怒れ、怒りがお前を強くする   作:クシャトリラ・ダストン

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オカ研の赤き矛

 憤怒。

 

 それは人を駄目にする感情の一つだ。

 何故だって?

 

 他(・)な(・)ら(・)ぬ(・)俺(・)が(・)、人(・)と(・)し(・)て(・)駄(・)目(・)に(・)な(・)っ(・)た(・)の(・)だ(・)か(・)ら(・)間(・)違(・)い(・)な(・)い(・)。

 人の身ならぬ人外(アクマ)となって、怒りの道をつきすすむのだから。

 

 自覚はあるが後悔はない、躊躇いもない。

 俺はあの日無力によって、恐怖によって大切なものをを失った。

 

 もう、あんな無様や惨劇はこりごりなんだよ。

 

 

 


 

 

 

「部長、何やってるんですかそれは」

 

「見てわからない?」

 

「見て判断がつくんなら質問してないですよこっちは」

 

 

 部長が不慣れな手つきで俺の顔を揉んでいる。

 

 

「……」

 

「中々硬いわね……こう、かしら?」

 

 

 もう一度言おう。

 

 リアス・グレモリー部長が俺の顔をあっちこっち揉んでるんだよォ……!!

 

 

「辞めて下さい、そろそろ痛いんで」

 

「あら、そう。……ごめんなさい、驚かせちゃったかしら」

 

「そりゃ大層驚かされましたが、いやそこは良いんですよ置いといて下さい」

 

 

 そこじゃあねぇーだろうよ部長殿ォ……!

 確かに衝撃は大きかったがな。

 

 

「俺の顔を、弄ってた理由をお聞きしても?」

 

「秘密よ」

 

「……成程」

 

 

 答えたくないそうで。

 別の意味で頭痛くなって来たなコレ。

 

 

「なら良いです。ところで今日は何をする予定なので?」

 

「他の皆と合流した後、はぐれ悪魔の討伐ね」

 

「その他の皆はどちらへ?」

 

「先に行って貰ってるわ、事情は話しておいたから安心して頂戴」

 

「だからそうじゃねぇんですってポンコツお嬢様」

 

「ポンコ……っ!?」

 

 

 おっと失礼、あまりに受け入れ難い事実に素の口調が……。

 てか何? 俺の顔弄る為に部長と2人きりでサボってたってワケ?

 

 

「さっさと動きましょう部長。手遅れになる前に」

 

「だ、大丈夫よ? 見つけても手を出さないように言ってあるし、今回の悪魔は朱乃達だけだったとしても十分手に負えるわ」

 

「そうだとしてもです」

 

 

 不測の事態が起こらないとは限らない。

 いくら俺らの主人が優秀で、そこも折り込んだ上での判断だとしてもだ。

 

 

「不測の事態に真正面からぶつかるのが、リアス・グレモリーの『戦車(ルーク)』たる俺と小猫の役目ですよ」

 

「紅羽(くれは)……」

 

「その片方の俺がその場に居ないんじゃ示しがつきません、さっさと行きましょう」

 

「ふふ、わかったわ」

 

 

 心なしか気分が良さげな部長が転移の魔法陣を起動させる。

 一連の行動に納得はしていないが、それを黙って受け入れるのも配下の役目だろう。

 ……何も起こってなければ良いんだが。

 

 

 


 

 

 

「……今、なんて?」

 

「終わりました」

 

「部長は手出しするなって言ってたんだよな?」

 

「私がやりました」

 

「堂々と命令違反を口にするもんじゃねぇぞ小猫おい」

 

 

 何してんだこの後輩。

 いや何事もなかったのは良いことなんだが……。

 

 

「……」

 

「木場」

 

「あはは、ごめんね紅羽くん」

 

「まあ、上手く行ったのなら問題ないわ。それくらいにしておいてハルト、先に行くように言った私にも責任があるから」

 

「……了解です」

 

 

 部長殿は部員に甘い……!

 完全に律された軍隊じゃない、だからいくら部長が優しかろうが咎めるつもりはない。

 

 

「……」

 

 

 ……おや?

 この気配は……。

 

 

「クレハ?」

 

「部長、堕天使の気配です」

 

「!」

 

「あらあら……」

 

「あっちこっちに……3体ですかね、ここから結構遠いかと」

 

「……確かにそうね、クレハの探知能力も相変わらずね、頼りにしてるわ」

 

「あっちが力を使ったから気付いただけです。そこまで優秀とは言えませんよ」

 

「行きます」

 

「あ、待ちなさい小猫! って行っちゃったわね……」

 

 

 今日の後輩やけに機嫌悪くないか?

 ストレスの発散相手を求めてバーサー化している気がする。

 

 

「じゃあ私は東に、朱音は裕斗と一緒に南に向かって頂戴。クレハは   

 

「……俺は1人でも問題ないんで、小猫の方に2人で行ってやって下さい」

 

「紅羽?」

 

「無理でも時間稼ぎはできますし、今日の小猫は共闘よりサポートをしてやった方が良いでしょう」

 

「……そうね、それじゃあ頼んだわ」

 

 

 お世辞にも俺はサポートができるとは言える性能でも才能でもない。

 取り柄は戦闘能力だけだ。

 

 

「じゃ、俺もさっさと行って来ます」

 

 

 俺の名前は鬼怒川(きぬがわ)紅羽(くれは)。

 オカルト研究部部長のリアス・グレモリー、その眷属たる戦車にして。

 

 少々怒りっぽいだけの元人間、だ。




原作との変化点的な。

リアス・グレモリー→オリ主に対してそこそこポンが入った。

塔城小猫→攻めっけがほんのり上がった。
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