イムの娘(いむのこ)~番外編~   作:槙 秀人

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待ち人来たる

 ユナが社長を退き、会長職について数ヶ月後…

 

 カノンから一人雇ってほしいと連絡があった。

 『履歴書送って!』って言ったけど…

 

 送られてきた女性の履歴書を見て、ユナは目を丸くした。

 さらに履歴書には書かれていない彼女の経歴が書かれた手紙も受け取っている。

 

「あらまぁ…」

 この子って…FILM GOLDのあの子よね…

 

 本来ならば、マリージョア襲撃事件の際には既に亡くなってたはず。

 カノンというイレギュラーによるバタフライエフェクトじゃん?

 

 この子はテゾーロの歌が好きだったのよね?

 マリージョアでテゾーロに会って、脱走を何度も試みたのよね?

 

 彼が無事だと知ったなら、歌手デビューさせたいとか思うんじゃないかな?

 って事はもしかして!

 

 この娘は、芸能部門の立ち上げに、まさにうってつけじゃんよ!!

 

 エンターテイメント部門に進出するには、まだ時期尚早。

 ステラがわが社に入社して数年…五年後くらいを目途にしましょうか!!

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 グラン・テゾーロの高級エリアの敷居は高い。

 麦わらの一味は白いドレスとジャケットスタイルに着替えて、すっかり大人のリゾートな雰囲気になった。

 

「うひょー!カッチョイイ!」

「ワォ!皆様、一流の海賊に相応しい」

 ルフィがテンションを上げ、バカラが手を合わせて褒めまくる。

 

「本当に貸衣装代(これ)、ツケでいいの?」

「もちろんです、ナミ様。ここはギャンブルの街です。勝って返せばいいのですよ。(勝てればね…)」

 

 バカラは、客を気分良くさせる術を知っている。そして一々刺激的だ。

 もちろん、ここで腰が引けるような一味ではない。

 

「うんうん、そうだよな!」

 

「カジノかぁ…。わたし初めて!楽しみだな~!」

「おれもだ!」

 キャロットとチョッパーは初めて行く場所に興奮して目をキラキラさせている。

 

「それにしても、高っけェなァ!」

 ルフィは黄金の塔を仰いだ。

 

「この塔こそグラン・テゾーロが誇る、世界一の七ツ星カジノホテル…!THE・REORO(ザ・レオーロ)

 雲居に達する塔の最上部には、鐘楼を模した展望台らしき階があった。そこにホテルの名前が輝いてる。

 

「スッゲェ!金ピカ!」

「すべて本物の金で出来ております」

 純金と聞いて興奮するルフィたちをバカラが案内した。

 

 すると…

 

「ワーッ…!ねェ、ねェ、ねェ!」

「うわ、何、何!?」

 突然の出来事にキャロットがおたついた。目の前に差し出されたのはバラの花。

 

「買って!買って!」

「ねェ、お花買ってよ!」

 集まってきたのは数人の子供達だった。

 観光客相手に花を売って、日銭を稼いでいるのだろう。

 

「お願いします…!」

 まだ年端も行かない女の子が、おどおどしながら一輪のバラを差し出す。

 

「分かった!いくらだ」

 キャロットの代わりにお金を払おうと、チョッパーが財布を出そうとしながら問いかけた。

 

「五千ベリー!」

「って、高くねェ?」

 首を傾げるキャロットをよそに、チョッパーがあまりの高値にツッコミを入れる。

 観光客向け価格と言っても限度があるだろう。

 

「VIPのお客なんだろ?おカネがないと、おれ達『家に帰れねェ』んだよ!」

 一番威勢の良い男の子が、必死な顔で訴えた。

 

「……?」

 何か引っかかったのか、ルフィが子供達を見る。

 

「あらあら」

 割って入ったのは案内係のバカラだった。

 彼女の姿を見るなり、子供達は、うわっ、と後ずさった。

 

「…ここは、あなた達の来る所じゃないでしょ…?さァ、お帰りなさい」

 バカラが子供達を睨み付ける。美女が凄むと怖い。

 

「リッカお兄ちゃん…」

「うっ…!」

 震え上がった子供達は、すいません、と頭を下げて一目散に逃げていった。

 

「…失礼いたしました」

 物売りをハエのように追い払うと、バカラは謝罪した。

 ルフィは、逃げて行った子供達の背中をチラッと見送った。

 

 

 ** - ** - **

 

 ホテル<THE・REORO>の上層階。

 ショーの終わった後の店内では、スタッフと店付きのバンドマン達が騒いでいた。

 ちょっとした打ち上げパーティーのようだ。

 

 ― キンッ ―

 

 ソファにもたれた男女はグラスを軽く合わせ、程よく冷えたシャンパンを飲み交わした。

 

「今夜も、素晴らしい歌声だった…カリーナ」

「フフ…テゾーロ様のパフォーマンスには適いません。ついていくのがやっとでした」

 歌姫は<THE・REORO>の主役を称えた。

 

 まだ二十歳くらい。美しいというよりはカワイイ顔立ちだが、物腰に幼さは感じない。

 それは彼女が、グラン・テゾーロ最高のステージに立つ女として、きめ細やかに磨かれてきたからだ。

 彼女はカリーナ。夢の国の歌姫。

 毎夜、催される彼女のステージは、目と耳の肥えた客達を何度でも魅了して止まない。

 

 ―するるるる~~~~。

 

 奇妙な息を吐きながら、黒頭巾がソファの前に進み出た。

 

「テゾーロ様…麦わらの一味にバカラが接触いたしました」

 黒頭巾の報告にソファの男は、そうか、と小さく声を返した。

 

 ギルド・テゾーロ。

 

 最高の歌い手(シンガー)であり、カジノホテル<THE・REORO>のオーナー。さらには<グラン・テゾーロ号>の船長であり、独立国家グラン・テゾーロの国王だ。

 

 通称”黄金帝”

 

 オールバックの髪、派手なマゼンタのダブルスーツ、ゴールドの指輪…

 だが彼を際立たせるのは、それらのギラギラした外見でも、正義や悪、表や裏と言ったお仕着せの価値観でもない。

 

 彼が、ギルド・テゾーロ。

 オンリーワン ― 自分と言うルールに則り、全ての客を分け隔てせず、あらゆる夢と希望を商う。

 ついには世界のパワーバランスをになう海賊・海軍、そして世界政府という絶対的なくびきからすら“自由”を得た。

 ゆえに…

 何人もこの男をないがしろには出来ないのだ。

 この“絶対聖域(ステージ)”では。

 

「<麦わら>…『あのドフラミンゴ』を潰すとは」

 まったく…、彼女の言う通りだ。

 

 シャンパングラスをユラリと回し、”黄金帝”は息をつく。

 

 ドンキホーテ・ドフラミンゴ

 ― 闇のブローカー“JOKER”は人造悪魔の実、SMILEの製造、販売をシノギにしていた。

 彼の犯罪シンジケートは、新世界を支配する四皇カイドウら大海賊を始め、多数の国家、そして世界貴族である天竜人ともコネクションを有していた。

 もちろん、このグラン・テゾーロとも。

 

 言うなれば、テゾーロも興行主(ブローカー)だ。

 経営者であり王でもあった二人は、ある意味似た者同士だった。

 

 目的のために国家を動かす器量。

 金は欲を回す潤滑油であり、人を使うための道具。

 そして“金に使われる側”に堕ちてはならない――

 その感覚を、ドフラミンゴとテゾーロは共有していた。

 ゆえに共感と警戒、少しばかりの敬意の入り混じった感情で相手を見てきた。

 少なくともテゾーロはそうだった。

 

「ドフラミンゴは、私にとっては商売相手…恩人でもあった」

 アルコールが入ったテゾーロは、口が滑らかになったのか、独白のようにカリーナに語る。

 

「恩人…?」

「持ちつ持たれつ…人脈だよ、ショービジネスは」

 

 その悪のカリスマ“ドフラミンゴ(JOKER)”が、先日組織ごと潰された。

 やったのは、あのマリンフォード頂上戦争で名を上げたルーキー海賊だ。

 革命軍のリーダー・ドラゴンの実の息子だとも言っていたか…。

 

 ドフラミンゴを失った新世界は、たちまちバランスを崩した。

 

「世界各国、大海賊…彼らへの兵器の供給ルートが断たれた事で、革命軍が各地で蜂起、勢力を拡大していますね」

「カリーナ」

 テゾーロは機嫌が良い。

 

「利口な女は嫌いじゃない、が…」

「…失礼しました、私は歌う事しか出来ない女」

「そうだよカリーナ。利口なお前は、私の傍らでさえずり、私の歌を称えていれば良い」

 そんな姫を宝石のようにはべらせてこそ、所有欲は充たされる。

 

「私は…テゾーロ様の歌が、好きです」

 カリーナは黄金帝の瞳を見つめて、答えた。

 

「ありがとう、カリーナ」

 テゾーロはここでおどけて見せた。

 

「まったく…既得権益の塊のような、このグラン・テゾーロにとっては、『めんどう』な事になった」

 カジノの『太い』客は、各国の指導層、世界政府や海軍の幹部、大海賊達だ。

 彼ら既存勢力から黒い利権を認められたグラン・テゾーロは、革命軍にとっては打破すべき敵だろう。

 

「―まったく迷惑させられる。さて、どれほど楽しませてくれるか…『麦わらのルフィ』」

 騒いでいたバンドマンの一人が、ジョッキを片手にやって来た。

 

「聞いたことありますよ~!海賊王になるとか、バカな事言ってるらしいじゃないですか、ソイツ!なァ?」

 ギャハハハ、と下品に笑うとバンドマンは仲間を振り返る。

 酔い過ぎだ。仕方ねェな、と声が返った。

 

 テゾーロは…おもむろに手を伸ばした。

 その横顔を見た歌姫が、ハッと小さく息を呑む。テゾーロはグラスを傾け、中身を床にこぼした。

 

 ― パリンッ

 

 落としたグラスが割れる音が響いた。その音で、バンドマン達は我に返った。

 

「一つ…教えてくれないか」

 すっかり興が冷めたと言った表情で。

 

「何故、(他人(ひと)の夢を)笑う…?」

 テゾーロはお調子者のバンドマンを睨み付けた。

 ソファに座ったまま、やや身をかがめて手を胸の前に組む。

 

「…はっ?え…いや…」

 

 笑いこけていたバンドマンの顔が、みるみる蒼白になっていく。

 グラン・テゾーロは夢の国。楽しむための街だ。

 そして、その価値観―コンセプトを決めるのは…。

 

「この街で、『何が面白いのか』決めるのは…誰だ?」

 テゾーロは左手の人差し指の指輪を外した。

 

「それは…も、もちろんテゾーロ様!です!」

 逃げ腰になりながらバンドマンが叫んだ時、テゾーロは指輪を投じた。

 バンドマンが逃げる。指輪は床を跳ねて転がった。

 

 キンッ…キンッ、キンッキンッキンッキンッキキキキキ……

 

 転がる指輪が、いきなり糸に解けてバンドマンを絡め取った。

 倒されたバンドマンは蜘蛛に捕らえられた獲物のようにもがく。

 

「テゾーロ様!許してください!も…もう笑いませんから!」

「そうか、分かってくれたか」

 テゾーロは朗らかに笑った。

 

「なら、もう良い」

 テゾーロは座ったまま、指を一本クイッと動かした。

 すると天上の黄金のシャンデリアが、グニャリと粘菌のようにカタチを変えていく。

 

「助けてェ~~~~」

 

 ベチャッ

 

 ドロドロに溶けたシャンデリアだった物に全身を包まれた犠牲者は、すぐに固まり動かなくなった。

 店内は、シーンと静まり返った。

 

 何も言い出すものは居ない。何故なら、この見せしめ(ショー)の評価をつけるのは…

 

「クックッ…ハハハハ!イッツ・ア・エンターティンメント!」

 どうだと言わんばかりに。

 テゾーロは拍手喝采、自画自賛。オーバーリアクション気味に両腕を上げた。

 

 スタッフ達は、顔をこわばらせ、アハ、アハ、…と、ひくついた笑い声を返した。

 歌姫カリーナは全てを見た後、興味なさそうにグラスを口に運んだ。

 

「…どういたしましょう、麦わらの一味は」

 一人動じることなく、黒頭巾が言った。

 この男、名をタナカさんと言う。グラン・テゾーロの幹部であり船の警備主任だ。

 

「そうだな…取引(ディール)でハメるか」

 

 ― 実に、面白いショーになりそうだ。

 

 あの、<天夜叉(ドンキホーテ・ドフラミンゴ)>をハメた男を、自分がハメる。

 この(ステージ)の主役は、(テゾーロ)だ。

 

 ドラマチックに!エキサイティングに!

 ゆえに彼は、退屈をいとい、空気を読まないバカを蔑み、勝負を挑む価値のある相手の訪問をいつも待っていた。

 

 

 

 **-**-**-**

 

 

 ―するるるる~~~~。

 

「……」

 普段着に着替えた男が客船に乗り込む。船の中には明るい顔の者が多いが、男のように暗い顔をした者も居る。

 男は見せしめにされたバンドマンだった。

 わずかばかりの給金を貰い、船から出ていくのだ。

 

「…殺されたかと思った」

「そうだね。これからは、他人(ひと)の夢を笑っちゃダメだよ?」

 普通なら死んでいた。本来(原作)であれば…

 

 グラン・テゾーロに居る者は、彼が死んだと思っているだろう。

 だが、バンドマンは生き延び、この国を出ていく。

 

「ありがとうございました。」

「達者でな…」

 

 

 **-**-**-**

 

 

 

 カジノホテル<THE・REORO>を訪れた麦わらの一味は、胸を高鳴らせた。

 

「うっひょ~!すげー広いなァ!」

「本当だ~!何からやろうか迷う~!」

 ルフィとキャロットが声を上げた。

 スタジアムほどある大ホールに遊戯施設が配置されていた。

 スロットマシン、ルーレット、サイコロ、各種のカードゲーム、余興のアトラクション。

 そこでは人間、魚人、巨人族…種族年齢を問わず、見えるだけでも数千人が遊技(ギャンブル)にふけっていた。

 案内係のバカラの所に、カジノの黒服がトランクを持ってやって来た。

 

「一億ベリー分のチップです」

「一億!」

 ナミは息を呑み、バカラとトランクを交互に見る。

 

「借りて良いの…?本当に…?」

「はい」

 バカラは気前良く大金を貸してくれた。

 

「ありがとう!おれ、遊んでくる!」

 腕を伸ばしたゴム人間の船長は、トランクのチップを一掴みすると走って行った。

 チョッパーとキャロットも後に続いた。

 

「待ちなさいよ!もう、アイツら勝手に…!」

 トランクごとチップを受け取ったナミは、他の仲間達と後を追った。

 ルフィは、亀のカタチをしたドームのブースに入っていった。

 

 ―“HOT SHELL(ホット シエル)

 

「何なの、このゲーム?」

 ナミは案内のバニーガールに尋ねる。

 

「こちらはカメ車によります参加型レースになておりまーす!参加料は一回、百万ベリーとなっておりまーす!」

「はァあ?」

 高すぎる。

 しかし、その時にはもう既にルフィはエントリーを済ませていたのだった。

 

 ***

 

 スターティング・グリットに着いたスーパー・カメ車に、スタンドにいる観衆の声援が降りかかる。

 

『ーーーさァ!ルール無用のカメ車レース“HOT SHELL”』

 

「ちょっと、アンタ達!百万ベリーよ!負けたら承知しないわよっ!」

 最前列に陣取ったナミは、カメ車に声を投げた。

 

「任せとけって!」

 ハンドルを握るのはキャロット。助手席にはチョッパー。後部座席のルフィは、スタンドの仲間達に手を上げて返した。

 

『参加台数は六台!改造OK、妨害OK、とにかく高級エリアを駆け巡るコースを一周して、最初に戻ってきた車が優勝!賞金は一千万ベリー!』

 つまり参加費が、十倍になって返って来るという事だ。

 参加台数が六台では胴元は赤字だが…もちろんレース結果は掛けの対象。

 皆、これぞと見込んだカメ車を応援している。ビックマネーが動く大レースだ。

 

 バロロロロ…!

 

 六台のカメ車が排気音(エグゾースト)を響き渡らせる。

 

『準備良し……GO!』

 バニーーガールが合図した直後、各車は一斉にスタートした。

 

 カメカメカメカメ―!

 

 マッスルガメ達のパワーで、車は加速した。

 

『さァ、まず抜け出るのは…おっと!一台、前に出たのはジミー・マイヤーズだァ!』

 各車、スタンド前が外に飛び出す。見送った観衆達はスクリーンを見守った。

 

『目立たず賭けるのがモットー、ジミー商会社長!ハンドルを握ると人格が変わーーーー』

 ダダンッ!

 

 砲声が轟くや、先頭を行くカメ車のタイヤがバースト、スピン、コースアウトした。

 

『あーーっここでジミー、脱落!』

 改造OK、妨害OK、それがレースのルールだ。

 

『そして、トップに躍り出たのは!曲がったが事大嫌い、スレート軍曹だ!』

 改造車に乗っているのは、海兵達だ。運転席に砲座を取り付けている。先頭に立ったストレート軍曹は砲座を反転させた。

 

 ドンッドンッドンッドン!ズドドッ!

 砲弾の雨が後続車を襲う。

 

「えェ~!!なんで!どうして?」

 ハンドルを握るキャロットが異変に気付く。

 二番手に着いていたが、ドンドン抜かされて最後尾になってしまった。

 まさか、エンジントラブル…?

 

 ― カメ~…。

 

「何やってんだ、おい亀共!」

 なんとマッスルガメ達が、ダラけてサボっているではないか。

 

「聞いてみる」

 助手席のチョッパが身を乗り出して、動物語で尋ねた。

 

「…え?だるい(だリー)眠い(ネミー)し、海に帰りて(ケーリテ)ーって?」

「グレてんの?」

 キャロットは困惑した表情をチョッパーに向けた。

 なんで自分達の車の亀だけやる気がないのか?

 

『--さァ!ここからプールエリア!最初のコーナーに向かう!』

 ホテルの建物を出た各車は、野外プールを取り巻く高架コースに突入した。

 ホームストリートから大きく左カーブ、そしてヤシの巨木をグルリと登る螺旋(ループ)スライダー。

 

「軍曹!曲がりきれません!」

「ふざけるな!ワシの辞書に曲がると言う文字はない!直進あるのみ!」

 先頭を行くストレート軍曹は、部下の兵卒に拳を振り上げた。

 

「アイアイサー!」

 

 ドカーン!

 

 曲がる気すらなかったストレート軍曹のカメ車は、ガードレールをぶち破ってコースアウト、プールに沈んだ。

 リタイアだ。

 

『―さァ、残るは四台!…おっと!ここでドンケツから青い上げてきたのは、レンタルカメ車での特別参加、<麦わらのルフィ>チームだァ!』

 

― カメカメカメ!

 俄然、やる気を出した八匹のマッスルガメがV8サウンドを響かせる。

 

「頑張れー!勝ったら、美味しい餌をおごってやるぞォ」

 チョッパーはマッスルがメたちを応援した。

 

『<麦わら>チーム、暫定一位のヤブ医者・ホワイトジャックに迫る~~~~!』

 先頭車のホワイト・ジャック医師は、後部座席の看護師を振り返った。

 

「フハハ!抜かせないよ!キル子ちゃん!」

「了解」

 可愛く言いながら巨大注射器を構えたキル子看護師は、先っちょから謎の液体をビュルル!と発射した。

 ヌルヌルのオイルだ。

 <麦わら>チームのカメ車は滑ってスピン、最後尾になってしまった。

 

 

 

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