衛宮士郎をブチ込んでみただけの話inリゼロ 作:nonose
リゼロのアニメ見返してたり、原作買ってきたり
衛宮さんちのご飯見たり、仕事してたりしてたらこんなに間が空いた
次回の為の関係性補完みたいな感じの話です
頭空っぽにして読んでください
いつものように澄まし顔で歩く彼女はいまは居ない。不機嫌さを前面に押し出しながら、普段の2割増で屋敷の廊下をズカズカと歩いている。
向かう先は、その表情の理由である男の元"衛宮士郎の私室"である。
彼女は部屋の前迄、行き着くと腹の中に溜まった鬱憤を解き放つが如く、扉を開け放つ。
「──エミヤくん、話がありま……す……」
文句のひとつやふたつ、あわよくばその握り締めたこぶしの1発くらい受けてもらおうかと思っていた彼女だったが、その目で見える光景にその毒気も抜かれてしまった。
「さぁ!! さっさと吐きなさいッ!!!」
「や、やめ……息が、でき───うっ…………」
視界に映るのは、まさに不満をぶつけようとしていた青年である士郎。その彼の胸ぐらを掴み壁際へと押し込む、自身の姉の姿だった。
あまりにも頓珍漢な光景に彼女、レムの口と目は開きっぱなしである。
「……こ、れはいったい、どういう状況でしょうか……」
「れ、レム……か? すまないんだが、助けてくれないか……お前の姉ちゃんにこのままじゃ絞め殺される……」
「えっ、いやそれは別にどうでもいいんですけど。姉様、いったい何があったんですか」
「レム、来てたのね。いまこの阿呆に教育的指導をしていたところだったのよ」
「そうですか、流石姉様です。エミヤくんには、もう少し……いえ、かなりもう少し自身を鑑みて欲しいところでしたから」
「そこまで言われる筋合い……は、あるな」
「はい。もっと馬車馬の如く働いて欲しいものです」
「こっちは馬車馬というより地竜の方だと思うが」
「屁理屈言わないでください」
あまりにも冷たい態度に少し肩を落とす士郎だったが、それも自身が撒いた種であるため不満を口に出すことはしなかった。
それよりもいま気になるのは、態々何故レムが士郎の所までやってきたのだろうかということだった。大方、昨日の早朝の事か……あるいは今日から下準備を整えたスバルがこの屋敷で働くことになったことへの文句を言いに来た……というところだろう。姉妹揃って同じようなことを士郎へ愚痴付けしに来たらしい。
「レムも多分、お前の姉ちゃんと同じ話を聞きに来たんだろうと思うから、改めて話しておくが──菜月に関しては元々俺は屋敷の外へ預かってもらおうって思ってたんだ。ただ、ロズワール……様が菜月を雇うとか言い始めてな。何言っても聞かないだろうし、そのまま話を通して行ったわけだが……ここまでは何かあるか?」
「私からは変わらないわ。なんでロズワール様がそんな話をしたのかよ」
「それに関しては知らないと言っているだろうが。そもそも、何を考えてるのか俺にはサッパリ検討もつかない人だからな」
「チッ」
「いま舌打ちした?」
「ハッ、どうやら脳みそだけじゃなく耳まで腐ったのかしら。ラムの可憐な声をそんなものと聞き違えるだなんて」
「……へーへー」
そんなコントのような会話を続ける赤色系統髪コンビそのままでは本題も忘れ、そんな軽々し会話が続いていたことだろう。その2人の間に割って口を出す。
2人はそちらを見る、レムが口を開いた。
「その、こちらからも1つ聞きたいこと……というかコレに関してはロズワール様からもエミヤくんに話を聞いてくれとのお達しで」
レムは話す。この部屋に来るまでのこと──ロズワールに何を話されたのかを士郎へ、その横にいるラムも聞いている。
先日、ナツキスバルをこの屋敷で雇うと言い始めたロズワールだったが、彼の面倒を見るのは誰だとはナツキスバルも、そしてこの姉妹にも知らされていなかったことだ。けれど、それもレムがこの場にいるということで大凡の察しはつくだろう。
ナツキスバルの教育担当は士郎ではなく"レム"だった。
この話を今朝、ロズワールから聞かされたレムの心情は如何に。それがこの部屋に来る前の彼女の不機嫌さの理由の1つである。
だがそれよりも何より彼女が許せなかったのは、それを良しと認めた士郎の矛盾さだった。
心から憎む程の【悪臭】を漂わせる、ナツキスバルの仕事の面倒を見るのは、正直気がノリはしないが構わなかった。ロズワールに拾われた恩がレムにはあるから。
自身の姉がその毒牙に掛からなければそれで構わないのだ。
だからこそ、浮上してくるのが士郎への怒りだ。レムは少なからずとも、【衛宮士郎という人間の善性】は鼻にはつくが、認めてはいる。
『だからこそ』なのだ。
その士郎が自身の放った善性故だろう言葉と、現状の矛盾した現状に彼女は並々ならぬ怒りを抱えてしまっていたのだった。
「……エミヤ」
話を一段落、聞き終えたラムは士郎を睨みつける。
「あー、分かってる。ラムの言いたいこともレムの言いたいこともな……まあ、それを踏まえての話だが、俺はそれが現状1番良いと思ったからその話を通した」
──というのも、元は士郎がレムを教育担当に……と言い出した訳では無かった。
元々はロズワールが提言した話だったのだ。ナツキスバルの教育担当はレムを当て、それを士郎が支援してくれと。
建前として言うのならばと、ロズワールはそう口にしながら士郎へ、その理由を話した。
『この屋敷の仕事の全てを把握していると言っても過言じゃないレムを教育担当に置くのは、別に変なことじゃぁない。それにこの屋敷じゃぁ、私とキミ以外は同性が居ないかーぁらね? 近くに居れば、少しは慣れてくれるとも』
ということだった。
勿論、『建前として』と頭に付いているし、もっと他にも理由があるとは思うが士郎は深く追及はしなかった。と言っても大体の予想は着くだろう。レムの状態も気付いているだろうし。今後あのナツキスバルという存在が何をしてくれるのか、自分にどんな益を齎してくれるのかだとか、そんな悦に浸った考えなのだろうなと頭の片隅で士郎は考えていた。
「……ロズワール様の言うことは正しい、ですが……」
レムはラムを見る。先日の発言は自身の姉には聞かせにくいだろう。そして士郎を見る。あの発言を踏まえて、どうしてその話を了承したのかと言いたいのだろう。
「まぁ、何が言いたいのかは分かる。……なんだ、あー、こっちの方が見てられるからな」
「………………分かりました。納得はしておきます」
「レムの言い分も分かるからな。見定めてやってくれ菜月を」
士郎はくしゃりと苦笑いをしながらレムへ言葉を投げる。レムからの返事は帰ってこない、ただ士郎の目を見つめているばかりだった。
◆
「じ、地獄だ……っ」
ナツキスバル雇用 1日目。
その渦中の中心である本人はいま、屋敷の風呂場で疲れを感じながら意気消沈としていた。
浴槽の隅で完全に脱力しきっており、その顔は労働の疲れで歪んでいる。
「思ったよりも忙しいだろ、ここの仕事」
そう言うのは彼の近くで湯船に浸かっている士郎だった。
「まぁ想定以上の忙しさって感じはあるな…… 」
スバルの思う想定、というのはいままでの"数回"のことの出来事から来る経験則での話だった。
どのループよりも断然、今回の仕事は量も質も大幅に上がっていたのをスバルは自身の身体で実感していた。
「1日目にしちゃ、仕事量が多かったからな菜月は。今日はレムと俺の分の仕事の……えーと、そうだな2割は菜月の所に行ってたから、大分疲れただろ?」
「あ、あれで2割……」
「まぁ、これだけデカイ屋敷だからな。俺もそれなりに頑張ってはいるけど、殆どはレムが担当してるから……あの子に着いていってたら、気が付いたら菜月も屋敷の仕事に着いてこれるようになってるさ」
「お、おぉ……」
屋敷の全ての家事を任されている2人なだけに、これ以上の仕事量を担っているという事実に、少し気圧されてしまうスバル。
「……にしても、そんなに忙しいからか」
「何がだ?」
「……あぁ、いやなんだ。こういうと気持ち悪がられるかもしんねぇけど、身体の筋肉スゲェから」
スバルがそう言うのは、士郎の身体付きのことであった。普段、日常生活を普通に生活していれば到底つくことはないだろう士郎の引き締まった筋肉に、スバルはこの屋敷の仕事が忙しいからいつの間にかそんな風になったんだろうとアタリをつけていた。
しかし、士郎から返ってきたのは言葉ではなく、キョトンとした表情。少ししてスバルの言った意味を理解してクツクツと笑いだす士郎に、何かおかしなことでも言ったかと心配になるスバル。
「あぁ、いや別に変なことは言ってないさ。ただ、菜月もそういうの気にするんだと思ってな」
「男なら気にするだろ。やっぱり多少は筋肉付いてた方がカッコイイじゃん」
「そうか、そうだな……俺も最初はそういう理由で鍛えたような気がするな。菜月のさっきの質問への返答は、期待してるとこ申し訳ないけどコレはこの屋敷に来る前からの自前でな。多少は確かに仕事やってるうちに鍛えられてるかもしんないけど、だいたいは来る前に鍛えたヤツ」
「家事も料理も出来て、尚且つ性格も顔も良い上に、身体付きまで仕上げてるとは…………衛宮なんと恐ろしい人間なんだ」
妬ましい羨ましいと、自分が努力してまでそうなりたいとは思わないが、明らか自分よりも出来た男にそう不満を漏らすスバル。
「それを言うなら菜月も多少は鍛えてるみたいじゃないか。一般家庭なら十分良い所まで鍛えられてると思うけどな」
「…………あー、まぁな。趣味っていうかなんというか。それなりに時間はあったからその隙にな……お、俺の話は良いんだよ。せっかくだし、そっちの話聞かせてくれよ衛宮」
「俺の話? ……と言っても聞いても菜月にとって面白いかどうかは知らないぞ?」
「いいのいいの。仕事終わりの〆として同郷の話とか聞きたい訳ですよ」
「んー、そう突然言われてもだなぁ……。それに、もうそろそろ"アレ"が来る頃だろうし」
「アレ?」
「──おんやぁ? 雇い主をアレ扱いだぁーなんて、酷いじゃないかぁ〜」
「うわっ!? ロズワール!?」
「キミもキミで酷い対応だね? 流石にちょっとだけど傷つくネ」
話す2人の間から、顔を出したのは何時もの道化めいた意匠から一転、何も仮面をつけていない真っ新な姿のロズワールだった。
突然の来訪にスバルは驚き、衛宮は「またか……」と疲れたような表情をしながら天井を見上げていた。
「2人ともそういう話なら私もまぁーぜてくれないと」
「いやいやいやいや、そう言う話も何も一労働者として同僚先輩後輩と親睦を深めてる時に上司が横から入ってくるのって、軽い地獄じゃねぇかなぁ!」
「そんな硬いことは私は気にしないのさーぁ。と言ってもエミヤくんは、いつもながらツレないねぇーえ」
「俺は仕事とプライベートは分けてるんで。公私混同はせず、触らぬ神に祟りなし。蛇をつついても良いことなんて何一つない──てなわけで、あとの対応は任せた菜月! じゃあ俺はお先に失礼するな」
「…………は、あっ!? アイツ! 逃げやがった!! ちょっと待てぇ!! まだ話も何も聞いてないぞ!?」
スバルが不満をぶつけようと士郎の逃げた先に目線をやるものの、もう既に士郎は浴場から姿を消し脱衣場の先へと逃げていった所だった。
「──衛宮に何したん……?」
「さぁーてねぇ? 身に覚えがないんだぁけれどねぇ〜え?」
「何もしてなかったらあんなトンズラこくとは思えねぇんだけど……まぁいいや」
「まだまだ心を許してもらえていないよぉーうで? 私は私で悲しいんだけれどもねぇ」
「普段が普段だからじゃね?」
「スバルくん。キミは言葉が直接的過ぎるね。流石に傷付いてしまうなぁ」
本編で出さないだろうと思うので、この時点での士郎の死因
・ウルガルムの呪い
・嫉妬の魔女のハートキャッチ
だいたいずっとウルガルムでお亡くなりになってます
前回の死に戻りはスバルが士郎に漏らしてしまったので、そのまま心臓潰されて死にました
ヒロイン決め ※候補決め
-
フレデリカ
-
ラインハルト
-
エルザ
-
メィリィ
-
ペテルギウス