ある日モモトークにて、アビドス高校の生徒5人にメッセージが届いた…
〜先生〜
みんな久しぶりだね、近い内にまたアビドスに行く用事が出来てさぁ〜
これはアビドスの生徒達にしか頼れないことなんだ、だから協力してくれない?
あ、今回は勿論活動許可の申請は出して認可されてるから安心してね。
私のメッセージに、5人の既読が付いた。
「今頃作戦会議かな…?」
シャーレの執務室で仕事しながら、モモトークにメッセージが来るのを待った。
〜アビドス緊急会議室inモモトーク〜
ホシノ「先生のメッセージ、どう思う?」
ノノミ「以前ホシノ先輩とシロコちゃんとセリカちゃんが、参加した活動と同じ匂いがしますね」
シロコ「ん、嫌な予感がする」
アヤネ「活動許可の申請が、認可されたのも妙ですね…」
セリカ「つまり先生が、またバカなことを始めようとしてるのね…」
…
ホシノ「取り敢えず先生と協力して、ダメそうだったら先生を捕まえてアビドス高校で保護しよっか?」
ノノミ「了解で〜す」
シロコ「ん、それでいいと思う」
アヤネ「分かりました!」
セリカ「本当、先生は私達がいないとダメな大人なんだから…」
しばらくしてアビドス高校の生徒5人から協力するという連絡が来て、数日後の朝にアビドス自治区の駅前に集合することになった。
〜数日後、アビドス自治区の駅前〜
「おっはよ~」
朝早くにも関わらず、待ち合わせ場所に一番乗りしていたホシノ。
「ん、おはよう」
「おはようございま〜す」
「ホシノ先輩、おはようございます」
「おはようございます、ホシノ先輩が一番乗りですか…?」
それを見たシロコ・ノノミ・アヤネ・セリカは少し驚いた様子だった。
「いや〜今日はおじさん、早く目が覚めちゃってねぇ〜先生はバス停で待ってるみたいだから全員そろったし行こっか〜」
全員が集合したことを確認し、歩いて移動を始めたホシノ…
「ん…」
…そのホシノの後ろで、シロコは3人にアイコンタクトを送った。
バス停の近くまで行くと、先生が待っていたのだが…
「おお〜みんなおはよう、待ってたよ〜」
「先生〜おは…」
…ホシノは朝の挨拶を止めた。
先生の横に公衆トイレぐらいあるBOX、入口5つのカーテンにホシノ・ノノミ・シロコ・アヤネ・セリカと書かれていたからだ。
…
「…?」
私は5人が見慣れない光景に固まったのを確認した、まぁそりゃそうだね…
「ん、ホシノ先輩」
「そだね、プランBで〜」
「了解で〜す」
「…えぇ?プランBって何?」
先生は自分の捕獲作戦が始まったことなど知らず、困惑していた。
そしてホシノが先生を捕まえる為に、一歩前に出ようとしたのだが…
ガシッ!
「…あれ?」
「ん、ホシノ先輩」
「一緒に来て下さいね〜」
…何故かホシノはシロコとノノミに肩を掴まれ捕まった。
「ちょっ、シロコちゃん!?ノノミちゃん!?」
「…先生はその場でお待ち下さい」
「アッハイ」
アヤネに持つ様に言われた私は、ズルズル引きずられて行くホシノをそのまま見送った。
「…なんか、思ってたのと違うな」
〜バス停から少し離れた場所〜
「ちょっとみんなどうしたの?プランBって先生を捕獲する作戦でしょ?捕まえる相手を間違えてない…?」
動揺するホシノに、シロコは再び3人へアイコンタクトを送り…
「ん、セリカ」
…シロコはセリカに何かを投げ渡した。
「…これは?」
投げ渡されたのはサングラス。
「ん、エージェントセリカ、容疑者ホシノに尋問を」
「シロコ先輩、これ…やらなきゃダメですか?」
「なら私が代わりにやるから、サングラス返して」
シロコに返答する前に、セリカはサングラスをかけてエージェントセリカにジョブチェンジした。
「あ〜セリカちゃん知ってるよ〜?それ先生との妙な活動で使ってたヤツでしょ〜?」
「ホシノ先輩…いえ容疑者ホシノ、いくつかお聞きしたいことがあります」
「…え?おじさん容疑者なの?」
「いつも眠そうにしてるのに、何故容疑者ホシノはその…今キリっとしてるんですか?」
「…え?」
「こんな朝早く一番乗りで、集合場所にいるなんてホシノ先輩らしくないというか…」
「…」
痛い所を突かれたのか、ホシノは狼狽えた。
「ん、それだけじゃない」
「…シロコちゃん?」
「緊急会議室で"先生を捕まえてアビドス高校で保護しよっか?"って言ってた」
「…」
「先生を保護する理由って、何?」
「う…」
そのことに気が付いたシロコは、ホシノ抜きでアビドス緊急会議室inモモトークその2へ3人を集めてこのプランBを提案した。
「何を隠してるか言わないと、悪い容疑者にはもう膝枕してあげませんよ〜?」
「なっ!?」
「容疑者ホシノ先輩、観念して下さい」
「…」
まさかこんな早くバレるとは思っていなかったホシノは、両手を挙げて降参した。
「いやぁ〜参った参った、おじさん降参だよ〜シロコちゃんとセリカちゃんスゴイねぇ…先生との妙な活動ってそんな能力までアップするの?」
サングラスを外したセリカは、恥ずかしそうにしていた。
「…いえ、多分関係ないです」
「ん、私達も日々成長している」
「…そっか、後輩達の成長を見られておじさん嬉しいよ〜」
「私とアヤネちゃんは、その活動に参加出来て無いので仲間外れは悲しいです…」
ノノミはシクシクとウソ泣きをしながら、アヤネの肩に寄り添った。
「あの…私は別に活動とか興味無いです」
「…アヤネちゃんは冷たいですね」
「ん、本当は興味津々」
「ち…違います!」
「それで…ホシノ先輩は何を隠してるんですか?」
話が脱線して来たので、セリカが核心に迫った。
「…実は数日前にとある人から、モモトークで連絡が来てさぁ〜」
ホシノは自分のスマホで、モモトークを起動した。
「とある人から…」
「…連絡ですか?」
「うん、この人」
そしてホシノはスマホの画面を4人に見せた。
…え?
スマホの画面に写っていたのは…
連邦生徒会の首席行政官3年生。
七神リンだった。
「要約すると、こんな感じだね…」
・先生が度重なる激務で、疲労困憊らしい。
・この事態を重く見た連邦生徒会は、先生に休暇を与えるべく活動申請を認可した。
・今までの行動を分析した結果、アビドスの生徒と活動している時が先生の疲れが1番取れていることが判明した。
・そこで先生リフレッシュ作戦のタスクフォースにアビドス高校も参加して欲しい。
「…ということなんだけど」
…
「ホシノ先輩…」
「何かな?ノノミちゃ…」
ホシノは固まった、ノノミの顔は笑っているが目が笑っていないのである。
「またですか?」
「うん、そうみたいだね〜」
「本当に先生は…めっ、ですよ」
「うん、ノノミちゃんの言う通りだから少し落ち着こうか〜」
「シロコ先輩、以前先生のお仕事を手伝ったの覚えてますか?」
「ん、覚えてる…」
「シャーレの仕事量、頭おかしいですよね…?」
「アビドスの生徒達と活動してる時が、先生の疲れが1番取れてる…ホシノ先輩がカフェでお寿司を食べてる回ですかね?」
「…ん?」
各々の思惑入り乱れる中、ふと気になることを言ったアヤネにホシノが反応した。
…
「え、なんですか?」
「アヤネちゃん、詳しいね〜」
ガシッ!
「え!?なんですか!?」
今度はアヤネがシロコとノノミに捕まり…
「シロコちゃん、貸して貸して〜?」
「ん、どうぞ」
…シロコはサングラスをホシノに渡し、ホシノはサングラスをかけてエージェントホシノにジョブチェンジした。
「コホン…えーと容疑者アヤネちゃん、正直に答えてねぇ〜」
「ちょっと!?尋問始めないで下さい!」
「シャレっち寿司の回で、先生とおじさんが話した内容で1番印象に残ってる話は?」
「先生の世界で超有名スポーツ選手の通訳が凄い金額のお金を銀行口座から盗んだ影響で、アビドス高校の借金9億6235万円と比較されて、アビドスの借金は大したことないなって言う先生達が出て来た話ですね、あの話は今でも腸煮えくり返ってます」
…
「アヤネちゃん、詳しいねぇ〜釈放〜」
「あ〜あの話ですねぇ…」
「ん、アヤネもこっち側」
「ち!ちが!違うんです!」
「アヤネちゃんもバッチリ見てるのね…」
なんだかんだダメな大人の影響を受けまくってる、アビドス高校の結束がより一層高まった…かもしれない。
「うーん事情は分かりましたけど、問題はこれからどうするかですね…?」
先生のリフレッシュ作戦に参加するか否かを話し始めようとしたが…
「ん、ノノミが怒る必要は一切ない…寧ろこの状況はアドバンテージ」
「それは…どういうことですか?」
…シロコの見解にノノミだけでは無く、全員が耳を傾けた。
「連邦生徒会の首席行政官も言ってたけど、アビドスの生徒と活動している時が先生の疲れが1番取れている…と」
「あ…それってつまり」
「このキヴォトスで私達が、先生を1番癒してあげられる生徒ということ…!」
!!!
その時、5人に電流走る。
これはとんでもない愉悦だ、これだけで他校の生徒相手にマウントが取れる。
これを他校幹部クラスの生徒に言ったらどうなるか、ハンカチを噛み締めて引き千切りビリビリになるに違いない。
その姿を私達は、高みの見物が出来るということ…
これは劇薬だ。
…
「うへ〜シロコちゃん悪い顔してる〜」
「ん、ホシノ先輩程ではありません」
「じゅるり…」
「ノノミちゃんも機嫌治ったみたいね〜」
「ちょっと皆さん、こんなこと良くないですよ…」
「そう言うアヤネちゃんだって口元、緩んでるじゃない…」
「長い間、先生を放置し過ぎたね…そろそろ戻ろっか〜」
「ん、皆で円陣を組んで気合を入れる」
「いいですねぇ!組みましょう!」
5人は先生リフレッシュ作戦に、参加することを決意し円陣を組むことにした。
「先生にバレない様に、小さな声で…」
「ホシノ先輩、お願いします」
「もしまた先生が倒れたら、キヴォトスで大きな混乱が起こるかもしれない…だから」
先生をいっぱい癒すぞー
おぉー
この時、まだアビドス高校の生徒達は知らない。
このアドバンテージは、中々覆せない大きな壁である。
しかし…
先生を癒してあげられる、唯一無二の生徒という。
喉から手が出る程欲しい立場。
そう…
アビドス高校の生徒達は、良い思いをしてるし。
その逆にちょっとぐらい痛い目に合っても、プラマイゼロだよね〜
という各校の思惑に…
アビドス高校の生徒達は…
まだ気が付かない…