【書籍版1巻2/20発売】貞操逆転ハードモード異世界を鋼メンタル冒険者が生き抜く 作:風見ひなた(TS団大首領)
「やだーーーっ! やだやだ、絶対やだーーーーっ!」
はい、家庭教師ユージィです。
現在絶賛子育ての難しさに困り果てています。
目の前には地団太を踏んで嫌がるドラコ。
うーん、何でそんなに拒絶するかなあ。
「外に出て友達作って遊んで来いってだけじゃないか。何をそんなに嫌がってるんだよ」
「ボクは誇りあるドライグだぞ! 下等な人間のガキなんかに交じって遊べるわけないだろ!」
子供は遊ぶのが仕事だからね。むしろずっと部屋の中に押し込められてたんじゃ気が滅入ってしまうだろう。
そう思って提案したのに、何やらドラゴンのプライドとやらを傷つけてしまったらしい。
「おかしなことを言うなあ。人間だろうがドラゴンだろうがガキはガキでしょ。鬼ごっこするのに立場やら種族やら関係あるか?」
「あるよ!」
「ないだろ。じゃあ何が関係あるのか言ってみろ」
「うるさいうるさいうるさいっ!」
むきーっと鳴き声を上げながら、ドラコは憤激も露わに喚き散らしてくる。
うーむ、この世界の男ってヒステリー起こすのか? それともこいつが特別感情的なだけなのかな。子供のうちからキレ癖ついてるとロクな大人にならないぞ。
僕はピッと人差し指を立てると、聞き分けのないガキに言い聞かせる。
「いいかドラコ、子供には友達というものが必要なんだ。友達と遊ぶことで、人はモラルというものを身に着けていくんだよ。だから友達を作るんだ」
「下等な人間ごときと友達付き合いなんかできるか! ボクはドライグだぞ、上位種だぞ! お前たち人間なんかとはデキが違うんだ!」
ふーむ。まあスペック的にはその通りなんだろうけどね。
子供なんて難しいこと考えずに、他の子供を見かけたらわちゃわちゃ遊ぶもんだと思ってたんだけどな。すべての子供がそういうわけでもないのかなあ。
「だけどひとりぼっちじゃ寂しいだろ?」
「ボクは生まれついての貴種だ、本当に貴い者は孤高に耐えられる者だ! ましてや下等な人間なんかと誰が馴れ合うもんか!」
「でもドラゴンの村じゃ友達と遊んでたんだろ? どんな遊びしてたのか教えてくれよ」
「……」
あっ……。
僕はぽんっとドラコの肩を叩くと、できるだけ優しい視線を送った。
「悪いこと聞いたな、忘れてくれ」
「喋るな黙れ! ボクは未来の長だから、他の子供とはデキが違うんだ! 遊び相手は周囲の女官がやってくれたし、寂しくなんてない! 同い年のバカな子供なんかより、大人と交流してるボクの方がずっと高等なんだ!」
文字通り心の逆鱗に触れてしまったのか、ドラコは「バカ人間!」と捨て台詞を叫ぶと自分の部屋に逃げ込んでしまった。そのまま内部からカギをかけられてしまう。
うーん、こりゃ重症だなあ。
まさかドラゴンの間でもぼっちだったとは……。
まあそりゃ人間で狩りごっこなんてする奴がまともな人間関係構築してるわけないか。
だって人間で言えば小動物虐待して悦に入ってるようなもんだろ? ドラゴンの間でも他人に知られたらドン引きの趣味なのかもしれない。そりゃドラパパもキレるし平謝りするわ。
ともかくこれはまずいな。
遊び相手は女官が務めてたっていうけど、それって将来都合のいい種馬に洗脳教育するために他の子供と引き離して育ててたってことじゃないの?
あいつにまともな社会性を身に着けさせるには他の子供との交流が不可欠だろう。
とはいえ、本人がその気がないなら交流させるのも難しいし……。
「どうしたもんかなぁ」
自分の子供もいないハタチの若造に、問題児を育てろってのは無理難題だよドラパパ。
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「おーい、そろそろ出てきなよー。みんなでトランプとかしようよ、楽しいよー」
「うるさい! ボクに構うな、あっちいけ!」
ドアをノックするも自室から全然出てくる気配のないドラコに、僕とアイリーンは顔を見合わせて肩を竦めた。
あれから数日が経過したが、ドラコはまるで馴染む気配を見せない。
ご飯だけは「まあドラゴンの里の残飯よりはマシだな」なんて言いながらおいしそうに食べるのだが、食べ終わったらすぐに自分の部屋に閉じこもってしまう。
どうも僕に無理矢理外に連れ出されるんじゃないかと警戒しているようだ。
アイリーンはしきりに遊び相手を務めようと誘っているのだが、テーブルゲームにすら乗ってくる様子がない。
人間の子供と一緒に遊べというのはまだハードルが高かったとしても、僕たちとゲームするくらいには馴染んでほしいものだが。
そんなに人間と交流するってのは嫌なものなのかね。ドラパパなんかは人間を下等生物と見なしながらも、それでも交渉をする余地はありそうだったんだけどな。
周囲の女官にドラゴンisナンバーワンって偏見を植え付けられまくってるのかもしれない。
……まあ、よくよく振り返ってみれば、僕も軽率な初手を打ってしまってたな。
まずもってこいつ頭にツノ生えてるし、お尻にはまるまるとした尻尾もあるし、明らかに人間とは違う特徴があるんだ。さすがに相手が子供といえど、人間じゃないって簡単にわかっちゃうんだよな。
子供って自分たちとは違うものには敏感だから、いじめの対象になるかもしれない。
それに、男の子供ってめちゃめちゃ誘拐されやすいらしい。
なんせ希少だし、魔力が弱いのでロクに抵抗もできないからね。さらわれたが最後、身代金を要求されるなり、金持ちのペットにされるなり、まあロクなことにはならないだろう。
まあこいつの場合は誘拐犯の方が悲惨な末路を辿りそうだけどね、なんせいつでも巨大な怪獣に変身できるんだから。
とはいえ余計なトラブルは起こさないに限る。
ここらへんの問題を考えてから外に連れ出すべきだったな。
子供が健全に育つためには友達を作ってコミュニケーションさせるのが一番だと思ったんだけど、ちょっといろいろ段階をすっ飛ばしてたみたいだ。
まあそれは後々考えるとして。
それにしても部屋に引きこもっているのは体にも精神にもよくはないだろう。
それにしても、部屋の中で何をしてるんだろうか?
これが現代日本ならゲーム機やらスマホやら動画サイトやら暇つぶしがいくらでもあるけど、ここは中世だからね。
すぐに娯楽に飢えて出てくると思ったんだけど、なんか全然出てくる様子がない。
ドラコの部屋の前でアイリーンと一緒に立ち往生していると、何やら廊下の向こうからガチャガチャと音が聞こえてきた。
何だ?と振り返ると、そこにはでっかい木箱を抱えたデアボリカがよたよたと歩いてきていた。何やってんだコイツ。
「へへへ……ドラコ様、今日もこのデアボリカめがおもちゃを持ってきましたよ。ささ、どうぞどうぞお納めくださいませ」
「……部屋の前に置いてけ」
「ははーーっ!」
デアボリカは廊下にひれ伏すと、うやうやしくおもちゃが入った木箱をドアの前に設置した。
「お前の仕業かぁ……」
僕とアイリーンがジト目を向けているのに気づくと、デアボリカはフンと鼻で笑って胸を反らした。使い道もない無駄な巨乳がテントを作る。
「なんだね? 私はドラコ様の無聊をお慰めしようと、娯楽を提供しているだけだが?」
そんなデアボリカに、アイリーンはムッとした視線を向けている。
「あのさぁ、せっかくこの屋敷に馴染んでもらおうとしてるのに、どうしてそう余計なことをするの? これじゃ外に出てこないじゃない」
「心外だな! 個人の自由は尊重されるべきだよ。私はこの屋敷でドラコ様に自由に過ごしていただこうと尽くしているのだ。ドラコ様、覚えてくださいね! デアボリカです! 貴方様の一番の下僕、デアボリカですよーーっ!」
「い、卑しい……!」
アイリーンはかつての上司の媚びへつらう姿に引き攣った表情を浮かべている。僕も正直ドン引きだよ、こいつマジか?
まあ、デアボリカも何とか復権しようと必死なんだろうけどね。
ドラコに媚びたところで、いいことがあるかどうかは不明だけど。今のこいつはただの居候のクソガキだぞ。
かといって、余計なことをするなと突っぱねるのも違うな……とは思う。
デアボリカなりにドラコに寄り添おうとしてくれているのは確かだ。たとえそれが打算に塗れたものであったとしても、手を差し伸べようとするのを否定するのは良くないだろう。
それにしても何を差し入れたんだろうとおもちゃ箱を覗くと、積み木とか兵隊さんのブリキ人形とか絵本とか熊のぬいぐるみとか、なんかこう海外の定番おもちゃって感じの詰め合わせだった。
うーむ、10歳児ってこういうので遊ぶものなんだろうか? ちょっとラインナップの対象年齢が低いように思うが。
とはいえ何が適正なのかもわかんないんだよな。
僕の小学校時代なんておもちゃといえばゲーム機だったし、友達と鬼ごっことかも学校の校庭でしかやったことがない。おじいちゃんが子供の頃はそこらへんの原っぱで駆け回って遊んでたっていうけど、ピンとこないなあ。
「アイリーン、この国の子供ってこういうので遊ぶものなの?」
「え……わかんない。孤児院にはおもちゃとかなかったもん」
「フンッ、これだから下賤の育ちは……。貴族の子弟はこうしたおもちゃで優雅に遊ぶものだぞ!」
「ちょっと黙っててくれるか?」
僕はキーキーうるさいデアボリカの声をシャットダウンすると、困惑した表情を浮かべるアイリーンに視線を向けた。
「じゃあ庶民の遊びってどういうのがメジャーなんだ?」
「それはほら、遊び歌とか、大ウサギを狩るとか……ね?」
そう言ってアイリーンは何やら物言いたげな視線を向けてくる。
……んん? なんだろ。わかんないな。
僕が小首を傾げていると、近くで何やら舌打ちするような音が聞こえてきた。
「ったく、おせっかいだな。ほっときゃいいんだよこんなガキ」
振り返ると、膨れた袋を抱えたウルスナが立っていた。その袋から小さなリンゴを取り出して、ウルスナはもしゃもしゃと齧りつく。
「あのなあ、人と交流しなくてダメになるのはそいつが選んだ結果なんだよ。マトモなヤツはこのままじゃダメになると思ったら、無理してでも人と向き合おうと努力するもんだ。それすらしようとせずに人を拒絶するなら、そりゃもうそいつが怠惰なだけだ。お前らが関わってやる価値なんてこいつにはないのさ」
ドアの向こうに聞こえるようなことさら大きな声で、ウルスナはそんなことを言う。
アイリーンはそれをただの切り捨てと思ったのか、ムッとした顔になった。
「そんな言い方って。この子はまだ小さいんだよ、年長者が助けてあげなきゃ」
言い返すアイリーンに、ウルスナはこりこりと額を掻く。
「お優しいなあ、オメーは」
「孤児院に入ってきた小さい子って、みんなこんな感じだもの。親から捨てられたと思った子はそうなの。周囲のすべてが自分を傷つけるんじゃないかとビクビクしてるの。だから、私たちが優しくしてあげなきゃ……」
「違う。お前らとそいつは全然違う。このガキは親から捨てられたんじゃねーんだぞ」
「え……? だって、この子はお父さんにここに預けられて……」
「そうだ。預けられたと捨てられたのは全然違う。わかれよ、アイリーン」
……ああ、なるほどね。
アイリーンは父親からここに預けられたドラコに、孤児院の子を重ねて見てる。だからことさら親切にして、交流しようと積極的に声をかけているんだ。
だけどウルスナは、ドラパパの行動は周囲が甘やかす環境から心を鬼にして我が子を突き放した親の愛だと捉えているから、アイリーンの行動を逆効果だと思っているんだな。
自分から周囲と交流を取ろうとしないのは甘えだと考えている感じか? ウルスナは子供の頃からビシビシ厳しく鍛えられたって言うしな……。
優しくするのがいいのか、厳しく接するのがいいのか、難しい話だな。
「でも、こちらから手を差し伸べ続けてあげないと。それは大人の義務でしょ?」
「甘やかすな。性根を叩き直しにきたんだぞ、こいつは」
ウルスナがその言葉に、ドアの向こうから声が響く。
「好きでこんなところに来るもんか! お前ら全員、大っ嫌いだ!」
「ああ、そうかよ」
ウルスナはへっと鼻で笑うと、リンゴの芯をバリバリと噛み砕いて飲み下した。
そして袋からリンゴを取り出し、アイリーンと僕に投げ渡してくる。
「こっちだってお前みたいな生意気なガキは大嫌いだ。引きこもっていたけりゃずっとそうしてろ、せいせいするぜ」
そう言い捨てながら、ウルスナはおもちゃ箱の中にリンゴの袋を投げ入れる。
まだいくつか入っているのか、ごろりと袋の中で丸いものが転がる音がした。
ぶらぶらと廊下を歩き去っていくウルスナの背中を見ながら、僕は手渡されたリンゴを齧る。
まだ品種改良もされていない野生種を集めてきたのだろう。
現代のリンゴに比べるととても酸っぱくて、少しえぐみのある味がした。
だけど、その酸っぱさの中には、確かに爽やかな甘みも感じられたのだ。
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さて、僕もドラコの面倒だけみて1日過ごしてるわけじゃないからね。
こっちもこっちでやることはある。
早速アンゼリカさんに紹介された病人の治療も入ったし、ゴールドンのおじいちゃん側からのスラムの病人も診なきゃいけない。
とはいえ、そう頻繁なものでもないけどね。
じゃあそれ以外の時間は何をしているのかというと、ひたすら図面を書いていた。
現代日本で見た、いろんな機械の図面だね。
今はアルシェさんに冷蔵庫とだるまストーブの開発を依頼しているけど、手が空き次第別の機械を作ってもらおうと考えているんだ。そのときにパッと新しい図面を渡せた方が、話が早いでしょ?
どういうわけか僕は現代日本で見聞きした記憶を忘れないようなので、一度見たことさえあればどんな機械でも鮮明に細部を思い出せる。
ただ、これが何のスキルの作用なのかわからないんだよね。もしかしたら実はバグで、ある日突然「いやーメンゴメンゴ、バグとっといたから」って上位存在に言われて思い出せなくなることも考えられる。
だから思い出せるうちに、何でもいいからできるだけ書き出しておこうってわけ。
そりゃもう簡易なものはコーヒーサイフォンから、複雑なものは自動車、飛行機に至るまで。知っている限りのことは書き写しておかないとね。
まあさすがに自動車や飛行機の内燃機関とか見たことはないし、この世界の技術力では再現できるとも思わないんだけど……。
アルシェさんならこれをヒントにして何か発明できるかもしれないからね。せめて外観のスケッチぐらいは書き出しておこうと思ったのだ。
オタク技能としてお絵かきを嗜んでいてよかったよ。炭を木片で挟んだ鉛筆で羊皮紙に描いてるんだけど、使いにくい道具の割にはなかなかしっかり描けてると思う。
おかげで今、僕の部屋は壁中に図面とスケッチが張りまくられている。
レオナルド・ダ・ヴィンチをモデルにした映画で見た、発明家の部屋みたいなありさまだ。まあどれも僕が考えたものじゃないんだけどね。どれも偉大な先人たちの努力の結晶だよ。ありがたく使わせていただこう。
日中はお嫁さんたちもお仕事に出てるし、ドラコも自室に引きこもっているからとても静かだ。おかげでスケッチに集中できる。
デアボリカは……何してるんだろうね。あいつ、静かだと不安になるな……。なんか護衛を付けて馬車で毎日どっか出掛けてるみたいだし、なんか金儲け企んでるんだろう。
そうか、今はこの屋敷に僕一人か……。
ということは、自販機を出してもバレないな。
いやね、前々からなんで僕の日本での記憶が薄れないのか不思議だったんだよ。
カタログを読み返して得心がいけば、今後は安心して過ごせるってもんだ。
確かめたいとは思っていたんだけど、ロングフィールドからサウザンドリーブズに戻って来てからというもの、なかなか一人で過ごせることがなくてね。
なんせアパルトメントでは夜もアイリーンとウルスナが同じ部屋で過ごしたがるし、蜜月楼は時間の感覚がなくなるくらいセックスまみれでそれどころじゃなかったし。
ちなみに屋敷に戻ってきた今も、毎晩アイリーンかウルスナのどっちかがベッドに潜り込んでくるよ。デアボリカとの約束があるからセックスはしないけど、抱き合って寝るのはセーフでしょ。
愛する女の子の匂いと体温に包まれてると、幸せな気分で眠れる。ムラムラもするけど。
そんなわけで最近の僕はずっと誰かと一緒だから、自動販売機を呼び出す機会がなかったのだ。
まあ、別に自分が異世界人だって既に2人には言ってあるから、チート自販機を見られてもいいっちゃいいんだけど……なんか忌避感があるんだよね。
それはおそらく自分が“
そしてもうひとつには、あの2人の前で僕がこの世界における異物だと突き付けたくないという思いがある。
僕は2人が大好きだ。それは僕という人間を、2人が受け入れてくれたから。
僕は自分でも呆れるくらいチョロい人間だよ。僕が好きな女の子のタイプは、僕を好きになってくれる子だ。それはつまり、僕という人格を受け入れてくれるなら、誰でもいいということになる。
もちろん今はアイリーンにもウルスナにも、すっごくいいところがあると知っているし、あの子たちと別れるなんて想像もしたくないほど大好きだ。
だけど僕の根底には、他人に自分を受け入れてほしいという願望があるんだね。
僕はこの自販機の存在を知られることで、あの子たちに隔意を持たれることを……いや、持たれる“可能性”を恐れているんだ。自分でも弱虫だと思うけど、それが僕だ。
だからこの自販機の存在は誰にも見られたくない。最愛のお嫁さんにはなおさら。
……やるなら今しかないな。
僕は壁に向かって立つと、手をかざす。
「来い、“
いつものように、虚空からフッとチート自販機が出現する。
だが、今日に限っては様子が違った。
ピキューーーン!! キュイイイイイイン!! ガガガガガガガガガ!!!
そんなとてつもない爆音を上げて、自販機の前面がド派手に発光を始めたのだ。
「……え?」
キュインキュインキュイン! ピューーーン!!!
何やら聞き慣れた安っぽい電子音。
そして自販機の下がカパッと大きく開くと、ジャラジャラジャラジャラ!!!とチートコインが山のように溢れ出してきた!
≪おめでとうございます!
実績【夜這い】を達成しました。
チートコイン5枚をプレゼントします≫
≪おめでとうございます!
実績【エロダンスの伝道者】を達成しました。
チートコイン5枚をプレゼントします≫
≪おめでとうございます!
実績【ダンスフィーバー!】を達成しました。
チートコイン5枚をプレゼントします≫
≪おめでとうございます!
実績【結婚ご祝儀】を達成しました。
配偶者の人数につきチートコイン5枚をプレゼントします≫
≪おめでとうございます!
実績【脱・童貞!】を達成しました。
チートコイン15枚をプレゼントします≫
≪ありがとうございます!
実績【新世代!】を達成しました。
懐妊中のお子さんの人数につきチートコイン10枚をプレゼントします。
なお、サービスとして必ず安産で健康に産まれてきますのでご安心ください≫
≪ありがとうございます!
実績【魔族孕ませ】を達成しました。
妊娠させた人数につきチートコイン5枚をプレゼントします≫
≪おめでとうございます!
実績【我慢のジャックポット】を達成しました。
同時に達成した実績数に応じてチートコインに倍率が……
床の上にぶちまけられたコインに混乱する僕の前に、めまぐるしく降ってくるアナウンス。何が何で何!?
というか、これパチスロの演出だろ! おい!
「今の音は何!?」
廊下の向こうからドタドタドタ……!と誰かが駆けてくる音が聞こえてくる。
まずい、ドラっ子だ!
なんで今来るんだよ! 部屋に引きこもってろ!
いや、部屋から出て来てくれたのは嬉しいが!
「なんでもない! 部屋に戻ってろ!」
「なんでもないわけあるか! なんだよその変な音!」
あ、そっか。この世界の人はこんな電子音、人生で一番聞いたことないもんな。
そりゃ気になって仕方ないか……。
口元を引き攣らせる僕の前で無情にもドアが開き、ドラっ子が部屋に飛び込んできた。
創作の女の子は都合がいい時に孕める特殊能力を持っているはずだろって?
“今がその時”さ!