Pokémon LEGENDS Gray 虚無の英雄√   作:居待月さん

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数か月前に書いていた作品を見つけたので投稿します、!


第1話 ポケモンの世界に転生した!

『準決勝第一試合。相対するのはサトシ選手。そして──タクト選手です!!』

 

 舞台はシンオウリーグ・スズラン大会。

 今この場所で熱い、熱いポケモンバトルが始まった。

 

「っふ」

 

 タクトが出したポケモンはダークライ。

 三つ巴の戦いをさせられることが多い幻のポケモンである。

 

「ヘラクロス! 君に決めた!!」

 

 そんなダークライに対してサトシが出したのはヘラクロス。

 普通に考えれば幻のポケモンであるダークライとは戦いにならないように感じる選出だが──。

 

「ヘラクロス! 『はかいこうせん』!!」

「ダークライ。『れいとうビーム』!」

 

 放たれた互いの特殊技は衝突し相殺された。

 技の衝突で生まれた煙を使い奇襲を仕掛けるためにサトシは直ぐに『つのでつく』の指示をだす。

 だが、それにタクトは直ぐに対応し逆に『ダークホール』でヘラクロスを眠らせてしまう。

 

「ヘラクロス! 『ねごと』だ!」

 

 『ねごと』はねむり状態の時に自分の覚えている技をランダムに出す効果がある。

 つまりこの技はダークライの『ダークホール』対策になる。サトシがヘラクロスを選出した理由はこれだった。

 ヘラクロスが『ねごと』で出したのは『メガホーン』だったため効果抜群の一撃がダークライに突き刺さる。

 

「ダークライ、『ゆめくい』だ」

 

 ダークライは効果抜群の一撃を受けたにも関わらず直ぐに反撃の『ゆめくい』を繰り出し一撃でヘラクロスを倒してしまった。

 

「相性だけではこのダークライには勝てないよ」

 

 このタクトの自信は、ダークライの実力は、次にサトシが出したコータスまでも一撃で戦闘不能にしたことで証明された。

 コータスを倒され次にサトシが出したのはフカマル。最終進化のガブリアスになれば種族値ではダークライにも並ぶポケモンだ。

 ただそれは最終進化すればの話であり、フカマルのままではとても太刀打ちできない。そう思われたがフカマルは効果抜群の『いわくだき』を早速命中させ『れいとうビーム』を回避し『りゅうせいぐん』放つ予想外の活躍を見せた。

 結果だけでいうと『りゅうせいぐん』は外れ倒されたが、タクト自身が「今の戦い、ダークライでなければ間違いなく『りゅうせいぐん』でやられていた」と言っていたのでフカマルの実力は確かだろう。

 

「勝負はこれから!! ジュカイン、君に決めた!!」

 

 3タテされ、挽回したい盤面でサトシが出したのはジュカイン。

 このジュカインは幻のポケモン、デオキシスのスピードフォルムに追いつく程の速度を持つので同じく幻のポケモンであるダークライにも食らいつけるかもしれない。

 

「『れいとうビーム』!!」

「行っけージュカイン!! 『でんこうせっか』だ!」

 

 フィールドを次々に凍らせていく『れいとうビーム』を掻い潜りダークライに辿り着くも避けられてしまう。そして0距離での、回避不能な『れいとうビーム』を食らいジュカインは吹き飛ばされ、膝をつく。

 タクトはジュカインが膝をついた一瞬の隙を逃さず『ダークホール』を命中させた。

 

「ダークライ、『ゆめくい』だ!」

 

 ダークライはジュカインの夢の中に潜り込み、暗い闇を見せジュカインの意識を奪う。

 いや、奪われるはずだった。だがサトシというトレーナーの()が届き暗闇から目覚めたのだ。

 

「ジュカイン!! 『リーフブレード』だ!!!」

 

 ジュカインは両腕が草のブレードを生やし、ダークライに勢いよく一閃、二閃。

 ジュカインの渾身の二撃を食らったダークライはここで遂に、戦闘不能になった──。

 

「……流石に準決勝まで上がってきただけのことはある。僕に二体目を出させるとはね。次のポケモンはこれだ!」

 

 タクトが繰り出したのはむげんポケモン、ラティオス。ホウエン地方の伝説のポケモンである。

 ここに来てタクトのダークライでなければ『りゅうせいぐん』でやられていたというセリフに真実味が帯びる。

 

「どんなポケモンが来ようが負けるもんか! 頼むぞジュカイン、リーフブレード!!」

「ラティオス! 『ギガインパクト』!!」

 

 互いの技はぶつかり合い──ジュカインが倒れた。

 たったの一撃でジュカインが倒され、次に出したのはオオスバメ。

 

 ここに来て空中戦が始まった。

 オオスバメは『でんこうせっか』で何度か攻撃するも回避される。

 だが、サトシは慌てずに急降下の指示をだし、それを追うラティオス。

 

 地面スレスレで軌道を変え、サトシは『つばめがえし』を繰り出させる。

 完璧なタイミングでの一撃だが……ラティオスの『ラスターパージ』で戦闘不能にされてしまった。

 

「行くぞピカチュウ。君に決めた!」

 

 残り一体と完全に追い込まれたサトシだったが諦めずに相棒のピカチュウを繰り出す。

 互いに言葉を交わしたサトシとタクトは遂に最後のバトルを始めた。

 

「全力で行くぞ!! ピカチュウ、 『でんこうせっか』だ!」

 

 本当に電光石火の如く凄まじい速度でラティオスに向かうピカチュウ。

 攻撃は僅かに掠めるだけに収まってしまうが続けて『ボルテッカー』を繰り出す。

 ピカチュウの最強技『ボルテッカー』は『ギガインパクト』と衝突し押し負けてしまう。

 

「ラティオス。『ギガインパクト』」

「ピカチュウ。『アイアンテール』だ!!」

 

 互いの技が衝突するが、再びピカチュウが押し負ける。

 

「そろそろ止めだ。急降下して『ラスターパージ』!」

 

 絶体絶命のピンチだったがサトシが機転を利かせピカチュウをラティオスの上に飛び乗らせた。

 飛び乗ったピカチュウは『10まんボルト』をラティオスの身体に流し込んでいく。

 当然タクトは振り落とせと指示をだすが、サトシは再び『10まんボルト』の指示をだす。

 

 これでは振り落とせないと判断しタクトは『ひかりのかべ』を張らせるが──。

 サトシは『ひかりのかべ』などお構いなしに『10まんボルト』の指示をだす。

 当然、『ひかりのかべ』の影響でダメージは殆どないがサトシは何度も『10まんボルト』を出させる。

 

 そんなことをしていると凄まじい高度からピカチュウはラティオスに振り落とされてしまった。

 無防備なピカチュウに『ラスターパージ』を繰り出すが、ピカチュウも空中で『ボルテッカー』を繰り出す。

 

 ピカチュウに『ラスターパージ』が命中する。

 だが、ピカチュウはそれでも『ラスターパージ』の中を駆け突き進む。

 そして、サトシは『アイアンテール』を繰り出させ、互いの技の衝突で大爆発が巻き起こった──。

 

 結果は──相打ち。

 手持ちをすべて失ったサトシの敗北でバトルは幕を閉じ、別の物語が幕を開けた──。

 

 

「──思い出した。今戦っていたのはポケモンのサトシだ……」

 

 自宅のテレビで遠く離れたシンオウ地方のポケモンリーグを見ていた少年──キョウヘイ。

 サトシvsタクト。この試合を見た瞬間──彼の頭に稲妻が迸り、前世の記憶が蘇った──。

 

「────」

 

 前世の記憶が蘇ったといっても、全てでは無いので少しずつ思い出していく。

 最初にキョウヘイが思い出したのは前世での自分の名前。前世での名前は黒沢磨白。

 名前を無事に思い出せた磨白は、嫌な予感を感じながらも最後の記憶を思い出した──。

 

 ポケモンの最新作、レジェンズZ-Aを買いに出かけていた。

 レジェンズZ-Aは人気であったものの、事前予約をしていた為すんなりと手に入れることが出来た。

 

 帰り道、磨白の足取りは軽かった。

 理由は剣盾の時以来の新しいポケモンが出来るから。

 

 心と足を躍らせながら帰っていた磨白は不審者を見かけた。磨白が男を不審者と判断した理由は二つ。

 一つは男が同じ場所をぐるぐると回っているから。そして二つ目は男の目がキョロキョロと泳いでいたから。

 

 一瞬、磨白の脳内に通報の二文字が過った。だが、磨白は心の中で早くポケモンがしたいから仕方ない。と言い訳をして不審者を横切り、更に足を進めた。

 

 不審者から三十メートル程離れた所で悲鳴が聞こえた。

 女の子の、それもまだ中学校に通っていそうな程に幼い声の悲鳴だった。

 

 声が届いた時には後ろを振り向いており、気付けば磨白は駆けだしていた。

 走っている最中、こんな事なら通報しておけば良かったと愚痴を溢しながらも加速する。

 

 残りの距離が十メートルまで迫ると不審者の右手に刃物が握られているのが見えた。

 女の子が刺されるまで時間がないと判断した磨白は勢いそのままに不審者を羽交い絞めにする。

 

 暴れる不審者……否、通り魔。尻もちをつきながらも後ろに下がる女の子。

 女の子が逃げられる時間だけは稼ごうと通り魔を抑える腕に更に力を入れる。

 

 磨白の頑張りの結果、女の子は無事に立ち上がって逃げることができた。

 だが、女の子が逃げたことで冷静になった通り魔は、ただ暴れるのをやめ、後ろに刃物を突き出した。

 刃物は──磨白の左胸に突き刺さり、身体に激痛が走る。

 

 痛い。痛い。痛い。痛い。痺れる、身体が動かなくなっていく。

 熱い。熱い。熱い。熱い。身体全体がどうしようもなく熱くなる。

 それらの地獄のような感覚は次第に無くなり、最後に磨白が感じたのは心地の良い冷たさだった──。

 

「……やっぱり、俺は死んで、生まれ変わったんだな」

 

 状況から察してはいても、思い出さなければ到底信じることが出来なかったであろう真実。

 そんな真実を受け止めた磨白……いや、キョウヘイは──、

 

「今度こそ、絶対死なずにポケモンをしてやる……!!!」

 

 彼にとっては文字通り“死ぬほど”大事な決心をした。

 大声で決死をした直後、隣部屋にある玄関ドアが勢いよく開いた。

 

「あ、こんにちは! キョウヘイは自分の部屋にいるんですね? 教えてくださりありがとうございます!」

 

 元気のいい声音が耳に届いて直ぐ、声の持ち主はキョウヘイの部屋にやってきた。

 部屋にやってきたのはくりっとした青い瞳とお団子付きツインテールが特徴的な美少女。

 

(かわいいな……って、bw2の女主人公、メイじゃねえか!?!?)

 

 心の中で叫ぶキョウヘイにメイは言う、

 

「キョウヘイ! 一緒にポケモンもらいに行こう!」

 

 こうして、キョウヘイの旅は始まった──。To Be Continued

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