怒れ、怒りがお前を強くする 作:クシャトリラ・ダストン
「無惨に潰えろ汚い悪魔どもっ!」
「こっちのセリフだクソガラス!」
部長達と別れ、急いで向かった場所にいたのはチビの堕天使だった。
「ちっ……逃げ足だけは一流だな」
そして戦況は泥沼化していた。
俺の扱う
さっさと言ってしまうがクソ重い。
俺が未熟故の結果なのだろうがクソ重いのだ、腹が立つ。
「一撃しか取り柄のない、とろい脳筋悪魔に言われたらおしまいっすよ」
目の前の堕天使は一撃一撃が軽い、悪魔故の光の痛みはあるが継戦に問題はない程度。
しかしそれを補うかの様な素早さが厄介だ。
そしてそれは、彼方も同じ。
「っ……こんなことしてる場合じゃねっすのに」
「だったらさっさと討伐されろ」
「そっちが死ねっす」
悪魔と堕天使は、本来交わらない様にしなければならない冷戦状態。
仕掛けたのは俺だ。
しかし
(ここは一応悪魔の領地っす。見られたからには……)
はぐれを殺すと言う名目でなくともここは悪魔の、リアス・グレモリーの領地。
「「……死ね!」」
槍を受けつつも斧を振るう、当たらない。
眷属を殺したら、主から報復があるかもしれないって?
領地を侵している様な輩が、今更そこを気にするとは到底思えないな。
「くそっ! なんで槍が当たってるのに……!」
「……クソ重いだけの斧め……」
それだけクソ重いんだコレ、というか魔王様すら知らんってどんなハズレだよ。
「気持ち悪い斧の神器まで持ってるっすし……!」
「悪かったなぁ気持ち悪くて!」
血の様に真っ赤な重い斧。
特徴としてはそれくらいのもので、本当に詳細不明な神器なのだ。
「めんどくさいっすねぇ……!」
「煩わしいな」
堕天使が苛立ちを露わにしている。
そうだろう、対峙する俺もまた苛立ちを……怒りを、募らせているのだから。
「……今度こそ息の根を 」
「ミッテルト! 何をやっている!」
「うぇっ!?」
「ちっ」
どうやら増援が……いや、そうではないらしい。
「小猫、木場、副部長」
「紅羽くん!」
「……仕留め損いました」
「ごめんなさい、私と木場くんが到着しそうなタイミングで逃げられてしまって……」
なるほど、数的不利を見て撤退し他と合流しようって判断か。
男の方の堕天使、面倒そうだ。
「あの悪魔と……」
「まぁいい。この場は去るぞ」
「は、はいっす」
「あらあら……逃すと思っているのかしら」
姫島副部長が明らかな殺意を乗せて堕天使を見る。
……相変わらず怖い人だなほんと。
「ふん、これ以上貴様らの様な穢らわしい者どもに割いている時間はないと言うだけだ」
「……びびり」
「そんな安い挑発には乗らんぞ、悪魔の小娘」
……下っ端だからか、狡い思考だけはよく回る様だ。
チビの方はと言うと……こっちを思いっきり睨んでるな。
「次は殺す、脳筋悪魔」
「こっちのセリフだチビガラス」
場面は変わって翌日の放課後、オカ研の部室である旧校舎にて。
「皆も知っての通り、最近堕天使が妙な動きを見せているわ」
「各自、契約者と自身の安否を優先することを念頭においておくように」
……結局一撃も当てられなかった。
言い訳がましいが、ああまで素早いと俺との相性は最悪だ。
「こら、聞いてるの紅羽。あなたが一番心配なのよ?」
「……聞いています部長。あとこの中で一番バカなのは小猫です」
「……」
菓子食いながら目で抗議の意を示してくるんじゃねぇ、いの一番突っ込んでったじゃねぇか。
「2人とも! よ。勇敢なのは2人の長所だけれどね」
「「……」」
こいつと同列扱いだと……?
「少しは自分の身を大切にして頂戴……心配になるわ」
「「……はい」」
相変わらず情の深いことだ、本当に。
「あ、あと面白い子を見つけたわ」
「あら、面白い子ですか?」
「ええ、どうやら神器を宿しているみたいなの」
「へぇ」
神器を。
そりゃあ珍しいことだ。
「堕天使達も神器持ちだと気付いたら放っては置かないでしょうし、特に紅羽は目をかけていて欲しいの」
「俺ですか」
「ええ、
有名なクラスメイト。
ふむ、そんな奴いたか……ん、彼?
「は、もしかして兵藤ですか?」
「そうだけど……知り合いだった?」
「……いえ、まぁ知り合い……とはあまり大声では言えませんが……はい」
よりにもよってあの性欲家か!
いや、他2人より接点はあるんだが、いやな。
「善処はします。期待はしないで下さい」
「ありがとう」
……あいつ、俺のこと毛嫌いしてんだがな……イケメンだとかで。
まぁ話さない仲でもない、気にはしよう、一応な。
ミッテルト→素早さの代わりに一撃の威力が低くなった。あと賢さ補正?