!・・・・・・先生は良いっすよね?一番最初に、タクミに出会えて。惚れてもらえて、一途に想い続けてもらえてっ!出会う順番が違っただけで、ずっと愛してもらえてっ!」

 

 「イチカ・・・・・・」

 

 「知ってるっすか・・・?タクミが先生にベタ惚れだって、周りは気付いてたから積極的にアプローチはしなかったっすけど・・・・・・私含めて、かなりの生徒がタクミに恋してたんすよ?」

 

 

 あれ?私は今、何を言ってるんだろう?よく分かんないけど、止まらないや・・・。

 

 

 「なのに・・・・・・なのにっ!始めのうちは、生徒にはそういう感情を抱きませんって対応しときながらっ!気付いたらタクミと恋仲になって、結婚?・・・・・・そんなの、私達の・・・私のこの想いは!恋心は!・・・・・・どうすりゃいいんすか・・・!!」

 

 

 なんだろう?自分が何言ってるのか分かんないのに、どんどん言葉が胸の奥から溢れてくる・・・。

 

 

 「私だって!タクミと恋人になってキスしたり、愛を確かめあって・・・・・・結婚したかった!!」

 

 「そう、だよね・・・」

 

 「何で・・・?何で、よりによって先生なんすか・・・。大好きな人が、大好きな人と結ばれちゃったら・・・ホント、気持ちのやり場がないじゃないですか・・・・・・」

 

 「っ・・・!」

 

 

 先程までは恨み節をぶつけていたイチカ。だけど、今漏らした言葉は私の心に一番刺さった。

 

 ・・・大好きな人が大好きな人と結ばれる。

 

 確かに、これ程やりきれなさを感じる事はないだろう。イチカにとって私も、タクミも両方大切な存在だったのだ。

 彼女にとっては祝福する気持ちも、想い人を取られて恨めしい気持ちも、どっちも本物なのだ。

 

 だけど、優しい彼女はそれを表には出せなかった・・・。

 

 

 「・・・別に、本気でタクミを自分のモノにしたいなんて思ってないです。けど・・・けどっ!ちょっとくらい、夢、見ても・・・いいじゃないですかっ!」

 

 「ごめんね・・・イチカ・・・・・・」

 

 「っ!!・・・謝んな!!」

 

 

 咄嗟に謝ってしまった私に、イチカが激昂し、叫ぶ。

 

 

 「謝んないでよ!アンタが謝ったら、それこそ本当にこの気持ちは行き場を失くしちゃうでしょう!?アンタは彼に選ばれて、彼の愛を勝ち取ったんだから、堂々と胸を張っていてよ!幸せですって、誰も自分達の間には入り込む余地はないって、態度で示しててよ!じゃないと・・・諦め、られないじゃないっすか・・・・・・」

 

 

 そこまで叫んで、イチカは電池が切れたようにテーブルへ突っ伏して寝息を立てはじめる。

 ・・・・・・その目元に、光る雫を浮かべながら。

 

 私はそんなイチカを、そっと起こさないように抱き上げて来客用の布団へ運ぶ。

 そして目元を拭って、頭をひと撫でしてから一人テーブルへ戻り、残っていたお酒を口に運ぶ。

 

 

 「・・・おかしいなぁ、なんだか今日のお酒は、しょっぱいや」

 

 

 自分の頬を伝う雫に気付かないふりをしながら、私は一人で残りのお酒を少しづつ、少しづつ、呑み込んでいくのだった・・・。

 

 

 ~翌朝~

 

 

 「んぁ?あれ、いつの間に私布団で・・・?」

 

 

 うーん、昨日、飲み始めてからの記憶が曖昧すぎる・・・。何か先生と話してたような・・・。駄目だ、思い出せない・・・。

 

 

 「あ、イチカ起きた?朝御飯出来てるから、食べれそうならリビングにおいで?」

 

 「あ、はい。ありがとうございます。・・・あの、先生!」

 

 「ん?」

 

 

 昨日の事を思い出そうと、頭をうんうん捻っていると先生が声を掛けに来てくれた。

 

 私は何故か、部屋を出ていこうとしている先生を思わず呼び止める。

 

 

 「その、私、昨日の事あまり覚えてないんすけど・・・何か先生に変な事言ってないっすよね・・・?」

 

 

 その問い掛けに先生は微笑を浮かべて、静かに口を開く。

 

 

 「うん、何もなかったよ?」

 

 「あ・・・そうっ、すか。すみません、変な事聞いちゃって」

 

 「ううん、大丈夫だよ。寝坊助さんは先に、顔を洗っておいで?タっくんを起こしたら、私もリビングに行くから」

 

 「はい、分かりました」

 

 

 そう言って去っていく先生の背中は、私の知っているどの記憶とも一致しないくらい・・・とても小さく見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それじゃ、お邪魔しました!」

 

 「ごめんな、イチカ。昨日は早々に潰れちまって・・・」

 

 「あはは!気にしなくていいっすよタクミ。私も速攻潰れたみたいだし、それより先生に迷惑掛けちゃって、申し訳ないっす!」

 

 「そんなことないよ!私も、久し振りにイチカと会えて嬉しかったしね!また、おいでね!」

 

 「はいっす!」

 

 

 玄関先で少しのやり取りの後、イチカは帰っていった。

 

 

 「で、スミレさん?昨日は何があったの?」

 

 「え?何って、何もないよ?強いて言うなら、酔いつぶれた二人を運ぶのが大変だったくらい?」

 

 「本当に?」

 

 「・・・うん!本当だよ♪」

 

 「・・・そっか。・・・いつか、話してね?

 

 

 先に家の中へ入っていく、最愛の人の背中を見つめながら私は呟く。

 

 

 「敵わないなぁ・・・。ホント、私の事に関しては直ぐに何でも気付くんだもん・・・。・・・・・・ねぇ、タクミ?私は、貴方に愛してもらう資格が、あるのかな・・・・・・」

 

 

 私の言葉は誰にも届かないまま、宙ぶらりんで虚空に溶けていった・・・。




 ちょっと雲行きが・・・。でも大丈夫!直ぐに晴れるよ!(多分)

 今回はイチカにタクミの犠牲者の代弁者になってもらいました。タクミにとって友達としては、多分イチカは一番接しやすい娘でした。
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