【本編完結済】女先生に愛を伝えて結婚するだけの話 作:秋月 ヒカリ
沢山の方が見てくれていることに、心からの感謝を!
やあ、皆!タクミです!何だか最近、最愛の妻であるスミレさんの様子がおかしいんだよな・・・。
ん?どう、おかしいかって?そうだなぁ・・・例えば、いつもなら所構わず抱きついたり、キスしたり、とにかく甘えん坊なスミレさんが遠慮するようになった事かなぁ・・・。それも決まって、生徒の前では特に。
「やっぱり、この前の飲み会からだよなぁ・・・」
・・・倦怠期?いやいや!まだ新婚だぜ?確かに、生徒と先生という関係を含めたら、結構長いこと一緒に居るけど・・・ねぇ?
「多分だけど、ま~た面倒くさい事を考えてるんだろうなぁ~」
そう、何を隠そう家の奥様は大変面倒くさい性格をしているのだ。
何かとスミレさんは、自分の気持ちに素直になれない。その反動が普段の甘えたがりなのだが、長いこと先生として自分を律していた為に、変に気を遣う癖がある。(え?律してる割には、ユウカに財布を握られてた?・・・ノーコメントで)
その癖して、彼女とて人間であるので色々と溜まるものは溜まる。しかも、マイナスの方にそれは振り切れてどんどん自罰的になる。今回もそんな感じだろう。
問題は、何に対してそうなったかなんだが・・・。
「推察するに、俺との関係だよなぁ・・・」
この前の飲み会で俺が早々に潰れた後、どうもイチカと何かを話してたっぽいんだよなぁ・・・。
寝耳にイチカの声で、俺とスミレさんの事で何か言ってるのは聞こえてたし。詳細はわからんが・・・。
「何に悩んでて、何で自分を責めてるのかは分かんないけど、スミレさんが苦しんでるなら俺のすることは一つだ!そうと決まれば、実行あるのみ!タクミ!行きま~す!」
~スミレ自室~
「うぅ~今日もタっくんに素直に甘えられなかったぁ・・・。絶対に怪しまれてるって~!」
私はここ最近ずっとこの調子で、自室に籠ってウジウジと悩んでいる。
「ずっとこんな調子だと、タっくんに嫌われちゃうかな・・・?もしかしたら、誰かにもう心を奪われてたり・・・!?うわぁ~ん!嫌な考えが消えないよぉ~!」
「スミレさんっ!!」
「うわっひゃぁっ!?!?なになになにっ!?」
バァンッ!!と勢いよく扉を開けて部屋へ入ってきたタっくんに、私は情けない悲鳴をあげて動揺する。
「スミレさん!」
「ひゃ、ひゃいっ!?」
「好きです!大好きです!愛してます!」
「・・・ほ?へ、は、はいぃ!?きゅ、急にどうし---」
「スミレさんが何に悩んでいるのかは、わかりません!けど、貴女が今!俺との事でまた、面倒くさくなってんだろうなって事くらいは理解できてるつもりです!」
「ちょっと待って、今面倒くさいって言った?」
「・・・とにかく!このまま、変な方向に拗れていかないように今一度、告白しました。それと・・・いいですか?俺たちは夫婦です。家族です。何か不満や、不安があるなら真っ先に相談してくれよ・・・俺はもう、子供じゃない。スミレと同じ大人で、スミレの夫なんだよ。・・・愛してる自分の女が、ずっと曇った表情してるのを視るのは、辛いんだよ・・・・・・」
扉を開けて入ってきた勢いをそのままに、タクミは私の方に両手を置き、初めて出会った時のような表情で告白。
それから今度は力一杯、抱き締めてきて心情を吐露してきた。
・・・久しぶりに感じた最愛の人の温もりは、私の今までの悩みを一瞬で溶かし、ふわふわとした安心感に包まれる。
あぁ・・・何か全部、どうでもよくなっちゃった。
あれだけ散々悩んで、勝手に苦しんで、タクミの回りの女の子達に対しても勝手に申し訳なく思ってたのに・・・ただ、
気付くと私は、タクミの背中に手を回して抱き締め返していた。そしてそのままお互いに口も開かず、長い時間を抱き合っていた。
「・・・スミレさん、どう?落ち着いた?」
「・・・スミレ」
「え?」
「・・・さっきみたいに、呼び捨てにして」
「・・・スミレ」
「んっ!っはぁ・・・耳元でそれは・・・やばぁ・・・・・・♪」
いやいや、ヤバイのはスミレだがっ!?なんだよ、上目使いで名前呼び捨て懇願からの、そのトロンとした表情はっ!?
・・・あれ?待って?スミレさん?何で、俺と位置を入れ換えてベッドに押し倒してるの?あの、なんか目にハート浮かんでません?ちょっ!耳を甘噛みは止めっ・・・「ごめん、歯止め効きそうにないや・・・今から、タクミを襲うね?」・・・優しくお願いします。
~翌朝~
---カーテンの隙間から、朝日が差し込む。
---その光が、ベッドの上で向かい合い、柔らかい笑みを浮かべ合う男女を照らし出す。
「・・・久しぶりに、たくさん甘えちゃった」
「俺は凄く嬉しかったよ。久しぶりに、スミレを感じられてさ」
「ふふっ・・・ホント、馬鹿みたいだなぁ私って」
「そうだよ?スミレは自分で思ってるより、ずっとおバカさんだよ?」
「えぇ~?ここで落としてく---」
「でも、そんなスミレが可愛くて、誰よりも何よりも・・・愛おしいんだ」
「っ!!・・・もぉ~!タクミはさぁ~!もぉ~!」
ポカポカと可愛らしく俺の胸を叩いてくる、スミレ。昨夜のうちに、彼女のこれまでの悩みは聞いている。聞いた上での先程の”おバカさん”発言だ。
大体、昔一度吹っ切れたはずの悩みを、今更ぶり返すなんてシロコ*テラーの言うように面倒くさい性格をし過ぎている。
本当に、面倒くさくて愛おしい人だよ、貴女は・・・。
「はぁ~・・・あのさ、タクミ?」
「うん?」
「私はさ、きっと、これからも今回みたいにタクミに迷惑をかけると思う」
「うん」
「でもね、それでも私はタクミの・・・貴方だけの私でいたい。そして貴方には、私だけのタクミでいてほしい・・・。これって、傲慢だよね・・・?」
目を潤ませ、不安そうに俺の目を覗き込む
「傲慢でいいじゃない。スミレは気付いてないかもしれないけど、俺だって醜い嫉妬心はあるし独占したいという醜い支配欲だってある。・・・誰だって、そんな人には言えないような感情を持ってたりする。それが普通なんだよ。大体、好きな人には自分が一番でいてほしいなんて、当たり前の感情じゃん?だから・・・ん?」
俺は、話の途中から様子のおかしくなったスミレに気付き、注意深く観察する。すると---
「ふ、ふーーーん・・・た、タクミは私を独占したいって、そう、思ってるんだぁ・・・・・・うぇへへ♪」
などと真っ赤な顔で呟き、幸せそうに両手を頬に当てて”いやんいやん”と照れ笑いしている。
---ガシッ!
「ほえっ!?た、タクミ・・・?」
「ふぅー・・・!ふぅー・・・!」
「あ、あのぉ?タクミ?なんか、目が怖いかなーって・・・」
「・・・ごめん、スミレ。今日は一日中、時間をもらう」
「え?あ・・・♪」
この後二人は偶々の連休に感謝するくらいの、激しい運動をして過ごした。
ただ、二人の表情からは一度たりとも笑顔が絶えることはなかった。
ちゃうんすよ・・・こんな過酷な内容にするつもりは、ほんの少ししかなかったんすよ・・・。
あ、多分、次かその次で本編完結します。