新人小説投稿者の矢矧乙葉です!
稚拙ではありますが、興味深いなと思っていただけたら幸いです。
基本的に二週間ごと日曜日に投稿していこうと思っています。
“世界”に絶望した高校生
A市にある小都市B区、ここは至って平凡な街だった。
そう、あの日あの時までは––––
B区の北にある山の中を一人、駆けている者がいる。秋から冬本番を迎える季節。風が肌を冷やし、植物の枝が服や皮膚に傷をつける。
だが、そんなことも気にせず––––いや、気にする余裕もなく、彼、
はぁはぁ
11月初旬の山岳地帯の高地はかなり寒い。吐いた息が白く四散していく。山に開けたところに出て、それを見る。
遠方には山と海に囲まれた発展した市街地が見える。中心部から少し離れた山から、ここからでも見えるほど大きな炎と煙が上がっていた。
それを見て、俺はいつのまにか口に出していた。
「あの狂った奴らのせいでッ」
それを口に出して俺は、我に帰る。急いで逃げなければ、残された俺もあの街の狂った連中に殺される。
とりあえず更に進んだ先に、あまり知られていないキャンプ場がある。できる限り早く辿り着けるよう、ペースをあげよう。あそこなら、徒歩か自転車、バイクでしか来れないから奴らに気付かれずに済むだろう。
そうして俺は、目の前に
【とあるキャンプ場】
「ふう。やっと休息を取れるな」
俺はキャンプ場に辿り着き、布を被せたランプのみの最低限の灯りの中、テントの中で過ごしていた。途中にあったパン屋の自販機で幾つかのパンを買っておいてよかった。煮たり焼いたりしていたら匂いがするからな。
さて、飯も食ったし、これまでのことを振り返ってみて、明日の行動を決めて仮眠を取ろう。
まず、今俺がどんな状況にあるか、だな。
俺は今、東京を発祥とした新興宗教団体にして、
では、なぜ俺の命が狙われているかだが、その理由は単純明快だ。
俺が“
奴らは他宗教全てを「異教」だの「冒涜者」だの「人類の裏切り者」だのとして、とことん全てを破壊してきた。物理的にも、精神的にも、社会的にも、ね・・・
だから、B区で最も古く、有名で、愛されていて、この地を、この地に住まう人々を守ってきていた“稀穂神社”の次期宮司である俺、稀穂和葉という人間を狙っているわけだ。
それで俺は、鉄道のターミナル駅がある隣街まで、山岳地帯を通って向かっているわけだ。
俺と同じく、逃げ出せた神主や巫女、信者の方々も、この山岳地帯を進んでいる。
明日は朝から動けば、明日の夕方には駅まで行けるはずだ。ただ、気を引き締めないとな。
奴らは何をどう布教したのか知らんが、文字通りB区の住民2万人超全てを、ほんの少し前まで他宗教を信仰していた者さえも、信者にしているからな。
人数だけは多いはずだから、どこかで鉢合わせる可能性も充分ある。とにかく、警戒が必要だ。
とりあえず明日の予定や状況確認は以上として、これまで何があったのかを、もう一度、しっかり思い出して脳裏に焼きつけておこう。
全ての始まりはあの日、ある春の日だった————
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
次回は、日曜日の23時ごろに投稿します!
誤字脱字があれば、指摘していただけると嬉しいです。