ついに始まった。
絶対に笑ってはいけない。
アビドス高校24時。
外置き更衣室やバスに乗る際、多少のアクシデントはあったが概ね順調なペースだ。
しかしここでついに…
アビドス高校を待ち受ける、笑いの刺客が現れる!
…バスネタの始まりである。
「…あれ?」
最初の異変に気が付いたのはホシノだ。
「ん?どうしたの?ホシノ?」
「バスのスピードがなんか…」
それと同時にバスは完全に停車し…
ビーッ!!プシューッ!!
…バスの扉が開いた。
「あ〜、ここはバスの停留所だね」
停留所…?
アビドスポイント
第1停留所に到着。
「ん…?誰か来る…」
停留所に到着したバス、移動で使うのは専用バスだと先生が言っていた。
しかしこのバスは区営バス、他に利用したいお客さんが停留所にいればバスは止まる。
では…
…その停留所にいる生徒とは?
「ちょっと!風紀委員会の連中に見つかっちゃうよ!このバスに隠れよう!」
!?
バタバタと複数人の生徒達が、バスの中に駆け込んで来た。
「まさかここまで追いかけて来るなんて、風紀委員会も本気ですねぇ〜」
「はぁ〜慣れない服だから疲れちゃった〜お腹空いたなぁ〜」
バスに入って来たのは、ジュンコ・アカリ・イズミの3人と…
「フフッ…」
…最後に現れたのはハルナだ。
「先生、そしてアビドス高校の皆さん」
明けましておめでとうございます!
アビドスポイント
美食研究会(正月)
「先生、今年もよろしくお願いしますわ」
今年もよろしくお願いします!
…
「フフッ…(笑)」
デデーン!!
アヤネ・アウト!!
カオスな状況に耐えられず、アヤネが轟沈した。
アヤネの元に、ケツバンアーミーさんが駆けつけた。
「ん、アヤネは真面目過ぎる」
「は、分かってはいるんですけど…」
バン!「あぅっ!」
容赦なくケツバンアーミーさんに、お尻を撃たれる様子を見たジュンコ。
アビドス高校がこの席に付かなければ、自分達がこうなっていたかもしれない。
笑いの刺客側で本当に良かったと、ジュンコの内心で歓喜と恐怖が渦巻いた。
「アヤネちゃん〜ドンマイドンマイ〜」
「アヤネちゃんは真面目過ぎますね〜」
「うぅ〜…」
何がアヤネにアドバイス出来ないか、シロコは思案を巡らせる。
「ん、アヤネ良く聞いて」
「は、はい…」
「ここはもうカオスな空間、お正月は数ヶ月前に終わったとか、新年のご挨拶をしてくる美食研究会とか、そもそもここはアビドス自治区なのにゲヘナ風紀委員会が追い掛けて来るとか、真面目に考えてたら身が持たない、だからアヤネはいつもの3倍アホになって」
…
「え?シロコ?めっちゃ喋るねぇ…」
私は驚いた、あのシロコが長いセリフで必死にアヤネへアドバイスしてる。
「ちょっとシロコちゃん!?そんな真面目に解説するなんて…」
「フフッ…(笑)」
デデーン!!
ホシノ・ノノミ・アヤネ・セリカ・アウト!!
考えない様にしてたことを丁寧に説明されて、無理矢理意識されられた4人は轟沈した。
てか3倍アホになって…?
どんなアドバイスだよ…
バン!「あ痛…」
バン!「痛っ!」
バン!「あぅっ!」
ボン!「アッツゥッ!」
「…ん?」
アビドスポイント
シロコは分かって無い。
「先生…」
「…どうしたのハルナ?」
「アビドス高校の皆さんは、とても仲がよろしいのですね…」
「ごめんね…そういえばハルナ達、放ったらかしだったね」
「お構いなく」
さて、以前私がテロリズミングお嬢様という称号を与えたハルナ。
一体どんな仕込みをしてるのやら…
とその前に…
「えーと、ちょっといい?」
…?
私が手を挙げてやりたいことをする。
「イズミ、前に出て来て〜?」
「どうしたの?先生?」
「え〜イズミさん!正月衣装実装!おめでとうございます!ハイ拍手!」
パチパチパチパチパチパチパチパチ!
「…良く分からないけど?ありがとう?」
これだけはやっておかないとな、ぶっちゃけトップバッターに起用した理由コレだし。
そんな嬉しい知らせをお祝いしていた…その時だった。
おおおおお!!!
!?
「き、来た!隠れて隠れて!」
声が聞こえた瞬間、美食研究会の4人は頭を低くして隠れた。
バスから窓を眺めると…
「この辺りに逃げ込んだという情報がありました!総員!散開!」
おおおおお!!!
「な…何だあれは!?」
!?
アビドスポイント
騎馬戦でエレメントを組んで、爆走する風紀委員の生徒達を率いるアコ。
…どうやら血眼になって、美食研究会を探しているみたいだ。
その時…
チラッ…
私はアコと目が合った。
!?
私は小さく首を振った。
サッ…
アコは直ぐに視線を逸らした。
「この辺りにはいないみたいです!総員!1ブロック前進!」
おおおおお!!!
風紀委員の生徒達は、騎馬戦で爆走しながら走り去って行った。
…
「ふぅ…行ったみたいだよ〜」
「いやいやいや!?ちょっと待って!?」
セリカの異議申し立てと同時に、アビドス高校の生徒達が全員立ち上がった。
「え?どうかした?」
「風紀委員の生徒と目が合って、なんか情報をやり取りしたでしょ!?」
…
「いや…目合ってない…よ?」
「おじさんも見てたけど、小さく首振ったよね…?」
…
「…別に?…振ってない…けど?」
アビドスポイント
先生のウソが下手クソ。
「ウソが下手っぴな先生、かわいいですね〜(笑)」
「フフッ…(笑)」
デデーン!!
全員アウト!!
ノノミの誤射で全員轟沈した、役割BACKだしEXスキルの範囲も広いからね…
「ちょっとノノミちゃん!付け足しで笑わせて来るのダメだって〜!」
ホシノのダメ出しにも、お構い無しにケツバンアーミーさんが迫る。
バン!「あ痛…」
バン!「ん"っ!」
バン!「痛っ!」
バン!「あぅっ!」
ボン!「アッツゥッ!」
「見てない…見てないもん」
私の完璧な誤魔化しという藪蛇に、痛いツケを払った。
さて、そろそろ抗議してくるかな…?
「ちょっとこれおかしいんじゃないの!?」
「セリカ…?どうかした…?」
アヤネに冷却スプレーで、お尻を冷やしてもらいながらセリカが抗議した。
「さっきから私の時だけ、ドラゴンブレス弾が出るんだけど!?こんなのインチキよ!」
先程からドラゴンブレス弾が、セリカのお尻をメラメラにしている件で異議ありな様子だ。
ブーッ!ブーッ!ブーッ!
なんだ!?またなんか震えた!?
「待って待って、情報が来ました」
私はタブレットで情報を確認した。
「えーとセリカがアウトの場合、ドラゴンブレス弾が出る確率は…ん!?」
私は画面を何度も確認した。
…?
「…何?どうしたの?」
私の様子に、疑問符を浮かべるセリカ。
「いや、ちょっと意味分かんないことが書いてあってさぁ…」
「…え?」
「鳩胸と猫背が戦った場合の、鳩胸の勝率と同じぐらいなんだって…」
…???
「本当に意味が分からないだけど…」
「ごめん、これは追って確認するね…」
「…セリカさん」
「…え?な、何よ!?テロリスト!?」
突然ハルナに名前を呼ばれて、反射的にテロリスト呼ばわりしたセリカ。
大体合ってる。
「セリカさんの時にドラゴンブレス弾が出るのは、運がいいということではありませんか…?」
「…は?」
「今年はきっと当たり年ですわ、セリカさんにとっていい年になりますわね!」
「いやいや!初詣のおみくじで大吉が出た感覚で言ってるけど、あんた達のお正月衣装と掛けてるのなら全然うまくないから!」
シーン…
アビドスポイント
受取人不在。
この空気に誰も近寄らない様に、その場の誰もが敬遠した結果…
「なんで私がぁ!スベったみたいにぃ!なってんのこれぇ〜!!!」
頭を掻きむしり、怒りに震え上がるセリカ。
「フフッ…(笑)」
デデーン!!
ノノミ・アヤネ・アウト!!
セリカから距離的に近く、怒りの圧でノノミとアヤネが轟沈した。
「この短時間で、セリカちゃんを把握するなんてやるねぇ…」
「ん、美食研究会は狡猾」
バン!「痛っ!」
バン!「あぅっ!」
ケツバンアーミーさんにお尻を撃たれるノノミとアヤネを眺めながら、美食研究会への警戒レベルを上げたホシノとシロコであった。
「ところでさぁ、ここはアビドス自治区なんだけど…美食研究会の皆はどうしてここに…?」
私はやっと美食研究会の生徒達へ、風紀委員の生徒達に追われる事情を聞くことにした。
「はい、アビドス自治区の神社で初詣をしようと思いまして…」
「ついでに屋台巡りですね〜」
「途中までは良かったんだけど…」
「…後はいつも通りよ」
「あ〜…屋台を2〜3件、吹っ飛ばしたのか」
風紀委員会は美食研究会を尾行し、アビドス自治区で待ち伏せでもしてたのかな?
アコは懲りない子だね…
…
「アビドス高校の皆さん、ご安心下さい」
…?
「今回は台本ですので、実際に屋台は吹っ飛ばしていませんわ」
…
アビドス自治区でテロが起こったのかと、警戒したが台本と聞いて安心し全員セーフ。
「ところで先生…?」
「…ん?」
「初詣が終わった後に、おせち料理を召し上がろうと持って来たのですが…」
「あーそういえばバスに乗った時から、そのドラムバッグ背負ってたけど…そこにはおせち料理が入ってるの…?」
アビドスポイント
ハルナの右肩に見慣れないドラムバッグ。
「そうだ!大変なの!先生!」
「風紀委員の生徒達に追われて、逃走の際に混乱してしまいまして〜…」
「フ…フウカとはぐれちゃったの」
「…え!?フウカもいるのか!?」
「一緒におせち料理を食べませんか?と拉致…ではなくお誘いしたのですが、逃走の際にフウカさんが行方不明になってしまいまして…」
マジで!?一大事じゃないか!?
「本当にフウカさん、一体どちらに…」
目に見える範囲にフウカはいないか…?
ハルナが左回りで後ろを向いて、バスの中から窓を眺めてフウカを探し始めた。
クルッ…
その時だった…
!?
ハルナの右肩に背負っているドラムバッグ…
その中身と…
目と目が合った…
눈_눈
「フフッ…(笑)」
デデーン!!
全員アウト!!
アビドスポイント
ドラムバッグの中から首だけ出てるフウカ(正月)
まさかのフウカ登場に、アビドス高校の生徒達は全員轟沈した。
「ハルナは…上手いなぁ」
ハルナはバスに乗った時から極力、アビドス高校の生徒達からドラムバッグの後ろが見えない様に立ち回っていた。
フウカが行方不明であることを、ジュンコが言った際に若干綻びがあったけど我慢した。
ジュンコ、あれよく我慢したね…
後ろに振り向く時も左回りだった。
右回りだと、右肩に背負っているドラムバッグが自分の視野に入ってしまう。
そうなるとフウカが行方不明、というロールプレイが出来なくなるから左回りで対策したのか…
バン!「あ痛…」
バン!「ん"っ!」
バン!「痛っ!」
バン!「あぅっ!」
ボン!「アッツゥッ!」
アビドス高校の生徒達を笑わせる為に、1つ1つの動きに思考を凝らしているハルナに関心しながらケツバンアーミーさんの容赦無いフルショットをチラ見した。
「このテロリスト!頭おかしいんじゃないの!?」
「…はい?」
拉致った生徒にとんでもない扱いをしていることへ、怒り心頭のセリカ。
「セリカちゃん!ダメダメ!」
「ん!これは罠!」
「ぐっ…」
冷静なホシノとシロコは、直ぐ様セリカへ挑発に乗らない様に指示した。
…
「先生!セリカさんが何かお気づきになったみたいですが…一体何が!」
!?
まぁ、私に振るよね…
「あ〜ハルナ?フウカなんだけど…多分後ろにいるんじゃないかな?」
私は恐る恐る、ハルナの後ろを指差した。
「…え?後ろですか?」
白々しいハルナは勢いよく、左回りで後ろに振り向いた。
「一体何処にっ!?」
クルッ!
ゴンッ!
눈_눈「ん"っ!」
!?
ハルナは器用にドラムバッグinフウカが、視野に入らない様に振り向く…
「何処にもいませんわね…?」
クルッ!
ゴンッ!
눈_눈「ん"ん"っ!!」
…その度にドラムバッグinフウカの頭が、バスのつり革にぶつかった!
アビドスポイント
フウカの扱いが雑。
「フフッ…(笑)」
デデーン!!
全員アウト!!
ハルナの名演技に主演女優賞が出なかった代わりに、全員轟沈でケツバンアーミーさんからゴム弾が贈られる。
「もぉ〜!頭おかしいコイツらぁ〜!」
セリカの気持ちは分かるけど、これぐらい頭がおかしくなけりゃゲヘナでテロリストは務まらないんだよなぁ…
バン!「あ痛…」
バン!「ん"っ!」
バン!「痛っ!」
バン!「あぅっ!」
ボン!「アッツゥッ!」
頭のおかしな美食研究会など目もくれず、お尻を撃つケツバンアーミーさん。
しかし、ここで救いの手が…
見つけたぞぉ〜!美食研究会だぁ〜!
!?
アビドスポイント
風紀委員会に見つかる美食研究会。
「見つかった!逃げるわよ!」
「フフッ…そろそろお時間のようですね、私達はこれでお暇いたしますわ」
「アビドスの皆さ〜ん」
「頑張ってね〜」
そう言い残し、美食研究会の4人はバスを降りて行った。
すると車のエンジン音が聞こえ、窓の外から声が聞こえた。
「それでは皆さん!お達者で〜!」
そう言いながら、給食部から拝借した自動車に乗り込み美食研究会は逃げ出した。
「待てぇ〜!逃がしませんよぉ〜!」
おおおおお!!!
アビドスポイント
車で逃げた美食研究会を、騎馬戦で追い掛ける風紀委員会。
私はアコにアイコンタクトを送り、静かに親指を立てた。
アコもウィンクしてそれに答えてくれた。
慌ただしく、ゲヘナの生徒達は去って行った。
…
ビーッ!!プシューッ!!
やがてバスの扉が閉まり。
「じゃあ運転手さん、発車オーライ!」
ファ~ン!
停留所に誰もいないことを確認し、再びバスは走りだした。
アビドス高校を目指して…
「いや〜すごかったね、美食研究会」
最初の山場を超え、私は感想を述べた。
「あれは先生の仕込みなの?」
座ってて疲れたのか、肩を解すホシノ。
「いや、全部ハルナだろうね…」
ドラムバッグにフウカが入ってるなんて、私の世界で芸人がやってたなぁ…
「それにしてもつり革にガンガン頭ぶつけてたよね、フウカちゃん大丈夫…?」
「…心配だから、後で救急医学部のセナに連絡しておくね」
「そういえば…美食研究会が車で逃げ出した時も、まだフウカちゃんドラムバッグの中にいたね?」
…
「フフッ…(笑)」
デデーン!!
ホシノ・アウト!!
アビドスポイント
ホシノ自滅。
「あぁ〜!もぉ〜!なんでおじさんが笑ってるんだぁ〜!」
「ん、ホシノ先輩も狡猾」
仲間を笑わせようとしたが失敗轟沈するホシノに、ケツバンアーミーさんから鉄拳制裁のゴム弾がお尻に撃たれた。
バン!「あ痛…あ〜…」
「いいですねぇ〜今いいの入りましたよ〜」
デデーン!!
ノノミ・アウト!!
アビドスポイント
ノノミ深追い。
「あ…」
「ん、2人とも自業自得」
こうして笑わなければいい、などと息巻いていたがアビドス高校の生徒達はこの状況に慣れてしまった…
この先もまだまだ、笑いの刺客が待っているというのに…
バン!「痛っ!」
ケツバンアーミーさんの活躍も、まだまだ続きそうだ。
(演し物は終わりましたか?)
(まだ終わってないよ)
(分かりました)
(アコ、グッドラックb)
(先生も、幸運を(^_-))