怒れ、怒りがお前を強くする   作:クシャトリラ・ダストン

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悪魔に好かれる男

「やぁクレハ、1ヶ月ぶりだね」

 

「……そうなりますかね。お久しぶりです魔王様」

 

 

 俺の名前は鬼怒川紅羽。

 リアス・グレモリー部長の『戦車』にして、現在進行形で悪魔のトップである魔王様と話し合いをしている、ただの下級悪魔だ。

 

 

「『神器』の方は扱えそうかい?」

 

「残念ながら、全くと言って良いほど進展はありません。この前も下っ端らしき堕天使のチ……クソ……んん"っ、小さい奴との小競り合いで、俺が使われてばかりでしたので」

 

 

 我ながら語彙が荒っぽい。

 魔王様の前じゃ気をつけねぇとなんだよな。

 

 

「……」

 

「……と、とにかくあまり進展はありません。それで今回はどのような?」

 

 

 魔王様は笑ってるんだけど、グレイフィアさんがな。

 あの人怖いんだよな……息子のミリキャス様に悪い影響を与えるって建前じみたこと言われたけど、絶対俺程度じゃ影響させれんて。

 何故なんだかなぁ……。

 

 

「ライザー君から、君に会いたいと打診されているんだよ」

 

「げ」

 

「ははは、相変わらず面白い反応をするね」

 

「……またですか」

 

 

 ライザー・フェニックス。

 端的に言うと元72柱であるフェニックスの一族であり、部長の婚約者。

 しかしロマンチストな部長からは嫌われておりあまり良好な関係ではない為、ほぼほぼ魔王様と俺が繋ぎ役みたいなものである。

 

 理由? 下級悪魔のくせになんでだって?

 知らんよあっちが俺を気に入ってんだ。

 初対面の頃からするとマジでこうなると思わんかったとだけ。

 

 

「フェニックス家の方々とは随分良好な関係みたいだね。この前会った時、フェニックス卿からレイヴェル・フェニックス嬢との婚約を持ちかけられた程だ」

 

「は?」

 

「彼に伝えておきます、とだけ返しておいたよ」

 

「……配慮、ありがとうございます」

 

 

 待てと。

 俺ただの下級悪魔、身分不相応、そもそも好かれる理由がわからん!

 あいつらどう言う神経してんだってかレイヴェル・フェニックスってライザーんとこの僧侶だよな。

 俺が、あっちの僧侶が、どちらにせよ引き抜きじゃねーかっ!?

 

 

「今ならライザー君の所の『兵士(ポーン)』2人が付いてくるとも」

 

「いやおまけセットじゃねぇんですからね? 眷属をそんな扱いしてんじゃねぇと……」

 

 

 何やってんだあの煩悩焼き鳥ィ……!

 眷属を大事にしやが……あっ。

 

 

「……」

 

「……眷属は大事にするように、あと暫くは忙しいのでそっちに出向くことはできない、とお伝えください」

 

「ふふ、分かったよ」

 

 

 やばいってグレイフィアさんに矯正される。

 あの人俺にとってはどんな状態でも危険なんだよっ……!

 

 

「今回伝えるべき要件はそれだけだよ。わざわざ呼び出してすまないね」

 

「いえ、俺は魔王様に救われた身です。必要な時はいつでも」

 

 

 俺が拾われたのは、厳密には部長ではなく魔王様……だったらしい。

 あんまり覚えてないってのが正直な感想なんだが、そう言われたからそう思ってる。

 

 そっから、色々あって枠が空いてるからと部長の『戦車』となって今に至る。

 なんでフェニックス家に好かれてんだろうか?

 

 

「ふふ……」

 

「……」

 

「?」

 

「何でもないよ。……ああ、それと君の神器についてだが」

 

「! 何かわかったんですか」

 

「残念ながら詳しいことはまだわかっていない。何せ悪魔陣営(わたしたち)は神器関連に疎いからね」

 

 

 1人、詳しいと見ている人物はいるけれど。

 と呟いてはいるが、多分その人めんどくさいんだろうなぁ。

 色んな意味で。

 

 

「……そうですか」

 

「君には君の成長の一歩がある。他人と比べて、自分を追い込むことがないようにね」

 

「君はその傾向が特に強い」

 

「部長にも似たようなこと言われました」

 

「ならリアスもそう感じている、と言うことだろうね」

 

「……うす」

 

 

 悪魔の中でもトップクラスに強い2人の前で言われても……ってのは正直否めない。

 それでも歩き続けるしかないんだから、確実に踏みしめていくんだが。

 

 

「じゃあ、失礼します」

 

 

 


 

 

 

「グレイフィアさん」

 

「……訓練ですか」

 

「はい、お願いしても良いですか」

 

 

 魔王様との話し合いが終わった帰路にて。

 俺は頃合いを見てグレイフィアさんに修行を申し込んでいた。

 

 

「時間がないのではなかったのですか」

 

「ええ、今駒王町には堕天使が紛れ込んでいる、リアス・グレモリーの眷属としていち早く戻るべき……なんだと思ってます」

 

「では何故?」

 

 

 この人は俺にとって戦いの……眷属悪魔としてのほぼ全般の師匠である。

 まだまだ、この人から学ぶべきことは多いんだ。

 

 

「火力が低い代わりに素早い相手」

 

「そう言う敵に対して、俺は手も足も出せないからですよ」

 

「眷属が個人プレーではないことは重々承知しています。しかし対応できないまま、というのは俺の気が収まらない」

 

「部長にも1日だけ許可は貰ってます、修行を付けてもらえませんか」

 

「……その負けず嫌いは誰に影響されたのでしょうね」

 

 

 さぁ、思い当たる節は沢山あるんで。

 

 

「良いでしょう、ですがあまり優しくはできませんよ」

 

「むしろ厳しくして欲しいくらいです」

 

 

 焦るなと言われても、俺には強くならなきゃならん理由が、怒りがあるんだ。

 強くなるための一歩を、思いっきり走り出すくらいのことはしてやるさ。




グレイフィア→スパルタな師匠。

フェニックス卿(ライザーやレイヴェルの父親)→なんかオリ主の評価高い。

ライザー→子は親に似た。

レイヴェル→???

ライザーの眷属2人(兵士)→???


こんな感じ、なんか悪魔に好かれるフェロモン出てそう。
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