怒れ、怒りがお前を強くする   作:クシャトリラ・ダストン

1 / 8
オカ研の赤き矛

 憤怒。

 

 それは人を駄目にする感情の一つだ。

 何故だって?

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 人の身ならぬ人外(アクマ)となって、怒りの道をつきすすむのだから。

 

 自覚はあるが後悔はない、躊躇いもない。

 俺はあの日無力によって、恐怖によって大切なものをを失った。

 

 もう、あんな無様や惨劇はこりごりなんだよ。

 

 

 


 

 

 

「部長、何やってるんですかそれは」

 

「見てわからない?」

 

「見て判断がつくんなら質問してないですよこっちは」

 

 

 部長が不慣れな手つきで俺の顔を揉んでいる。

 

 

「……」

 

「中々硬いわね……こう、かしら?」

 

 

 もう一度言おう。

 

 リアス・グレモリー部長が俺の顔をあっちこっち揉んでるんだよォ……!!

 

 

「辞めて下さい、そろそろ痛いんで」

 

「あら、そう。……ごめんなさい、驚かせちゃったかしら」

 

「そりゃ大層驚かされましたが、いやそこは良いんですよ置いといて下さい」

 

 

 そこじゃあねぇーだろうよ部長殿ォ……!

 確かに衝撃は大きかったがな。

 

 

「俺の顔を、弄ってた理由をお聞きしても?」

 

「秘密よ」

 

「……成程」

 

 

 答えたくないそうで。

 別の意味で頭痛くなって来たなコレ。

 

 

「なら良いです。ところで今日は何をする予定なので?」

 

「他の皆と合流した後、はぐれ悪魔の討伐ね」

 

「その他の皆はどちらへ?」

 

「先に行って貰ってるわ、事情は話しておいたから安心して頂戴」

 

「だからそうじゃねぇんですってポンコツお嬢様」

 

「ポンコ……っ!?」

 

 

 おっと失礼、あまりに受け入れ難い事実に素の口調が……。

 てか何? 俺の顔弄る為に部長と2人きりでサボってたってワケ?

 

 

「さっさと動きましょう部長。手遅れになる前に」

 

「だ、大丈夫よ? 見つけても手を出さないように言ってあるし、今回の悪魔は朱乃達だけだったとしても十分手に負えるわ」

 

「そうだとしてもです」

 

 

 不測の事態が起こらないとは限らない。

 いくら俺らの主人が優秀で、そこも折り込んだ上での判断だとしてもだ。

 

 

「不測の事態に真正面からぶつかるのが、リアス・グレモリーの『戦車(ルーク)』たる俺と小猫の役目ですよ」

 

紅羽(くれは)……」

 

「その片方の俺がその場に居ないんじゃ示しがつきません、さっさと行きましょう」

 

「ふふ、わかったわ」

 

 

 心なしか気分が良さげな部長が転移の魔法陣を起動させる。

 一連の行動に納得はしていないが、それを黙って受け入れるのも配下の役目だろう。

 ……何も起こってなければ良いんだが。

 

 

 


 

 

 

「……今、なんて?」

 

「終わりました」

 

「部長は手出しするなって言ってたんだよな?」

 

「私がやりました」

 

「堂々と命令違反を口にするもんじゃねぇぞ小猫おい」

 

 

 何してんだこの後輩。

 いや何事もなかったのは良いことなんだが……。

 

 

「……」

 

「木場」

 

「あはは、ごめんね紅羽くん」

 

「まあ、上手く行ったのなら問題ないわ。それくらいにしておいてハルト、先に行くように言った私にも責任があるから」

 

「……了解です」

 

 

 部長殿は部員に甘い……!

 完全に律された軍隊じゃない、だからいくら部長が優しかろうが咎めるつもりはない。

 

 

「……」

 

 

 ……おや?

 この気配は……。

 

 

「クレハ?」

 

「部長、堕天使の気配です」

 

「!」

 

「あらあら……」

 

「あっちこっちに……3体ですかね、ここから結構遠いかと」

 

「……確かにそうね、クレハの探知能力も相変わらずね、頼りにしてるわ」

 

「あっちが力を使ったから気付いただけです。そこまで優秀とは言えませんよ」

 

「行きます」

 

「あ、待ちなさい小猫! って行っちゃったわね……」

 

 

 今日の後輩やけに機嫌悪くないか?

 ストレスの発散相手を求めてバーサー化している気がする。

 

 

「じゃあ私は東に、朱音は裕斗と一緒に南に向かって頂戴。クレハは   

 

「……俺は1人でも問題ないんで、小猫の方に2人で行ってやって下さい」

 

「紅羽?」

 

「無理でも時間稼ぎはできますし、今日の小猫は共闘よりサポートをしてやった方が良いでしょう」

 

「……そうね、それじゃあ頼んだわ」

 

 

 お世辞にも俺はサポートができるとは言える性能でも才能でもない。

 取り柄は戦闘能力だけだ。

 

 

「じゃ、俺もさっさと行って来ます」

 

 

 俺の名前は鬼怒川(きぬがわ)紅羽(くれは)

 オカルト研究部部長のリアス・グレモリー、その眷属たる戦車にして。

 

 少々怒りっぽいだけの元人間、だ。




原作との変化点的な。

リアス・グレモリー→オリ主に対してそこそこポンが入った。

塔城小猫→攻めっけがほんのり上がった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。