稀穂和葉の身に起きた出来事とは一体どんなものなのか・・・
全ての始まりはあの日、ある春の日だった————
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俺はその日もいつものように、稀穂神社の境内売店で土産物を売る手伝いをしていた。
まず、うちの神社についてだが、規模で言えばかなり大きく広いと思う。
簡単に表すと・・・
神福山山頂
|
奥宮 宝物殿
奥宮社務所|宮司住居
鳥居
|
〜
酒 | 本殿 展
造ーーーー|ーー望
大鳥居
社| 舞
務| 殿
所|ー売店
楼門
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|
鳥居
|ーー駐車場
という感じだ。因みに駐車場から本殿までは約180mと37段の階段、奥宮までは約500mと168段の階段がある。
祀っている祭神様は二柱おられ、
二柱とも、地元民にそう呼ばれるのが嬉しいと思っている。
ん?なぜそう言えるのかって?それは簡単な理由さ。
俺にはその二柱、もっといえばその類いが見えるのさ。これまでの家系の中で最も神力や妖力が強く恵まれたからだそうだ。
まあ、そんなこんなで次期宮司として修行や神社の手伝いをばしていたんだが、そんな中、奴らは来た。そう、“世界人類進歩教会”の司祭と信徒たちだ。
奴らは八人ほどで現れ、鳥居の中心を堂々とお辞儀もせずに通ってきた。本殿前の参道で対応にあたろうとした、本殿社務所担当の神職の数人や参拝客に向かってこう切り出した。
司祭「我らは世界人類進歩教会の者である。神道という邪教を信仰する皆様、我らが世界人類進歩教会の信者となるべき、いや、なりなさい」
突然こんなことを大声で言い出すものだから、巫女も参拝客も(・Д・)って顔で固まった。
もちろん俺も売店の中から(・Д・)な顔をしながら見ていた。
それからが長かった。奴らは続けざまに
司祭「我らが司皇ホウトウ様や世界神キキョウ・エンワ様の掲げるものは、世界の平定と永久の平和、全人類の共存である」
信徒A「キキョウ・エンワ様はとても幸せなことに、我らに神託を与えてくださり、世界中に広め、推進する役目に任命してくださったのです!」
信徒B「貴方方はキキョウ・エンワ様のお目にかなったのです!これは何より幸せなことなのですよ!」
明らかにヤバいってことがわかるだろ?
その後もよく分からん教書やらお告げやらをつらつらと話し続けた。更には手当たり次第に、対応に当たっていた巫女にまで勧誘や宗教関連の物品?の売りつけをしつこく行い始めたため、その日は警察を読んで追い返した。
だが、こういう狂信的な宗教はその程度じゃ引かないわけで。その後も毎日のように来ては布教や迷惑行為を行い、それは段々とエスカレートしていった。
そして二ヶ月後、驚く事態が発生した。同じく世界人類進歩教会から迷惑行為を受けていてお互い相談やらをしていた寺で、自然発火とは考えにくい不自然な大火災が起きたのだ。住職さん含むかなりの人が死傷したのだが、犯人は分からずじまい。ただ、その日からB区が狂い始めたように感じたのは、勘違いなんかではないだろう。
まずおかしいと気付いたのは、寺の信者や僧侶などが世界人類進歩教会の信徒になったことだ。あれ程までに証拠を叩き出してやると意気込んでいた彼らが、だ。
それからというもの、更に奴らの活動はヒートアップしていった為、詠葉様との話し合いの末、境内出禁や信者の皆さんに奴らの活動に一層の警戒を促すことにした。
怪訝が確定に変わったのは、真夏の猛暑の日々に立て続けに(事故として処理された)事件が起きたからだ。その一週間は例年と比べて40度を超え超猛暑、また夜は15度くらいにまで下がり肌寒くなる異常気象を繰り返していた。
その一週間の中で、多数の火災が発生した。そう、火災が発生したのだ。それも揃って宗教関連だ。世界最大の宗教や中東やアフリカで信仰される宗教などの教会やら礼拝所やらが
その一件で、うちの父や重鎮たちが不要の外出の自粛やB区からの引越しを促す時には、既に効果はそれほどなかった。なぜなら、、、
既にB区人口の七割方が世界人類進歩教会の信徒と化していた事に加えて、俺は知らなかったが、B区内の宗教は稀穂神社(神道)と世界人類進歩教会のみとなっていたからだ。もはや手に負えない状況下に陥っていたんだ。
そして10月、ついには日常、社会にまで影響が及んできた。例えば、うちの信者さんが営業してる店や無宗教者の方が営業してる店の商品を買わなかったり、貶める様な情報や噂を捏造、拡散したり。
別には学校でだ。校内の生徒、教員も例の宗教に染まっていった。これまでにも跡取りである俺に対しての嫌がらせなんかはあったが、八割方が奴らの思想に染まったころ、彼らの行動は顕著になり、ヒートアップした。
俺が把握している限りでは、物隠しや窃盗、破壊やら、集団無視や集団での悪口や陰口といったイジメに値するものから、殴打や転ばせるなんかといった暴力が信者の生徒や友人、無宗教の生徒や不良たちに及ぶようになった。
俺はその現状を許せなかった。俺は真っ向からぶつかり、奴らの目を俺に向けるようにしたのだ。それからはまあ分かるんだが、俺に集中した。
そこまでは良かったんだ、ただ、ハロウィンも目前にしたころ、俺が廊下を歩いていると、怪しい素振りを見せる生徒が俺に向かって走ってきた。彼が持っていたもの、それはかなり刃が長い包丁だった。「これは神のお告げ、天誅なんだァァァ」と半狂乱状態で突っ込んでくる奴に俺は流石に避けるとかはできないわけで、刺された。命に別状はなかったが、そこまでするのかと、信者に殺人までさせるのかと、俺たちは思う。
更に学校側や警察の対応も一応対応しました的なもので、これ以上は命の危険があると判断した詠葉様と丹葉様、両親によって、別の街のうちの分社に集団避難を行うことを決定した。
そして11月の初旬、今から2日前、あれは、忘れることもできない事が起きたのだ————
第二話も読んでいただきありがとうございます。
次話(2)の方は、早めに執筆できたということもあり、明日投稿します。