【書籍版1巻2/20発売】貞操逆転ハードモード異世界を鋼メンタル冒険者が生き抜く 作:風見ひなた(TS団大首領)
「いっそ魔の一切ない男の胤を孕めば、この胎の業火は絶えるかもしれぬと。だから聖者様、お願いだ。貴君の胤を私におくれ。貴君の聖なる胤で、私の情欲の炎にとどめを刺しておくれ」
伯爵様はそう囁きながら、僕の服をはだけてお腹へと指を添えてくる。
脂肪がほとんどついていない、自慢のシックスパックだ。その腹筋の溝に沿って人差し指を這わせながら、チロリと伯爵様の赤い舌が覗く。獲物をひと呑みにしようとする蛇のようだと思った。
「体を使って働いている者の腹筋だな。日がな椅子に座って刺繍をしていてはこうはならん。聖者を名乗る前は、どんな仕事をしておった?」
なーに、ドブさらいとウサギ専門猟師ですよ。
まあ冒険者なんてお貴族様にとっては卑賤な仕事と思われるだろうから、口にはしないけど。
すると伯爵様は目を細めて、薄く笑った。
「どんな仕事をしておろうと私は構わぬ。銭勘定だけしてぶくぶく肥えた貴族や商人の男より、働き者の方が好ましい」
「そう思われるのでしたら、どうか放っておいてくれませんか。ちょうど今、人助けの仕事をしているところなので。デアボリカ嬢が言ったでしょう、僕は貞潔を失ったら神様からいただいた力が消えてしまうかもしれません」
「ああ、あの出鱈目か」
伯爵様は鼻で笑った。
「お主らとて、貞潔を失ったところで力が消えるなどとは信じてはおらぬであろうが。そも、聖母は確かに処女で預言者を懐胎したと伝えられておるが、預言者には配偶者がおったはずだ。性交して聖性を失うのであれば、預言者は只人になっておろうよ」
おっと、伯爵様は君より神学に造詣が深い人でしたよデアボリカちゃん。
どーすんの。
「それでも私に信じさせたいのなら、従者にはもう少し大人しくするよう言い聞かせておくべきであったよ。屋敷の敷地内で聖者を取り合って痴話喧嘩などされては、嘘だと言っているようなものではないか」
「……伯爵様は聡明な方ですね」
「聖者殿に褒められるとは光栄だ。まあ、確かに取り合ってでも欲しくなる気持ちは分かる。つくづく罪な男だ、貴君は。見ているだけで情欲の火を昂ぶらせる」
伯爵様は僕をソファーに押し倒すと、腹の上に馬乗りになった。
僕はもがいてみるが、まるで押しのけられる気がしない。体重自体は見た目通りの女性でしかないはずなのに、鉄の器具に挟まれたかのようにがっちりとホールドされていた。豊富な魔力によって彼女の膂力は凄まじくブーストされているようだ。
高貴な血を持つ者ほど高い魔力を宿すという話が本当なら、伯爵家の当主ともなればこの国でも相当上位の実力者ということになる。魔力1のクソ雑魚転移者が敵う相手ではないだろう。まだそれを破る奥の手は残されてはいるが……。
伯爵様が胸の下までガウンをはだけ、窓から差し込む青ざめた月の光が彼女の裸身を淡く照らす。20人もの子供を育んだという胸は目を見張るほどの大きさで、その子らを産んだお腹も酷使したにしては綺麗なラインを保っている。ややふくよかな彼女の肉体は、まさに女盛りの円熟を迎えていた。なんとも抱き心地がよさそうで、はっきり言って魅力的ではある。僕はまだようやく成人になった程度の若造なので、一回り以上も年上の女性にはそこまで魅力を感じないが、もう少し年齢を重ねたら彼女くらいの女性が一番そそるようになるのかもしれないね。ネットじゃ三十路をBBAとは言うけれど、本当に魅力の欠片もなくなっているのならわざわざそうして煽る必要もないもんな。
「どうだ、私の体は? お前を取り合っていた小娘どもほどにはハリがないかもしれんが、お前を十分満足させてやれる。私に抱かれた男はみな、夢中でこの胸に吸い付いてきたよ」
伯爵様は自分が大人の色気に満ち溢れていることを十二分に自覚しているようだ。
右手で僕の頬を指先でくすぐりながら、左手は乳首の周りをくりくりとなぞって手慣れた調子で愛撫を送ってくる。
「人の身では高すぎる嶺に咲く花よ。私に手折られてくれる気になってくれたか? ああ、この後のことが気になっているなら、心配は無用だ。デアボリカ嬢が満足するほどの慰謝料は払うつもりだし、貴君が望むのならば妾として迎えてもよい。私はあの小娘とは違う、貴君を薬箱として売り回るようなことはせぬ。ただこの屋敷で安泰に暮らすがいい、責任をもって一生の面倒をみよう。……さあ、後のことは何も考えず、今はただその胤で私の火を鎮めておくれ」
ああ、やっぱり。
「やっぱり、おかしいよなあ。貴方の言葉はどこもかしこもおかしいよ、伯爵様」
「……おかしい、とは?」
眉根を寄せて僕を見下ろす伯爵様に、言葉を続ける。
「貴方が言ってることは違和感ばかりで、そんなんじゃ勃つチンポも勃たないって言ってんだよ。父親の違う子供が20人。そこに僕との子供を加えようだって? じゃあ聞くけど、そんな子供のどこに正統性がある? 貴族の後継者は、きちんとした家出身の夫との間の子が嫡子となるのが一番望ましい。自称聖者の平民との間に生まれた庶子がどんだけ能力が高かろうと、相続問題の種になってのちのち家を揺るがすだけじゃないか」
「…………」
伯爵様は愛撫の手を止め、感情の読めない瞳でじっと僕を見下ろし続けている。
それを続けろ、という意味だと解釈した。
「……この世界の女がドスケベぞろいなのは確かだけど、貴方はとても聡明な人だ。貴方ほどの人が、欲望に振り回されて後の禍根を自ら作るなんて、僕には信じがたい。それに、20人の子供を産むのも大変なことだ。子供1人産むだけでも命に関わる大仕事だっていうのに。ただセックスしたいだけなら、普通は避妊を考えるだろう。夫との間に生まれた嫡子が成人する前に自分が産褥熱で逝ってしまったら、それこそ大問題だ。それでも子供を産み続けるとしたら、それは子供を産みたかったからじゃなくて、子供を産まなければならなかったからだ。そう考えた方が、僕は納得できるよ」
ここまでが、僕の感じた違和感のひとつめ。
納得できないことはまだある。
「貴方が次々と新しい男をひっかけた、というのもおかしい。貴方が浮気性で、娶った夫や妾にすぐに飽きて新しい恋を探しに行くというならまだわかるよ。でも僕は今日、貴方の夫や妾の方々の梅毒を治療した。つまり貴方は、夫や妾を抱き続けている。愛は冷めていないってことだ。しかも僕の生涯の面倒を見ると約束したとおり、妾の面倒をちゃんと見ている。貴方は浮気性なんかじゃない」
これが違和感のふたつめ。
そしてひとつめとふたつめの違和感を重ね合わせると、浮かび上がってくるものがある。
嫡子がいるのなら、聡明な伯爵様はその子に盤石の継承権を与えるための行動をとるだろう。つまり妾など迎えず、庶子など作らない。もし嫡子が成人前に死んでしまった場合の予備が欲しいなら、夫との間に第2子、第3子と姉妹を作り続ける。たとえ色狂いが持って生まれた性分であったとしても、彼女は自分を律してそれができる人だと思う。
だけど実際には伯爵様は次々と妾を迎え、毎年のように子供を産み続けている。
一見無節操に見えるけど、そうではない。種を変えれば、きちんと育ってくれる子供が生まれるかもしれないからだ。
その一方で夫とも性交渉を続けている。万が一にでも、夫との間に健康な嫡子が生まれる可能性を捨てきれないからだ。
「つまり貴方が新しい妾を迎えるのは、健康な子供を産める胤を探して……」
「もうよい」
僕に馬乗りになっていた伯爵様は、力なく座り込んだ。窓から差し込む月の光は
伯爵様は無言でガウンを羽織り直し、手を伸ばしてテーブルの上のグラスと瓶を取った。乱暴な手つきでブランデーをグラスに注ぐ。
「興が失せた。快楽に喘ぐ男の声は聴きたくとも、小賢しい男の問答など耳に入れたくもない」
そして琥珀色の液体を一息に喉奥に注ぐと、わずかに表情を崩した。笑っているようにも、泣いているようにも見えた。
「ましてや、同情を受けながら男を抱くなどまっぴらだ。私をそこまで憐れな女にしてくれるな、聖者殿」
「…………」
僕は何かを言おうと口を開くが、そこから言葉が続くことはなかった。謝るのは違う気がした。
そのとき、大きな音を立てて応接室の扉が蹴破られた。闖入者たちが持っているランプが、ソファーの上で僕に馬乗りになっている伯爵様を照らし出す。
ランプを手にして鬼のような形相で伯爵様を睨み付けているのは、アイリーンとウルスナ。廊下にはその仲間の6人の冒険者たちがいて、左右を警戒しているようだ。
そして冒険者たちの先頭に立って不敵な笑顔を浮かべているのは、我らが冒険者ギルドの長たるデアボリカ嬢だった。
「困りますね、伯爵様! 私の擁する聖者は生涯貞潔を守らなければならないと申したはず! それを横紙破りして、姦淫に及んだとはもっての……?」
おい、なんだその戸惑ったような顔は。
まるでセクロスの真っ最中を狙って踏み込んだのに、ハメてなくてあてが外れたように見えるんだが。これは僕の共感性が死んでるからじゃないよな?
一瞬言いよどんだものの、デアボリカは表情を取り繕って糾弾を続けた。
「……姦淫に及ぼうとしたとはもってのほかです! ホットテイスト家は断固として遺憾の意を表明させていただきます! どう償われるおつもりですか!」
伯爵は散歩中に仔犬に吠え掛かられたときのような表情を浮かべ、つまらなさそうに溜息を吐くと両手を挙げた。
「まったくもって申し訳ない。わかっていたが、情欲を抑えきれなかった。慰謝料は全面的にそちらの言い分を呑もう。なんなら金子に代えて、先ほどの交渉で御身が要求していた我が家の家宝を包んでも構わぬ」
「左様ですか! ならば何も問題ございません! さすがはロングフィールド伯、なんとご寛大なことでしょう……!」
途端に揉み手をせんばかりのホクホク顔になっておべっかを使い始めるデアボリカ。なんとも調子のいい女である。
踏み込むタイミングといい、絶対こいつ僕が犯されてるときを狙ってただろ。これじゃまるで
……いや? もしかして、こいつ本当に最初から美人局させるつもりで、エロ衣装を用意したんじゃ? それどころか、アイリーンとウルスナに手を出さないように釘を刺したのも、伯爵様を脅す前に2人とイチャイチャさせないためで、別にギルド員の将来なんてこれっぽっちも考えてなかった可能性まであるな。
「貴方様の器の大きさに、不肖このデアボリカ、感銘を受けることしきりです!」
僕はお前の器量に深刻な疑問を抱いてるよ。背後のウルスナが心底冷めた目で見てるの気付いてるか?
それにこれって、お手打ちにされても仕方がないほど無礼な行為じゃないの? ましてや、部下の医者を容赦なく殺したという冷血な伯爵様相手に。デアボリカの命もこれまでかと、僕が戦々恐々と伯爵様の反応をうかがっていると……。
「どけ、私はもう寝る」
伯爵様はどうでもいいって顔で、デアボリカのおべっかを聞き流しながら僕たちの横を通り過ぎていった。
そしてすれ違いざまに冒険者たちの顔を
「なんだ。私を袖にした男がどんな女を選んだかと思えば……。私以上に業が深いとはな」
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伯爵様は最後まで退屈そうな顔のまま、応接室を去って行った。
デアボリカが請求したものがどれだけの価値だったのかは知らないけど、伯爵様にとっては悔しがるほどの価値もなかったものなのか。あるいは僕が手に入らなかったから、何もかもどうでもよくなったのか。そこまでの価値が僕にあるとは思えないんだけどね。
さて、僕たちは客室に戻されることになった。
正直伯爵様を罠に嵌めて脅迫しているわけだから、僕は身の危険を感じて仕方がない。今すぐ屋敷を去りたい気分でいっぱいなのだが、デアボリカは悠然と構えている。病気を治した恩もあるし、この程度じゃ消されやしないだろうと考えているようだ。僕が思っているより意外と大物なのか、鈍感なバカなのか、どっちなんだろうね。少なくとも今日一日で、僕のこいつへの評価は底まで落ちた。正直ドン引きしてるよ。
さて、ここで困ったことに、アイリーンとウルスナが僕を一人っきりにするわけにはいかないと主張した。深夜のうちに隠し通路を通って、伯爵様が僕を犯しにくるんじゃないかと思っているようだ。
正直伯爵様が僕を狙ってくることはもうないんじゃないかなという気がしているのだが。彼女があのとき見せた、寂しさと悲しみが混じったような儚い笑顔を見ると、そんな気がするのだ。共感性が死んでる僕のことだから、あてにはならないけど。
「おいおい、ユージーンは女の性欲を甘く見過ぎだぜ」
「そうだよ! 世の中の女たちはユージィが思ってるよりも危険なんだよ! 女はみんな狼なんだから!」
ウルスナとアイリーンはそう主張して、無防備な僕を叱ってくる。
……おやおや、どうしたんですかリーダーさん。そんな「この男はお前たちが思ってるよりも危険なセックスモンスターだぞ?」みたいな顔して。
僕なんてファーストキス失ったばかりの童貞ですからね。童貞は女にとって世界一安全な生き物ですよ。なにせ童貞はこれまで一度も女を襲ったことがありませんから(←爆笑ポイント)
「まあ、だからって僕が女の子の部屋で眠るのも問題があるよね?」
「当たり前だ、良俗を乱す可能性などギルド長として看過できん」
腕組みしたデアボリカが、堅苦しい顔で頷く。
美人局は良俗を乱す行為じゃないと言わんばかりッスねギルド長さん。
なんか冒険者たち全員白い眼を送ってますけど、その長の椅子大丈夫ですか?
「わかりました、じゃあアイリーンを抱っこして僕の部屋で寝ます」
「!?!?!?」
「待て待て待て! なんでそうなるんだ!?」
一瞬で真っ赤になって言葉を失うアイリーンをよそに、ウルスナが食ってかかってきた。
「アイリーンならまだ子供だし、問題ないでしょ。それにウルスナと互角ってくらい腕も立つみたいだし、ボディガードにもぴったりじゃない?」
そう言いながら、僕はアイリーンを後ろから抱いて頭をヨシヨシした。
アイリーンはガチガチに固まって、されるがままになっている。
「ぁぅ……///」
あー可愛いなあこいつ。照れてしまって、身動きできなくなってる。
ロリっ子を可愛がるのとはまた別の味わいがあるな。なんだろ、この感覚? 胸が温かくなって、甘やかしてやりたくなる。これは新感覚だぞ。
≪説明しよう!
憧れのお姉さんに後ろから抱きしめられて「今日はあーくんと一緒に寝るもーん♪」と宣言されたショタが、後頭部に豊満なおっぱいの感触を感じながら期待と恥ずかしさでフリーズしている図である! もちろん心のショタチンはピクピク甘勃起中だ!≫
「ガ、ガキったってそいつも女だぞ! そりゃ確かにヘタレだが!」
「あ、あたしはヘタレじゃない!」
「ほら、本人がヘタレじゃないって主張してるじゃねえか! 却下だ!」
「!? ヘタレじゃな……いや、ヘタレで……いや、でも……ううぅ」
なんかうにゃうにゃ言ってるアイリーンのつむじの匂いを嗅ぎながら、僕は小首を傾げた。
「じゃあどうしろってのさ」
「……万が一のことが起きないよう、俺が一晩中監視する! 天井裏に隠れて見てるからな! おいガキ、調子に乗るなよ!」
「ち、調子になんて乗ってないもん!」
「それじゃウルスナも休めないだろ。もっと近くで監視すりゃいいじゃん」
「もっと近くってどこだよ?」
「僕の隣。三人並んで寝ればいいじゃないか、この部屋のベッドやけに広いし」
「…………」
途端にそわそわし始めたウルスナが、デアボリカに視線を送る。
リーダーさんがウルスナに代わって口を開いた。
「いいんですかギルマス?」
「……まあ、好きにしたまえ。もう目的は達した」
やっぱお前美人局させる気満々だったんじゃねえか。
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そんなわけで、ベッドに川の字になった僕たちである。
中央には僕、右隣にはウルスナ、左隣にはアイリーンの布陣でお届けしています。
さすがにあんな寝づらいトーガも着替えているのだが、なんか伯爵家のメイドに用意された寝巻きが、その……ネグリジェっていうの? これがやたらスケスケの薄い生地なのだ。
どうもこの世界の貴族階級は、男でもネグリジェを着て寝るらしい。だからってスケスケにする意味ないだろ、生地が薄いからちょっと寒いよ。今は左右に女の子がいるから温かいけどな、ウヘヘ!
さて、その女の子たちなのだが、こっちもネグリジェ姿である。ただし僕のよりも生地が分厚くて温かそうだ。おかしくない? なんで男のは生地が薄いんだよ。
2人とも僕のネグリジェ姿を見て、何やらごくりと生唾を呑み込んでいた。なんやねんな。
ちなみに3人とも、着替える前に体は濡れタオルで拭いている。特に2人はさっき格闘して泥だらけになってたしね、人様の家のベッドを汚すわけにはいかんよ。
本当はお風呂に入りたかったんだけど、なんと貴族であってもお風呂に入ることは滅多にないらしい。きれいな水や燃料が貴重というのもあるけど、お湯で洗うと全身の毛穴を塞いでいる垢が取れて、そこから瘴気とかいう病気の元が入ると信じているようだ。そんな馬鹿な、お風呂に入らない方が病気になるよ。
僕が自分の家を建てられるほどお金たまったら、なんとかしてお風呂がある家にして毎日湯船につかりたいよなあ。日本の心は湯の心だよ。
『…………』
ウルスナもアイリーンも、ずっと無言だ。特にウルスナが一言も発さないのは珍しいな。ただ、すごい視線は感じる。2人ともめっちゃ僕の横顔を見ている。
うーん、なんかどっちに話しかけても、どっちに顔を向けてもいけない気がする。おかしいな、思ってたのと違う。すごい寝苦しいぞ……。
ただ、2人の体温が左右から伝わってくるのはいいね。柔らかい体臭も感じる。女の子ってなんでこんないい香りがするんだろう。体も柔らかいよね、骨が入ってないの? ってくらいふにゃって柔らかい触感がある。体が触れてるだけで幸せな気分になるんだよね。男なんてどこを触ってもゴツゴツしてるもんよ。同じ生き物とは思えないくらい差があるよなあ。逆にこれ、僕みたいな全身固い生き物が隣にいて寝苦しくないのかな。
……っていうかさ、ガチガチに緊張してるだろうアイリーンはともかくとして、ウルスナはなんでこんな大人しいんだろう。
さっきも大胆に告ってきたし、ちらちら胸元見せて「ほーら、こっちのおっぱいはあーまいぞ♥ こっちこい♥」って誘惑するくらいはするのかなって思ったんだけどね。
≪説明しよう!
ウルスナが酒場でおっぱいを見せていたのはただのセクハラである! 酔っ払いのチンピラが女の子にチンポ見せてからかう程度の行為であり、基本的にこの世界の女の子は自分の胸を見せても男を釣れるという考えがない! 我々の世界の男が自分たちの胸板に何の価値もないと思っているのと同じである!
なお、ローズ伯爵が先ほど自分の胸を見せて自慢げにしていたのは、ウブな女の子に好色貴族が経験豊富なデカチンを見せつけてマウントをとる見せ槍ムーブである!≫
そう思いながら身じろぎしたら、ベッドにこすれてネグリジェがはだけてしまった。あーあ、胸板むき出しになっちゃったよ。
『!?』
左右から身を起こす気配がした。2人が暗闇の中で爛々と目を光らせ、僕の胸板に視線を注いでいる。いや、見苦しいもの見せてごめんよ。すぐ直して寝るから。
≪説明しよう!
自分に何もしないと考えて同じベッドに誘ってきた無防備すぎる聖女が、寝返りを打ってド巨乳を剥き出しにしたシーンである! うまそうすぎる極上のボディと無垢な信頼の板挟みになり、フル勃起した
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「ぐか~」
散々女の子の煩悩を煽りまくった挙句、雄士は【精神耐性】による鋼メンタルの恩恵で自分だけとっとと気持ちよく眠りについた。
ムラムラ悶々とした気分に晒されながら、アイリーンは雄士の腕に抱き着いている。顔は真っ赤に染まり、額はだらだらと寝汗まみれだ。
「ね、ねえ、ウルスナ」
「……なんだ」
「……眠れそう?」
「眠れるわけねえだろ、こんな生殺し……」
「だ、だよね……」
ごくり。
「男の子ってさ、なんでこんな体ゴツゴツなんだろうね。すごくたくましくて、頼もしい感じで。触ってると胸がどきどきして、お腹もなんだか熱くなってきちゃう……」
「……血迷うなよ、ぶっ飛ばすぞ」
「し、しない。アンタこそあたしが寝たからって抜け駆けしないでよ」
「しねえよ、俺はお前みたいなネンネと違って自信があるからな」
………………。
「オナるのはセーフ?」
「……情けだ、見逃す」
「じゃあ、あの……ユージィの指を借りるのは?」
「……俺もやるわ」
※皆さんの言いたいことはわかってます。デアボリカがアホすぎるということですよね。
16話で書いてますが、こいつはサウザンドリーブズの医師から王都に雄士の存在を告げ口するぞと脅迫を受けていて、危ない橋を渡ってでもカネを作らないといけない状況です。
改めてのお知らせでした。あ、それはそれとしてこいつはアホです。策士気取りで墓穴を掘ります。爆死を見届けてやってくれ。
……他に言いたいことがある? ヒロイン2人の行為について?
頭男子中学生2人のココチンをさすさす♥と煽りまくっておいて、そのまま無防備に寝る聖女が悪いよ。